村本大志

映像演出家 / デニムブランド downnorth jeans 主宰。 小説『透明な耳…

村本大志

映像演出家 / デニムブランド downnorth jeans 主宰。 小説『透明な耳。』双葉社 お問い合わせはHPからお願いします▶︎ http://taishimuramoto.downnorth.jp/ 第5回かつしか文学賞・優秀賞『佐山家の彼岸』

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『あかり。』➀ 相米慎二監督の思い出譚

相米慎二監督という映画監督がいた。いまから20年くらい前に病気で亡くなってしまった。 いま、当時のことを思い出しても胸が痛くなる。 監督が残した映画は全部で13本。…

村本大志
2年前
32

あまりにも風が強くて、湿気もすごい。。
なんだろう今日の天気って。

村本大志
10時間前

羊毛とおはな「まなざし」トリビュートアルバムです。移ろう季節の中で、忘れられないアーティストってすごいです。#羊毛とおはな

村本大志
6日前

『あかり。』第2部・相米慎二監督の思い出譚 / S#71 絵コンテとはなんだ?

ずいぶん昔に、漫画家の内田春菊さんに僕の絵コンテを見せたとき、「あんた、漫画家になればいいじゃん」と言われたことがある。本職に言われるとなんだか恥ずかしくて慌て…

村本大志
10日前
8

初夏をなんとか一緒に迎えられた。羽根木公園で会うたくさんの飼い主さんや犬たちに毎日応援されている。
みんながジャックに食べられるオヤツをくださる。
それを楽しみにジャックは夕方羽根木公園へカゴ乗りで向かうのだ。一日のうちでこの前後だけ、ジャックはかつてのジャックに戻る。

村本大志
3週間前
2

vans祭りです。
なんていうか最高です。
このところの日々の中で、とてつもなくテンション上がりました!どうもありがとうございました😭 #vans

村本大志
1か月前
1

シン焼きそば(マルちゃん)

YouTubeを転がしていると、焼きそばのアレンジレシピによく出会う。 みんな普通に作るのに飽き飽きしているのだろう。 どこのスーパーに行っても置いてあるマルちゃんソー…

村本大志
1か月前
5

#70 『あかり。』第2部 相米慎二監督監督の思い出譚・コンテ全部書いとけよ

監督が僕に言った。 「ムラモトくん、コンテ全部書いとけよ」 「あ、はい」 僕はうなずいた。 台本に線を引き、カット割りをあらかじめ決めておくことをなんて言うんだっ…

村本大志
1か月前
8

『あかり。』第2部#69 三馬鹿・相米慎二監督の思い出譚

監督にとって大切だったのは、俳優やスタッフと真摯に向き合うことだけであって、他のことは結構いい加減だった。 監督を見ていると、『演出すること=仕事』というより『…

村本大志
1か月前
7

『あかり。』 #68 16mmフィルムで・相米慎二監督の思い出譚

(#59の続き) あっという間に月日が経ち、テクノロジーは進化したので、いまさらフィルムで撮るかデジタルで撮るかを話すのはナンセンスかもしれないが、僕はフィルム撮…

村本大志
1か月前
5

初代ジャック?

春の嵐なのか。昨日からの湿気、雨、そして強風。 予想通り公園の桜は半分以上散ってしまった。 儚いものです。 午後遅くになって、ようやく雨も上がったのだが、身体がベ…

村本大志
1か月前
11

ブルーベリージャムのサンドイッチ

お手製のブルーベリージャムをいただいた。 毎度、ありがたいことである。 市販のものとは鮮度も味も違う。 摘むのにも手間暇がかかることは、ブルーベリー狩りをしたこと…

村本大志
1か月前
3

ジョジョとの邂逅

行きつけの珈琲店の帰り道、懐かしい犬に出会った。 ジャックがまだ小さい頃、羽根木公園の広場でよく遊んでいた黒柴のジョジョだ。 彼もジャックと同い年なのである。 犬…

