ファンドレイジングが「手法」では通用しなくなってきたな・・・と感じた時がマネジメントを進化させるタイミング
今回のnoteは、書籍”人が「つながる」マネジメント”を参考に作成しております。より詳細が知りたい方は読んでみてください。
もはや「手法」では通用しなくなってきた
ファンドレイジングで結果を出していくのは年々難しくなってきていると思います。特に長く活動をされている団体さんほど、だんだん獲得金額が減っていることが課題であることが多いです。
もはや「手法」ではなくて、組織全体で取り組まなければ資金が集まらなくなっています。
ここで言っている手法というのは、例えば、ひとりの担当者がこれまでの団体内の各種情報を編集してランディングページを作成してクラウドファンディングを実施したら、既存寄付者がなんだかんだで寄付してくれて目標を達成するといったことです。
どのようにまとめたら、人にわかりやすく伝わるのかの手法は本や研修で教えてくれますし、Chat GPTで共感を持ってもらえる項目のひな形を提示してもらえるようにもなってきました。
しかし、組織全体でどう取り組んだらいいかまでは教えてくれません。
マネジメントの進化度の確認
こうした現状がありますので、私がファンドレイジングの伴走支援をする時は、まず組織のマネジメントの進化度をやりとりの中で推し量るところから始めます。
こんなお話から始める団体さんが多いですが、その際に300万円をファンドレイジングするためにどのようにされますか?と質問し、その回答をよく聞くようにしています。
組織のマネジメントは歴史的に①職務志向、②集団志向、③個人志向と進んできましたので、この質問によって、どの段階なのかおおよそわかります。
①職務志向
と言われるならそれは①職務志向です。
ファンドレイジングを単なる寄付集めや集金行為と考えていて、専門家に外注してすまそうと考えています。そして、結果が出なければ別の人に変えればいいとも思っています。
そもそも、これをうけられる専門業者は少ないもしくは高額ですから、なかなかこの考えは成り立ちません。が、まだまだ根強く残った考え方です。
②集団志向
と言われるなら②集団志向です。
こうした発言をされる団体さんは「意思決定では優先順位づけを大事にしています」とか「いろいろやることはありますけど、結局は誰のための活動かですよね!」というセリフが多いです。
つまりは、事業とファンドレイジングを比べて、事業優先で取り組むように職員に明示的・暗黙的に指示しているのです。なので、職員はそれに忠実に、ファンドレイジングよりも事業を優先します。
やっている感はあるのですが、やれていない。
そして、目標の資金獲得ができなくても「事業で忙しかったからできなかったんです」という言い訳が何年も言われ続けて、まかり通っています。
人にあたたかく、仕事にあまい
過去うまくいった集団思考は現代には通用しなくなってきました。この集団志向の団体さんが現状一番多いのではないでしょうか。
こういう団体さんの伴走支援は最初はいいのですが、結局担当者が「忙しい」と繰り返して何も進まず終わることが多いです。
③個人志向
と言われるなら③個人志向です。
こうした団体さんは、専門性が高く、事業としてはうまく回っていることが多いので、ファンドレイジングはほんのおまけ程度にしか考えていません。
それはいいのですが、マネジメントの基本的な考え方が、担当者に任して放置し、最終のアウトプットや、結果だけで評価していきますので、担当者が疲弊していることがほとんどです。
いち担当者がやれる範囲で成果がでるのは数年前ならありましたが、最近のファンドレイジングは複雑になってきたのか、それでは成果がでなくなってきました。
個人志向のマネジメントスタイルが自律的でかっこいいと思い込んでいる経営者の方はまだまだ多いですが、職員が離職して組織基盤がガタついていることがほとんどです。
ファンドレイジングの失敗は組織のマネジメントが進化していないから
①職務志向、②集団志向、③個人志向、のマネジメントスタイルを見てきました。各志向ごとにファンドレイジングが失敗した時の原因を質問した時の回答のパターンは以下です。
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