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ため息俳句 花々に会えば・・・。

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折々に出会う花々に寄せた句日記。 野草・野菜の花から名木と云われる一本桜まで、花にもいろいろ、人と同じのように思います。
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ため息俳句 昼顔

ため息俳句 昼顔

 昼顔は雑草である。

昼顔や耕す人の逝き果てて   空茶昼顔の蔓はもつれていろはにほ  

昼顔はたねあかし待ちて一日

ため息俳句 ユキノシタ

ため息俳句 ユキノシタ

 年をとると、身体のダメージはそう簡単には回復しない。若者はそこがわかっていない。ぎっくり腰は、昨日に較べて痛みの軽減は、わずかである。
 今は寝転んでしまうと、起き上がるのが辛いので、なるべく起きているようにしている。

 庭先に出てみると、紫陽花に花芽が出始めていた。

 まるで野茨のような小さな花の薔薇。

 いやいや、これはこれは、ユキノシタ。

 子供の頃、ある晩、熱が出て、耳が猛烈に痛

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ため息俳句 こぼれ種

ため息俳句 こぼれ種

 畑のあちこちに種がこぼれて芽を出してきたものがいる。

 先ずは紫蘇、これは大葉である。夏場の冷たい麵類には必須の薬味。わんさと繁ってくる。

 カモミール。自分的には始末に負えない繁殖力で悩ましいやつだ。

 そうして、向日葵。あちらこちらでみるみるうちに背丈を伸ばす、葉を広げる。これは、玉ねぎの畝に生えてきた、大向日葵になるはずだ。

 そのほか、雑草ならもう嫌になるほどだ。たとえば、これな

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ため息俳句 じゃがいもの花 

ため息俳句 じゃがいもの花 

 心理的な変調が、身体感覚に反映するということは、よくあることだという。
 何にも意欲を感じることができないというのは、心理的な衰弱であろうが、それにともなって体を重く感じるとか怠いとかという症状が合わせてでてくる、そういうことだ。
 自分は、慢性的に腰痛に悩んだことがあるが、これはストレスや不安などと関係するのだと言われた。確かに、その頃、重い仕事を切れ目なくこなしていた。腰痛というのは、まった

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ため息俳句 カーネーション

ため息俳句 カーネーション

カーネーション不在再配依頼にて  空茶
 息子は、勤め先近くの花屋さんから毎年送ってくる。今年は、うすいピンク色。
 数日前には再配達してもらって、今は日を当てた方がよいと、妻は小縁に置いた。
 娘は、いつも身に着けるものを送ってくる。あれやこれやと、選ぶのが大変らしい。

 そのうち、「父の日」やらもくるのであるが、気にしてくれているのは息子のお嫁さんだけだが、ありがたいことだ。

 ちなみに、

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ため息俳句 花眼

ため息俳句 花眼

 白糸草を見に森林公園へ出かけた。

 毎年のことであるから、どこに咲くか知っているから迷うことなくその森へ。
 白糸草の群生の脇に、都忘れが咲いている。

都忘れの薄紫に並びで、薊。

 それから紫蘭。

   山苧環。

 更には、二人静。

 そこから30分ほど歩いて、ボーダー花壇へ。
 園芸種の花園。
 昔ながらの美形、芍薬。

 さて、「花眼」とは中原道夫さんの句集で見かけたことばで

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ため息俳句 クレマチス

ため息俳句 クレマチス

さて、葉桜の向こう側に、鉄線が咲いている。
鉄線というよりクレマチスの方が通りがよい。
この花が咲くと、いよいよ夏が来ると感じる。

鉄線あけっぴろげに笑いたり  空茶

ため息俳句 花水木

ため息俳句 花水木

所用の帰りみち、緑の王国という植物園に立ち寄った。
日ごろ四季折々の移ろいを夫婦で見てきた、なじみの公園である。

ささめくや重なり明かし花水木  空茶たくさんの言葉を濾しぬ花水木老い二人おのおの生まれ別に死ぬ

 花水木の季節である。
 もうすぐに夏がやってくる。

 昔、就職して間もない頃住んでいたアパートは旧甲州街道に面していて、歩道は花水木の並木になっていた。
 木造二階建ての一階東角部屋

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ため息俳句 花筏

ため息俳句 花筏

 昨日洗車したばかりの車は、一夜明けてみると昨夜の少雨が運んだ黄砂が、朝には乾いてこびりついていた。
 こすると指先がうす黄色に汚れた。
 黄砂は遠くタクラマカンやゴビでおきた砂嵐で上空に舞い上がった極微小な砂粒である。
 シルクロードの上空を飛んで、そんな遠くからやってきたのだ。
 ニュースは、至る所で危機が存し、偏西風にのって不穏は拡散されれつづけていると、知らせている・・・・。
 それなのに

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ため息俳句 青麦の穂

ため息俳句 青麦の穂

青麦の穂、散歩の道に。
どこからでも、赤城山を望むことがきる道である。
両側は、麦畑。

麦の穂やはるか赤城は夕霞  空茶

麦に風ここ武蔵野の果てなりし青き穂や屈む農婦の背の円ささえずるは生くる証や揚げ雲雀

麦の穂や拝啓敬具無用とす麦畑さらに遠くへ目をやらむ

ため息俳句 花むしろ

ため息俳句 花むしろ

 我が配偶者のお伴で、赤城山の麓、赤城南面千本桜まつりへ行った。
 昨日、テレビで紹介されていたらしい。
 もう何度も来ている妻のお気にいりのお花見の名所である。

 ここの桜の並木と森は、前橋市の「みやぎ千本桜の森」という広大な公園になって、さまざまに整備されてきた。
 もともとあった桜並木に、近接して桜の森の公園が造成されたのである。その並木と森のが一斉に満開になると、花は圧巻のボリュームとな

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ため息俳句 若楓

ため息俳句 若楓

 新緑の楓は、好きだ。
 森林公園のカエデ園は、秋の夜のライトアップで人気ある。
 その紅葉の楓は云うまでもなく美しいのであるが、晩春から初夏へかけての若々しい楓の森を歩くのも、とても気持ちのよいものだ。

さくらふぶき疎み来て若楓  空茶

我が行くに木漏れ日は青き波  

木々ごとに萌へ出でにける個性かな

 手前は、山つつじ。奥は新緑の楓。そうして中頃の赤い葉は、これが楓なのだ。「猩々」とい

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ため息俳句 春の畑に出てみれば

ため息俳句 春の畑に出てみれば

 夏野菜を支度する時期になった。
 春の変わりやすい天気に翻弄され気味のこの頃であったが、そろそろ暖かい日が続いてくれそうだ。
 この夏の菜園の作付けの計画を作るのが手始めだ。もとよりそんなに広いというものでないから、無制限に野菜の種類は増やせないのだが、できるだけ多品種少量栽培でゆくつもりだ。

 さて、しばらく続いた雨は、畑の雑草をもよく育ててくれたので、雑草の除去が今朝のミッションである。

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ため息俳句 白すみれ

ため息俳句 白すみれ

 庭の桜が咲いた。

 我が家の桜は、花と共に葉も繁り出す。
 人の背丈ほどの小木である。
 その根方に、白い菫が毎年咲く。
 今年は、この一輪。

この花、誰がどこから運んできたのか、不明である。

いつまでもこの木の下に白すみれ   空茶天荒るる散る花愛でよ白すみれ