村本大志
1か月前
5

インコとサクラ

公園にインコがたくさんいた。 今日初めて聞いたのだけれど、元々はペットとして飼われていたインコが、飼い主が飼うのを放棄してしまったせいで、野生化したものが、いつ…

村本大志
1か月前
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『あかり。』#67 タクシー・相米慎二監督の思い出譚

タクシーを停めて監督を見送るとき、いつも寂しいようなホッとしたような気持ちになった。あれはどういう感情なのか……。 その頃は、懐具合がよかったようで、監督は飲む…

村本大志
1か月前
3
『あかり。』➀ 相米慎二監督の思い出譚

『あかり。』➀ 相米慎二監督の思い出譚

相米慎二監督という映画監督がいた。いまから20年くらい前に病気で亡くなってしまった。
いま、当時のことを思い出しても胸が痛くなる。

監督が残した映画は全部で13本。その映画には多くの資料や証言が残されているので、詳細はそちらに譲りたい。DVDもある。未見のひとは、ぜひ見ていただきたい。

よく、映画監督が映画を撮っていないときにどうやって暮らしているのか?と半ば、興味本位に話題にする人がいるが、

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あまりにも風が強くて、湿気もすごい。。
なんだろう今日の天気って。

羊毛とおはな「まなざし」トリビュートアルバムです。移ろう季節の中で、忘れられないアーティストってすごいです。#羊毛とおはな

『あかり。』第2部・相米慎二監督の思い出譚 / S#71 絵コンテとはなんだ?

『あかり。』第2部・相米慎二監督の思い出譚 / S#71 絵コンテとはなんだ?

ずいぶん昔に、漫画家の内田春菊さんに僕の絵コンテを見せたとき、「あんた、漫画家になればいいじゃん」と言われたことがある。本職に言われるとなんだか恥ずかしくて慌てて引っ込めた。僕のコンテはあくまで素人絵で、デッサンも学んだことはないし、雰囲気だけの到底売り物になる代物ではないのだ。
それでも春菊さんに漫画家御用達の画材を教えてもらって、世界堂にいそいそと買いに行った。(スクリーントーンまで!)

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初夏をなんとか一緒に迎えられた。羽根木公園で会うたくさんの飼い主さんや犬たちに毎日応援されている。
みんながジャックに食べられるオヤツをくださる。
それを楽しみにジャックは夕方羽根木公園へカゴ乗りで向かうのだ。一日のうちでこの前後だけ、ジャックはかつてのジャックに戻る。

vans祭りです。
なんていうか最高です。
このところの日々の中で、とてつもなくテンション上がりました!どうもありがとうございました😭 #vans

シン焼きそば(マルちゃん)

シン焼きそば(マルちゃん)

YouTubeを転がしていると、焼きそばのアレンジレシピによく出会う。
みんな普通に作るのに飽き飽きしているのだろう。
どこのスーパーに行っても置いてあるマルちゃんソース焼きそば。
この国に未来永劫あるような気がする。
今夜も袋を開封しました。

まずはレンジで2分加熱(3袋)
フライパンにごま油を敷き、麺を並べる。上から醤油を適宜回しがけてから着火。中火で両面こんがりするまで焼く。

その間に具

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#70 『あかり。』第2部 相米慎二監督監督の思い出譚・コンテ全部書いとけよ

#70 『あかり。』第2部 相米慎二監督監督の思い出譚・コンテ全部書いとけよ

監督が僕に言った。
「ムラモトくん、コンテ全部書いとけよ」
「あ、はい」
僕はうなずいた。

台本に線を引き、カット割りをあらかじめ決めておくことをなんて言うんだっけ……あ、割り本。
ドラマや映画の場合、こちらのほうが日本だと一般的だと思う。
CMの場合、脚本がなく絵コンテだけである。

SFX系の作品だと丁寧に絵コンテを作り(=ストーリーボード)どこを実写で撮り、どこをアニメやCGにするか、あと

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『あかり。』第2部#69 三馬鹿・相米慎二監督の思い出譚

