ノリトです。
ChatGPT使ってますか？

３月５日に、AnthropicからClaude 3 Opus / Sonnetが公開されました。（追記、３月１４には Claude 3 Haikuも）
元々、Claude 2.1は日本語能力に定評がありました。
しかし、今回のリリースはすごいです。
日本語の使い分けができ、事実上実用レベルです。

この記事では、Claude 3 OpusとSonnetとHaikuの日本語能力について紹介します。

この記事は、大阪のIT専門学校＆日本語学校「清風情報工科学院」の校長・平岡憲人（ノリト）がお送りします。
ノリトについては、こちらの記事を。

１．桃太郎

日本語能力がどの程度なのか調べるため、日本語能力試験のレベルを利用して、桃太郎の物語を語らせることにしてみます。
日本語能力試験は、外国人にとっての英検のようなものです。
入門レベルのN5から、中学卒業レベルくらいのN1まで、５レベルに分かれています。
感覚的な話ですが、概ね次のようなレベルです。

N5　・・・　幼稚園
N4　・・・　小学校低学年
N3　・・・　小学校中学年
N2　・・・　小学校卒業
N1　・・・　中学校卒業

プロンプトはいずれも
「日本語能力N⚪️レベル(の語彙だけ)で、桃太郎の話をして」
程度のものです。
()内はつけなかったものもあるかも知れません。

では、早速参ります。
今回発表された最上位モデル「Claude 3 Opus」での結果です。

（１）N5レベル

むかし、おじいさんとおばあさんがいます。
おばあさんは川で大きい桃を見つけます。
おばあさんは桃を家に持って帰ります。
おじいさんと桃を切ります。
桃から男の子が出ます。
おじいさんとおばあさんはうれしいです。
男の子の名前は「桃太郎」です。

桃太郎は大きくなります。
悪い鬼と戦います。
犬と猿ときじを連れて行きます。
みんなで鬼と戦います。
桃太郎は強いです。
鬼に勝ちます。
宝物をもらって家に帰ります。

おじいさんとおばあさんはうれしいです。
桃太郎と友達はなかよしです。
みんなしあわせです。

おしまい。

（２）N4レベル

昔々、おじいさんとおばあさんが います。
ある日、おばあさんは 川で 洗濯を しています。
大きい 桃が 流れて きます。
おばあさんは 桃を 家に 持って帰ります。
おじいさんと 桃を 切ると、中から 元気な 男の子が 出て きます。
おじいさんと おばあさんは うれしくて、「桃太郎」と 名前を つけます。

桃太郎は 大きく なって、鬼ヶ島へ 鬼退治に 行きます。
犬、猿、きじを 連れて行きます。
みんなで 鬼ヶ島へ 行って、鬼と 戦います。
桃太郎は 強くて、鬼に 勝ちます。
鬼の宝物を もらって、みんなで 家に 帰ります。

おじいさんと おばあさんは とても うれしくて、桃太郎と 友達と 幸せに 暮らしました。

めでたしめでたし。

（３）N3レベル

むかしむかし、あるところに おじいさんと おばあさんが 住んでいました。
ある日、おばあさんが 川で 洗濯を している とき、大きな 桃が 流れてきました。
おばあさんは 桃を 家に 持ち帰り、おじいさんと 一緒に 桃を 切ってみると、中から 元気な 男の子が 飛び出してきました。
おじいさんと おばあさんは 喜んで、男の子に 「桃太郎」という 名前を つけました。

桃太郎は すくすくと 成長し、やがて 立派な 青年に なりました。
ある日、桃太郎は 鬼ヶ島の 鬼たちから 村人たちを 守るために、鬼退治に 出発することに しました。
道中、桃太郎は 犬、猿、雉を 家来として 連れて行くことに しました。
みんなで 力を合わせて 鬼ヶ島に 上陸し、鬼たちと 戦いました。
桃太郎は 勇敢に 戦い、ついに 鬼たちを 退治することが できました。
そして、鬼たちから 宝物を もらい、家来たちと 一緒に 村に 帰ってきました。

