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海外暮らしのエッセイ

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アメリカで受け取った言葉や価値観について書いています。
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記事一覧

人生という旅路で交わる者たち

2021年の夏から通っていたESL(英語を学ぶクラス)を卒業した。といっても、8月〜翌年5月で1タ…

Mica
3か月前
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氷点下にかかる虹

真冬は氷点下になるシカゴ郊外。マイナス24℃の世界に初めて身を置いたとき「静かで、きれいだ…

Mica
3か月前
83

突風のごとく駆け抜けた日本の夏を振り返る

準備できたよ!!と、我が家のボーイズが揃ってパンパンのリュックを見せにきたのは、出発の2…

Mica
8か月前
58

余白をたのしむ帰省旅

たぷん、とコップから水が溢れるように、頭や心に言葉が溜まりすぎると外へ出したくなる。今の…

Mica
10か月前
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ボーダーラインを進め

シカゴの春が不安定すぎる。4月、気温が25度近くにのぼった上旬。夏じゃん、つい数日前まで…

Mica
1年前
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世界の街で見る祈り

シカゴへ引っ越して通い始めたESLでは、授業の合間に15分の休憩がある。わずかな時間、児童書…

Mica
1年前
48

ポケットティッシュとハグ

くすん、くすんと、すすり泣くような音が聞こえて、それがクラスメイトの声だと気付いたのはしばらくしてからだった。 週に2回ほど通っているESLでは、授業の最初にみんなでCNN10というニュースを見る。使われている語彙レベルが比較的易しく、最近起こった出来事を10分間にまとめた番組だ。 緊迫した事件に動物のおもしろ動画と緩急つけられた構成。その日の冒頭は、ロシア・ウクライナ情勢の続報だった。泣いていたのは、ウクライナ出身の女性である。 いま私たちが生きている、この同じ日同じ

エブリバディ is ウインナー

子どもを見ていると、時々その姿や言動の中に自分のDNAが確実に受け継がれているのを感じてヒ…

Mica
2年前
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選択肢がもたらす幸福と、その周辺について

家から歩いて数分の場所にスターバックスがある。在宅仕事の合間にするお散歩、ESLが終わった…

Mica
2年前
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言語を学び、言葉を尽くす

昨年シカゴ郊外へ引っ越して以来、週に2日ほどESLへ通っている。ESL=English Second Language…

Mica
2年前
72

人生を切り取る、楽しさと怖さ

前回のnoteみたいに、子どもとの日々について書くと、しばらく気持ちがグラグラする。揺さぶり…

Mica
2年前
87

アメリカで育つ息子の語彙がふしぎでかわいい

我が家の息子たちは、日本人夫婦のもとアメリカで生まれた。現在5歳、3歳。アクティブとエモー…

Mica
2年前
273

勇敢なファミリーの空模様

丁寧な暮らしをする人に憧れている。 部屋の彩りに季節の花を添えるとか、プラム酒を仕込んで…

Mica
2年前
63

通りすがりに母国を背負う

新しい街の暮らしは「ちがう」を集めることから始まる。 シカゴ郊外の空は淡くて、水をたっぷり入れた水彩絵の具みたい。そんなふうに思った次の瞬間、ここは雨がよく降る地域だと気付き、ひとり納得を深める。関連性があるかはわからない。ただ、晴れの日が多いカリフォルニアの空は、パキッとした濃い青だったから。 恋しさは優劣から生まれるわけではない。それほどまでに、以前の生活が私にとって日常過ぎただけ。 夏の景色を比べてみる。ふさふさに濃い緑とか、夕立ち後の湿りとか。シカゴ郊外の夏は、