クリスの物語(改)Ⅲ 第十四話 紗奈の提案
母親に続いてうつむきがちにリビングに上がった優里は、ソファに座るふたりに向かって「いらっしゃい」と軽く頭を下げた。
クリスも紗奈もその場に立ち上がった。
「おかえり」と、紗奈。「お邪魔してます」と、クリス。
優里はいかにも私立中学らしい黒の学生カバンを肩から外すと、それを床に置いてふたりの向かいのソファに座った。
小学校の時と比べて、優里はだいぶ雰囲気が変わっていた。お洒落に目覚めた今どきの女子という感じだ。
ふたりから視線を向けられて優里は恥ずかしそうにうつむ