おじいさんと おばあさんは 桃太郎の 活躍を 喜び、桃太郎と 家来たちは これからも 仲良く 暮らしました とさ。

めでたしめでたし。

（４）N2レベル

昔々、あるところに 老夫婦が 暮らしておりました。
ある日、老婆が 川辺で 洗濯に 勤しんでいると、大きな 桃が 流れてまいりました。
老婆は 桃を 拾い上げ、家に 持ち帰りました。
老夫婦が 桃を 割ってみると、中から 健康的な 男の子が 勢いよく 飛び出してきました。
老夫婦は 喜びに 満ちあふれ、男の子を 「桃太郎」と 名付けました。

桃太郎は 順調に 成長し、やがて 立派な 青年へと 成人しました。
ある時、桃太郎は 鬼ヶ島に 住まう 鬼たちから 村人たちを 守るべく、討伐の 旅に 出ることを 決意しました。
旅の 途中、桃太郎は 犬、猿、雉を 家来として 従え、共に 鬼ヶ島へと 向かいました。
一行は 団結し、鬼ヶ島に 上陸すると 鬼たちに 立ち向かいました。
桃太郎は 勇猛果敢に 戦い、遂に 鬼たちを 打ち倒すことに 成功しました。
そして、鬼たちから 宝物を 授かり、家来たちと 共に 凱旋しました。

老夫婦は 桃太郎の 武勇を 称え、桃太郎と 家来たちは これからも 睦まじく 暮らした というお話でございます。

めでたしめでたし。

（５）N1レベル

昔々、とある寒村に一組の老夫婦が佇んでおりました。
ある時、老婆が河原で洗濯に勤しんでいると、一個の巨大な桃が流れ着きました。
老婆は桃を拾い上げ、家路に就きました。
老夫婦が桃を割ってみると、その中から健康そうな男の子が勢いよく飛び出してまいりました。
老夫婦は歓喜に包まれ、男の子を「桃太郎」と命名しました。

桃太郎は順風満帆に成長を遂げ、やがて立派な青年へと成人しました。
ある日、桃太郎は鬼ヶ島に棲息する鬼たちから村人たちを守るべく、討伐の旅に出ることを決意しました。
旅の途上、桃太郎は犬、猿、雉を家来として従え、共に鬼ヶ島へと向かいました。
一行は一丸となって鬼ヶ島に上陸すると、鬼たちに立ち向かいました。
桃太郎は勇猛果敢に戦いを繰り広げ、ついに鬼たちを打ち倒すことに成功しました。
そして、鬼たちから宝物を拝領し、家来たちと共に意気揚々と凱旋しました。

老夫婦は桃太郎の武勇を称賛し、桃太郎と家来たちはこれからも和睦を保ちながら暮らしたというお話でございます。

めでたしめでたし。

（６）Opusのまとめ

まだ荒いところは散見されます。
しかし、
　・桃太郎の話を知っている
　・日本語能力試験のレベルというが概念がわかる
　・レベル別の語彙表も内蔵されている
　・レベルをあげるとより複雑な文を利用するようになっている
という、これまでの生成AIにない特徴が見られます。

ChatGPT 4は、英語においては同様の書き分けが可能と推測されます。
日本語では、せいぜい「かんたんな日本語」と「通常の日本語」くらいの書き分けしかできませんでした。
今回のClaude 3 Opusは、この点で、ChatGPT 4を超える存在であると断言できます。

（７）Sonnetによる桃太郎

・N5レベル
　むかしむかし、おじいさんとおばあさんが、山で桃からうまれた子どもを見つけました。その子を桃太郎と名付けて、大事に育てました。
　ある日、おくにぶたが出たと聞いて、桃太郎はおじいさんとおばあさんに「行ってやっつけてくる」と言いました。道ですれ違った動物たち、犬、猿、鳥に、一緒に行くように言うと、みんな付いてきました。
　やっと化け物がいる山へつきました。桃太郎は「おくにぶため!出て来い!」と呼びました。するとおくにぶたが出てきて、みんなで戦いました。最後に勝ったのは桃太郎でした。おくにぶたの宝物を持ち帰り、みんなは幸せになりました。