『あかり。』第2部#69 三馬鹿・相米慎二監督の思い出譚

監督にとって大切だったのは、俳優やスタッフと真摯に向き合うことだけであって、他のことは結構いい加減だった。

監督を見ていると、『演出すること=仕事』というより『=生き方』に思えた。
考えてみると、アイドルたちが右往左往する恋愛ドラマみたいなものに、なんであんなにエネルギーを掛けたのだろう。
それはCMのほうも同じだった。
どっちだっていいじゃないか……と考えてしまえばそれまでのことに、なぜか一生

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『あかり。』 #68 16mmフィルムで・相米慎二監督の思い出譚

『あかり。』 #68 16mmフィルムで・相米慎二監督の思い出譚

(#59の続き)
あっという間に月日が経ち、テクノロジーは進化したので、いまさらフィルムで撮るかデジタルで撮るかを話すのはナンセンスかもしれないが、僕はフィルム撮影が好きである。フィルムの持つ質感が好きだった。ましてや映画(みたいなもの)であればなおさらだった。

「じゃあ、フィルムで撮れないならやんないってわけ?!」
目の前のKプロデューサーの目が三角になった。
新人監督にそんなこと言われる筋合

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初代ジャック?

初代ジャック?

春の嵐なのか。昨日からの湿気、雨、そして強風。
予想通り公園の桜は半分以上散ってしまった。
儚いものです。

午後遅くになって、ようやく雨も上がったのだが、身体がベッドから起き上がれない。こちらも看病疲れ、睡眠不足が続いている。

数値が下で安定したのか、身体が病気に慣れたのか、それとも春だからか、ジャックはこのところ元気だ。

今日も散歩が待ちきれずソワソワして、玄関先で「早く行こうよ」とばかり

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ブルーベリージャムのサンドイッチ

ブルーベリージャムのサンドイッチ

お手製のブルーベリージャムをいただいた。
毎度、ありがたいことである。
市販のものとは鮮度も味も違う。
摘むのにも手間暇がかかることは、ブルーベリー狩りをしたことがあるので少しはわかっている。

いつもながら感心してしまう出来栄えのジャムで、いただいた帰り道にリッツを買っておいてよかった。
深夜、リッツにジャムを乗せながら映画を見ていた。

朝方になって、またお腹が空き、せっかくだからサンドイッチ

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ジョジョとの邂逅

ジョジョとの邂逅

行きつけの珈琲店の帰り道、懐かしい犬に出会った。
ジャックがまだ小さい頃、羽根木公園の広場でよく遊んでいた黒柴のジョジョだ。
彼もジャックと同い年なのである。

犬同士も懐かしそうに、匂いを嗅ぎ合い、尻尾を小さく振っていた。
昔のように「遊ぼう!」の姿勢をとることもなく、穏やかな様子で挨拶を交わしていた。

公園の広場を陣取り、ロングリードで激しく走り回っていたジョジョの姿が思い出される。あっとう

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インコとサクラ

インコとサクラ

公園にインコがたくさんいた。

今日初めて聞いたのだけれど、元々はペットとして飼われていたインコが、飼い主が飼うのを放棄してしまったせいで、野生化したものが、いつしか増殖したそうだ。

緑色も鮮やかなインコたち。

「害鳥なんだって」
「桜の花の蜜を吸うために、枝にとまって、ああやってゆするから、花びらがみんな落ちちゃうのよ」

確かに。
咲いたばかりの桜が、なぜかその木だけ散っている。
見ている

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『あかり。』#67 タクシー・相米慎二監督の思い出譚

『あかり。』#67 タクシー・相米慎二監督の思い出譚

タクシーを停めて監督を見送るとき、いつも寂しいようなホッとしたような気持ちになった。あれはどういう感情なのか……。

その頃は、懐具合がよかったようで、監督は飲むとたいてい帰りはタクシーだった。

あまり電車で帰る監督を見たことがない。

僕らが監督を見送り、監督が窓越しに軽く手を上げる。
あの景色はいつまでも映像となって記憶に残っている。

タクシーが去るのを待ってから、僕らは飲みに行ったり、あ

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