勝部元気

文筆家・社会事業家。連載・朝日新聞社『論座』/著書『恋愛氷河期』(扶桑社) /所持資格…

勝部元気

文筆家・社会事業家。連載・朝日新聞社『論座』/著書『恋愛氷河期』(扶桑社) /所持資格数71個/「http://Social-Activist.com」主催。

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  • 勝部元気のプライベートゾーン第1巻

    社会派コラムニスト・勝部元気が、言論サイトとは違ったプライベートなお話を中心に、ゆるふわ記事をお届けします。 書いて欲しい記事はコチラからリクエストもできます→ https://note.mu/ktb_genki/n/nd92db41eed88

最近の記事

大切なアイデンティティは人それぞれ違うんだよというお話

7/14は国際ノンバイナリーデーでした。既に公表してますように、私もノンバイナリーです。 髪の毛を伸ばしたり、メイクやネイルをしていると、トランスジェンダー女性と勘違いする人もいるのですが、私はトランスジェンダーではないですし、むしろトランスジェンダーの人たちが感じる「性別違和」からは最も遠い位置にいます。 というのも、私の場合は、男性の身体が割り当てられたことに特に違和感がありませんし、仮に女性の身体が割り当てられたとしても何ら違和感はありません。 ジェンダーアイデン

    • 男の詭弁をぶっ飛ばせ

      「ジェンダー平等賛成、ミソジニー・家父長制・ホモソーシャル反対をコンセプトに掲げる音楽をやりたい!!」と以前から考えていたのですが、当然願うだけではなかなか実現はせず… それでも絶対に必要だし、何とかしてやりたいので、とりあえずまずは自分ができることから始めようと、曲の歌詞を考えてみました。 初回は、性差別主義的な男性によるありきたりな3つの発言に対して、彼らの心理や弱さを解説しながら批判する内容となっています。 元曲があるわけではないので、とりあえず4拍子に乗せていま

      • リベラルが左傾化したのではなくて、あなたが時代の進歩についていけなくなっただけです

        Twitterを買収するイーロン・マスク氏が、以下のような投稿をして、話題になっているようです。 これに対して、日本の一部のユーザーが、「まさに自分もこれだ!」という引用リツイートをつけています。 ですが、100年単位で考えて欲しいのですが、かつての「リベラルサイド」や「保守サイド」はどのような主張をしていたのでしょうか?  リベラルサイド は「奴隷制度を無くせ!」「普通選挙を無くせ!」と言っていて、 保守サイドはそれに反対していたわけですよね。 でも、今の保守サイドか

        • 「男性だからというだけで警戒するのは男性差別だ!」という主張は、女性に罪悪感を抱かせようとするモラハラ仕草です

          お笑い芸人「かまいたち」の山内健司氏が、先にエレベーターを待っていた女性に警戒されて一緒に乗らなかったことに腹を立てて、驚かすために一度上がってからもう一回戻ったというエピソードをテレビで披露し、インターネット上で批判が巻き起こっているようです。 女性に対する憎悪に起因した加害行為であり、「ヘイトクライム(=特定の属性に対する偏見や憎悪が元で引き起こされる暴力等)」に該当すると言っても過言ではありません。それをお笑いネタとして披露するなんて言語道断です。 その一方で、確か

        大切なアイデンティティは人それぞれ違うんだよというお話

        • 男の詭弁をぶっ飛ばせ

        • リベラルが左傾化したのではなくて、あなたが時代の進歩についていけなくなっただけです

        • 「男性だからというだけで警戒するのは男性差別だ!」という主張は、女性に罪悪感を抱かせようとするモラハラ仕草です

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        • 勝部元気のプライベートゾーン第1巻
          4本
          ¥350