・N4レベル
　むかしむかし、或る山村に老夫婦が住んでいました。ある日、川で桃を拾った老夫婦は、不思議なことに桃から赤ちゃんが現れたのです。二人は喜んでその子を「桃太郎」と名付け、愛情を持って育てあげました。
　数年後、村中が鬼ばかりの化け物に困っている話を聞いた桃太郎は、「私がその化け物を退治してみせます」と言い出しました。老夫婦は心配しましたが、桃太郎の意志は固かったので、剣や旅支度を用意してあげました。
　旅に出た桃太郎は、途中で出会った犬、猿、雉を仲間に加え、一行は化け物の棲む山へと向かいました。そこで桃太郎は立ち向かい、鬼たちとの熾烈な戦いになりましたが、仲間たちの助けもあり、最終的に桃太郎は鬼を退治することができたのです。
　勝利を収めた一行は、鬼の宝物を手に入れ、村人たちに喜ばれながら無事に帰郷しました。こうして村は平和を取り戻し、桃太郎の活躍は代々語り継がれていったとされています。

・N3レベル
　むかし、ある山里に住む老夫婦は、川で流れてきた大きな桃を拾いました。家に持ち帰ると、不思議なことにその桃から赤ん坊が現れたのです。夫婦は桃から生まれた子を「桃太郎」と名付け、愛情を込めて育てあげました。
　しかし、数年後、山里の村々が鬼ばかりの凶暴な化け物たちに悩まされるようになり、村人たちは恐れおののいていました。そんな折、義気堅い少年に成長した桃太郎は、「この鬼どもを退治してみせる」と宣言し、村人たちを守ろうと決意を固めました。
　夫婦は桃太郎の無謀な行動を何度も止めましたが、彼の心は動きませんでした。そこで、二人は渡世剣や護身酒などの旅支度を整え、彼を見送ることにしたのです。
　桃太郎は旅に出ると、犬、猿、雉と次々と出会い、各自の力を買われて仲間に加えていきました。一行は鬼の棲む山中へとたどり着き、そこで鬼どもと遭遇します。鬼たちは桃太郎一行を嘲笑い、戦いを挑んできました。
　しかし、桃太郎たちの勇猛な戦いぶりに鬼どもはひるみ、最後には全員を屠ってしまいました。勝利を収めた彼らは、鬼の宝物を手に入れ、喜びに沸く村人たちのもとへ凱旋しました。村では平和が戻り、桃太郎の活躍は語り草となっていったのです。

・N2レベル
　かつて、ある山間の僻村に、老夫婦が住んでいました。ある日、岩場の間を流れる渓流から、夫婦は大きな完熟の桃を拾い上げました。家に持ち帰ると、不思議なことにその桃が割れ、中から fredにも粒々の赤ん坊が現れたのです。出会いそのものが不思議な出生の子どもでしたが、夫婦にはすでに子に恵まれる年ごろでもなく、神の加護ならずともこの出来事を有難く受け入れました。そして、この子に「桃太郎」と名を付けて可愛がり育てていきました。
　年月を経て、桃太郎は矍鑠た少年に成長しました。しかしその頃、村々では鬼ばかりの凶暴な化け物どもの出現により、村人たちが恐れおののいていたのです。ある日のこと、桃太郎は老夫婦に宛てて「鬼どもを退治し、この村に平和を取り戻してみせる」と宣言しました。二人は子の無謀な考えに危険を感じ、止めに止めましたが、桃太郎の意思は固かったのです。
　そこで老夫婦は、行く手に災いがないよう、桃太郎に剣や酒、種々の冑装備を与えて旅立たせました。途上、桃太郎は犬、サル、雉の三蜘蛛を仲間に加え、遂に鬼どもの棲む深い山中へと辿り着きました。するとそこでは鬼どもが人々から略奪した宝物を手にし、怪しげな念仏を呪文と唱えながら酒宴を開いているところでした。
　桃太郎は鬼どもに「危険分子ぶり」を戒め、平和的に立ち去るよう求めましたが、鬼どもは桃太郎一行を馬鹿にするばかりでした。そこで桃太郎は仲間とともに、鬼どもに向かって武力を行使することとなります。熾烈を極めた攻防の末、桃太郎一行は鬼どもを全て倒し、村々に平和を取り戻すことができたのでした。勝利を収めた一行は鬼どもの宝物を手に、村人たちに喜びと感謝を受けながら凱旋を遂げました。
　このように、事の発端は危うい異常な出産にあったものの、桃太郎の勇ましい活躍により、村人たちは再び安らかな日々を取り戻すことができたのです。彼の偉業は代々語り継がれ、今に伝えられる童話の源流ともなったと言われています。

