イステリトアの空(第3話)
■これまでのお話はこちら■本編 春洋には三つ年の離れた弟がいた。にいちゃん、にいちゃんとにこにこしながら彼の後を常について歩くような愛嬌のある子だったが、どれだけ学んでも文字を読んだり書いたりすることができず、学校の勉強には落ちこぼれていたことから、級友には馬鹿にされ、上級生からはいじめられて悪事の片棒を担がされて、結局その罪を全部押し付けられて馬鹿を見る、というような弟だった。
「勉強はまったくできませんでしたが、馬鹿だとは小生には思えなかったのです。弟はどこか、我々が見て