        記事

          男性だけど共感したのはメンズリブではなくフェミニズムだった、その理由

          朝日新聞・夕刊(4/14付け)の「一語一会」コーナーでインタビューを受けました! 連載している『論座』の執筆では普段様々な社会問題を扱っていますが、その中でも「男性が女性に対して色眼鏡で見てしまう問題」について課題意識を持つきっかけとなったエピソードをお話しています。 普段は進歩的なことを言っている男性の著名人が、ジェンダーが絡むと急に「バグる」ことが最近インターネット上で問題視されていますが、彼らと違って私がジェンダーが絡んでもそうならずに済んでいる背景について掘り下げ

          男性だけど共感したのはメンズリブではなくフェミニズムだった、その理由

          日本人の自己肯定感が低いのは、「過剰な自己責任論」等が原因です。

          2021年も終わろうとしている12月。Twitterのおすすめで、こんなツイートが私の目に飛び込んできました。 これはマジな話、自己肯定感が爆上がりする習慣は「髪をセットする」「スキンケアを楽しむ」「1日6分の読書」「週2の筋トレ」「声に出して笑う」「ちゃんと泣く」「白い靴をはく」「今の自分を受け入れる」ないものねだりより、あるものに感謝。自己肯定感が低い人にはプロフの最後の言葉も届けたい。 ツッコミどころ満載の内容に、思わず盛大に吹いてしまったのですが、あろうことか、こ

          日本人の自己肯定感が低いのは、「過剰な自己責任論」等が原因です。

          「娘と一緒にお風呂」にこだわる父親のキモさを言語化してみた

          さっき娘に、ついに「クラスの誰もパパとお風呂入っていないから、私ももう入らない」と言われた時の(妻が隠し撮ってた)自分。我ながら表情ヤバい。 「社会起業家の駒崎弘樹氏がこんなツイートをしている!」と友人から教えてもらいました(※2021年12月27日20時時点では当該ツイートは削除されているようです)。 私は彼にブロックされているため、直接確認することはできなかったのですが、スクショで出回っている画像を見る限り、彼はショックを受けて呆然とした表情のようでした。 ◆11歳

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          「娘と一緒にお風呂」にこだわる父親のキモさを言語化して…

          「分断を煽る」という言葉を、声を上げるマイノリティーを黙らせたいがために 誤用・悪用する人たち

          「Divide et impera(分断して統治せよ)」という慣用句が歴史的に存在するように、「分断」というのは本来、行為主体は「権力者」です。 近年ですと、たとえば、ドナルド・トランプというアメリカ大統領の地位にあった者が、移民を自分たちの仮想敵に据えて社会の分断を煽ることで、一部の層から絶大な支持を獲得したのは、事例として最も分かりやすいかと思います。 また、特定の個人ではなくとも、格差社会や搾取構造のように、社会全体の構造が人々の分断を深めることもあります。ですが、

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          「分断を煽る」という言葉を、声を上げるマイノリティーを…

          やっぱり考えて欲しい、小木氏の発言における心理的虐待の可能性

          「おっぱい出てる」という娘のプライベートゾーンや二次性徴に関する情報を、ラジオという公共の場で言及したお笑い芸人「おぎやはぎ」の小木博明氏の発言に対して、改めて何が問題だったかについて書きたいと思います。 問題提起をした当時は、まさかのご本人が絡んできたために、全体として様々な枝葉の議論に行ってしまったのですが、改めて根幹の部分である虐待の問題について、より深い問題意識を持って欲しいと思い、ここに記すことにしました。 ◆プライベートゾーンは同意無く話題にしてはダメまず、「

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          声を上げた人が晒されるデマや誹謗中傷を皆で跳ね除ける方法を考えた ~小木氏クラブハウスの件から~

          既にご存知の方もいるかもしれないですが、「女性ってピラニア」発言や、過去のラジオでの発言が批判を浴びていたお笑い芸人「おぎやはぎ」の小木博明氏と、クラブハウスで直接話しました。 「おっぱい出てる」という娘のプライベートゾーンや二次性徴に関する情報を、ラジオという公共の場で触れた小木氏の発言に対して、私が批判を加えるツイートしたところ、それを見た本人が、打ち合わせをしていた私たちのルームに入って来たという経緯です。 様々な作業を同時並行でしていたため、言いたいことを十分に言