・N1レベル
　遙か昔、ある山里の僻地に、年を重ねた一双の夫婦が住んでいました。ある日のこと、夫婦は岩間を賑やかに流れる清流から、大きな完熟の桃を拾い上げたのです。家に運んでみると、不思議なことにその桃が自然と裂け、中から実に小さな赤子が現れたのでした。
　出生の経緯そのものが奇異であったこの子を前に、夫婦は戸惑いを隠せませんでした。しかし、すでに子を設ける年ごろでもなく、神仏の加護かとも思われたこの幸運な出会いを、二人は心の底から喜び、この子に「桃太郎」と名を付けて可愛がり育てあげていったのです。
　やがて月日は経ち、桃太郎は矍鑠とした少年に成長を遂げます。ところが、その頃になると、村里では鬼ばかりの凶暴な物怪たちの出現により、村人たちが恐れ恐れと日々を送らねばならなくなっていました。そうした中で、桃太郎は老夫婦に宛てて「鬼共を征伐し、この里に安寧をもたらしてくれる」と宣言します。老夫婦は人一倍覚束ない子の無謀な考えに危惧の念を抱きながらも、しかし強い意思を曲げようもありません。
　そこで二人は、桃太郎の旅路に災いのないよう、祈りを捧げるとともに、それぞれが渡世の剣や護身酒、種々の冑装束を用意し、いざ旅立つ日のことを待ち構えました。いよいよ桃太郎が家を出る日がやってきます。途上、彼は犬、サル、雉の三賢者と呼ばれる蘇生たちに出会い、おのおのの願いを了としてそれらを仲間に加えながら、遂に鬼共の棲む深い霧の山中へと足を踏み入れていきます。
　するとそこでは、鬼共が村人たちから拐した者の命を蹂躙し、かつ略奪した財宝を手にしながら、所構わぬ宴を賑やかに催しているのが視えました。桃太郎は、あくまでも平和的に事態を解決しようと、鬼共に退去と改心を求めます。しかしながら、鬼共は桃太郎一行を嘲罵し、取り返しのつかぬ仲違いとなってしまったのです。そこに至って、桃太郎は仲間たちと共に武力を行使するほかなくなります。熾烈を極めた攻防の果てに、遂に桃太郎一行は鬼共を全て討ち倒し、平和をこの里に取り戻すことができたのでした。
　かくして勝利を収めた一行は、鬼共が蓄えた巨万の富を手にし、待ちわびた村人たちに感謝と喜びの言葉を受けながら凱旋を果たしました。この活躍により、桃太郎の名は村里のみならず、広く世間に知れ渡ることとなり、今に至るまで代々語り草となっているのです。事の発端は神が与えた奇蹟の出生であり、その経緯には疑問も残されますが、桃太郎の勇ましい行いによって、やがて村里に平和が戻ったことは、揺るぎない事実なのでした。

（Sonnetのまとめ）
　Opusに比べると、Sonnetの日本語のレベルのコントロール力はかなり劣る事がわかる。N4レベルはすでにN3レベル以上の語彙が散見される。N2とN1には実質的な差がなく、文量が増えている程度の差である。全体的に見れば、せいぜい３レベル程度の使い分けが可能ということではないだろうか。

（８）Haikuによる桃太郎

・N5レベル
　昔々、ある所に桃太郎という少年が住んでいました。ある日、桃太郎は大きな桃を見つけました。その桃を割ると、中に小さな赤ちゃんが入っていました。桃太郎は赤ちゃんを拾って、自分の家に持って帰りました。
　桃太郎は赤ちゃんを育てました。そして、赤ちゃんは少しずつ大きくなっていきました。やがて、桃太郎は犬、猿、キジを出会いました。桃太郎は3匹の動物たちに出会い、一緒に旅に出かけることになりました。
　3匹の動物たちと一緒に、桃太郎は鬼ヶ島に行きました。鬼ヶ島では、たくさんの鬼が住んでいました。桃太郎と仲間たちは鬼と戦い、鬼を退治しました。
　戦いが終わると、桃太郎と仲間たちは宝物を手に入れることができました。そして、みんなで楽しく帰ってきました。桃太郎は家族や村の人々に出会い、みんなで喜びました。

