情報はできるだけ遠いところから見つける【vol.14】

私はインターネットがまだそんなに普及していなかった90年代、雑誌や新聞の「ベタ記事」からネタを拾って企画を考えるのが好きでした。ベタ記事とは100〜200字程度の小さな囲み記事です。ベタ記事扱いということは、そのメディアにとっては、あまり情報価値が高くないと判断されたということです。しかし、メディアが変われば情報価値も変わります。切り口が変われば情報価値も変わります。

私の情報収集の軸となっていたのは、週に一度、図書館に通って、「TIME」「Newsweek」「National Geographic」などの海外の雑誌のベタ記事からネタを探すことでした。

当時、私が編集として携わっていたのは「WINDS」という日本航空の機内誌で、基本的には海外旅行を楽しむ乗客のためのコンテンツがメインでした。しかし、観光地のガイドブック的な切り口は絶対に避けてきました。そんな情報は、どこにでもあるからです。ですから、その国や土地の文化や人を深く知ることができるテーマを探すようにしていました。そこに、これまでに提示されなかったテーマがあり、見つかると信じていたからです。

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