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          「女性差別は反対だけど、フェミニストに自分も責められないか怖い」というキミへ

          「しりぞけ、失言の森」の一件から、今まで女性差別・蔑視の問題について語っていなかった男性たちも語ることが増えたじゃん? でも、クラブハウスとかでちょっと聞き耳を立てていると、「本当は女性差別反対って声高らかに言いたいんだけど…昔の過ちをフェミニストに責められやしないか、怖いんだよね…」という男性の話を最近よく耳にするんだよね~。 えええ、何?君もそうなん? それ、めっちゃ疑問なんだわ。なんでそんなにビクビク怯えているの?って。まぁおそらく理由は大きく3つあると思うよ。

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          変わった男性が称賛されて、変えたフェミニストが称賛されない、その非対称性について

          ※芸人のせやろがいおじさんがこの記事を、2021/02/12に公開した動画の中で紹介してくださいました! 社会問題を扱うYouTube動画で有名な芸人のせやろがいおじさん。毎回とても良い動画を作る方ですが、先日の『せやろがいは伊藤詩織さんを支持する。その理由を話す。』という動画も、とても良い内容でした。 とりわけ、伊藤詩織さんの件を機に社会の様々な面をアップデートしなければならないという時に、自分も例外ではないという例として、以下のような話をしていたことが、Twitter

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          私の恋愛観と性的マイノリティー性について

          拙著『恋愛氷河期』の上梓から約5年が経ちました。最近の記事ではほとんど恋愛をテーマに話すことは無くなりましたが、たまには触れるのも良いかもしれないと思う今日この頃です。 ということで、今回は恋愛コラムを書いている時でもほとんど語らなかった、私自身の恋愛観について書きたいと思います。論説的要素は少なめで、プライベートな話がメインです。 私個人の話には興味が無いという人もいるかもしれないですが、私はシスジェンダー(性自認と体の性が一致している人)&ヘテロセクシャル(異性愛)と

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          私の恋愛観と性的マイノリティー性について

          男性はもう風俗に行くべきではない

          私はこれまで性風俗サービスを利用したことがありません。 今後利用するつもりもありません。 「お金を払って見知らぬ相手に性的接触に応じてもらっても、相手から求められておらず全然楽しそうと思えない」という個人的な理由ももちろんあります。 ですが、それ以上に、「行くこと自体が社会悪だから行くべきではない」と思うから行きません。 今の日本社会における性風俗の仕組みは、女性に対する構造的な性的搾取です。それゆえ、本人に搾取の自覚や意図があるか否かは関係無く、利用するだけで、自動

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          男性はもう風俗に行くべきではない

          かつての発言を反省したい

          岡村隆史氏のコロナ風俗嬢発言。発言内容が酷いのは当然のこと、それを擁護する人たちが多々いて、かつ何のお咎めも無しにテレビに出演を続けていることも本当に酷いと思います。 さらには、最初にこの問題を指摘した藤田孝典氏や、岡村氏を起用したフェミニズム番組の署名を始めた石川優実氏に対して、反論を超えた単なる個人攻撃が本当に酷かった。 とりわけ、「お前だってかつて○○な発言をしたではないか!」という類のバッシングが多かったと思いました。これは典型的な「Whataboutism(そっ

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          かつての発言を反省したい

          岡村氏関連の署名にバックラッシュが起こった背景を探ってみた

          ・選択的夫婦別姓 ・保育園落ちた日本死ね ・#KuToo これらのフェミニズム運動は、女性に対して事実上の強制を課し、女性の選択肢を狭めている仕組みや文化との戦いです。 そして、セックスワーカーをめぐる問題もこれと同じだと思います。「"昼職"における様々な女性差別」や「ホモソーシャル社会で醸成された女性支配欲」等を通じて、セックスワーカーという"過酷"な職業に就くよう圧力がかかる社会的構造を、ほぼ女性にだけ押し付けているわけですから。 にもかかわらず、「同姓を望む女性だ

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