・N4レベル
　昔々、ある所に老夫婦が住んでいました。ある日、老人が山に行くと、大きな桃を見つけてきました。桃を割ると、そこから小さな男の子が出てきたのです。老夫婦はその男の子を桃太郎と名付けて、大切に育てました。
　ある日、桃太郎は山で犬、猿、キジと出会いました。その3匹の動物たちは桃太郎に「一緒に行きましょう」と言いました。桃太郎は3匹の動物たちと、鬼ヶ島に向かって旅に出ることにしました。
　鬼ヶ島に着くと、そこには多くの鬼がいました。桃太郎は犬、猿、キジと協力して、次々と鬼を退治していきました。鬼退治が終わると、桃太郎たちは鬼の宝物を手に入れました。
　旅の後、桃太郎は家族と村人たちに迎えられ、大喜びされました。桃太郎は勇敢で、助け合いの大切さを学んだのです。

・N3レベル
　昔々、ある所に老夫婦が住んでいました。老人が山へ行くと、大きな桃を見つけました。その桃を割ると、中から小さな男の子が現れました。老夫婦は喜んで、この子供を桃太郎と名付けて育てていきました。
　桃太郎は成長すると、山で犬、猿、キジと出会いました。3匹の動物たちは桃太郎に、一緒に鬼ヶ島へ行かないかと誘いました。桃太郎は動物たちと協力して、鬼ヶ島へ向かうことにしたのです。
　鬼ヶ島に到着すると、そこには多くの強い鬼たちが住んでいました。しかし桃太郎は犬、猿、キジと助け合いながら、次々と鬼を退治していきました。
　鬼退治が終わると、桃太郎たちは鬼の宝物を見つけることができました。宝物を手に入れた桃太郎は、家族と村人たちに出迎えられ、大歓迎を受けました。

・N2レベル
　昔、ある田舎の老夫婦が住んでいました。ある日、老人が山に入るとそこで大きな桃を見つけました。桃を割ると、その中から小さな男の子が現れたのです。老夫婦は喜んで、この子供を桃太郎と名付けて育てあげました。
　やがて桃太郎が成長すると、ある日彼は山で犬、猿、キジの3匹の動物と出会いました。3匹の動物たちは桃太郎に、一緒に鬼ヶ島へ行かないかと誘ってきました。桃太郎は3匹の動物たちと協力して、危険な鬼ヶ島への旅に出ることにしたのです。
　鬼ヶ島に到着すると、そこには凶悪な鬼たちが大勢住んでいました。しかし桃太郎は犬、猿、キジと助け合いながら、次々と鬼を退治していきました。鬼退治の末、ついに鬼の首領をも倒すことができたのです。
　鬼退治が完了すると、桃太郎たちは鬼の宝物を発見しました。宝物を手に入れた桃太郎は、家族や村人たちに歓迎され、英雄として崇められることになりました。

・N1レベル
　昔、ある田舎の老夫婦が暮らしていました。ある日、老人が山奥に入っていくと、そこで大きな桃を見つけました。桃を割ると、その中から小さな男の子が現れたのです。夫婦は喜び、この子を桃太郎と名付けて育てていきました。
　成長した桃太郎は、ある日山で犬、猿、キジの3匹の動物と出会いました。3匹の動物たちは桃太郎に、一緒に鬼ヶ島に向かって旅に出ないかと誘ってきました。危険な鬼ヶ島への旅ではありましたが、桃太郎は3匹の動物と協力し合うことを決めたのです。
　鬼ヶ島に到着すると、そこには凶暴な鬼たちが大勢いました。しかし、桃太郎は犬、猿、キジと力を合わせ、次々と鬼を退治していきました。ついには鬼の首領をも倒すことができ、鬼ヶ島からの脅威は完全に払拭されたのです。
　鬼退治が終わると、桃太郎たちは鬼の宝物を見つけ出しました。宝物を手に入れた桃太郎は無事に故郷に帰還し、家族や村人たちから英雄として熱烈な歓迎を受けることになりました。

（Haikuのまとめ）
Haikuになると、どのレベルでも話の内容はほぼ同じです。N5レベルの文章では、桃太郎少年が住んでいたことになっています。よく見ると、微妙にN2、N1レベルだと難易度の高い語彙が増えています。ただ、この程度の使い分けでは、語彙コントロールの能力はないと判断せざるを得ません。

（９）Claude 3 Opus/Sonnet/Haikuの違い

　この様に比較してみると、
　　Claude 3 Opus　・・・　多様な日本語の文体の使い分けが可能
　　Claude 3 Sonnet・・・　いくらか文体の使い分けが可能
　　Claude 3 Haiku　・・・　文体の使い分けは期待できない
という言語モデルの違いによる能力差がはっきりします。
一般的な業務においては、無料版であるClaude 3 Sonnetでも利用価値がありそうです。この程度の使い分けは、ChatGPT 4で実現できていました。ChatGPT 4は有料版となります。ですから、Claude 3 Sonnetは日本語においてChatGPT 4相当と言い得ます。
　一方で、日本語教育や、日本語の文体の使い分けあるいは文体の読み解きが要求されるような業務においては、有料版のClaude 3 Opusの利用が必須となると言えます。
　また、Claude 3 Haikuには文体の使い分けは期待すべきでなく、Haikuが出力する内容が業務にとって適切であるかどうかで利用を判断すればよいと言えます。価格は格安ですし、出力速度は高速です。能力は、ChatGPT 3.5程度と考えます。

２．短歌や和歌

散文での国語力に加え、Claude 3 Opusには歌を詠む能力が備わっていることがわかりました。
我が国の定型詩には、川柳、俳句、短歌、和歌があります。
今回は、短歌と和歌と取り上げて、検証してみました。

いずれも、「５・７・５・７・７」の韻律の歌になります。
短歌は、現代語や漢語を使ってよい。
和歌は、外来語を使わず大和言葉だけで詠む、という縛りがあります。
漢語とは、音読みの言葉のことで、特に音読みの漢字熟語のことです。
大和言葉とは、漢字伝来以前からの日本語で漢字の訓読みの言葉のことです。

「やま・かわ（山・川）」は大和言葉、「山（さん）・川（せん）」は漢語です。
「ことば（言葉）」は大和言葉、「言語」は漢語です。
「たび（旅）」は大和言葉、「旅行」は漢語です。

では、参ります。
なお、歌の後の解説も、Claude 3 Opusが生成したものです。
参考に、Claude 3 SonnetとClaude 3 Haikuによるものも掲げます。
いずれも、お題は「富士山の美しさたたえる」としました。

（１）短歌

(れいほうの いようそびえて くものうえ
しゅうれいのすがた はるかなるふじ)

意味としては、
「霊峰富士山の威厳ある姿が雲の上にそびえ立ち、
その秀麗な姿は遥か彼方からでも望むことができる」
という趣旨の短歌になります。

　富士山は日本の象徴であり、その優美な姿は古来より人々を魅了してきました。
　特に山頂に掛かる雲や、遠くから眺めたときのなだらかな山容は絶景です。
　この短歌では、そうした富士山の荘厳な美しさを表現してみました。
　31音の短歌の形式に収めるのは難しかったですが、情景が思い浮かぶような歌になったのではないでしょうか。（解説も生成されたもの）

（２）和歌

(あまつそら
そびえたちたる
ふじのねの
たかきこころは
くものうえにも)

意味としては、
「大空にそびえ立つ富士山の峰の、
高き精神は雲の上までも届いている」
という内容になります。

　漢語を避け、大和言葉のみで表現するのはなかなか難しいですが、富士山の壮大な姿と、それが人の心に与える崇高な印象を詠んでみました。
「あまつ空」「そびえたちたる」「高きこころ」など、雅語を用いることで
和歌らしい雰囲気を出せたのではないでしょうか。
　いかがでしたでしょうか。
　和歌や短歌は言葉の選び方で印象が大きく変わってきますので、言葉遊びのように色々と作ってみるのも面白いと思います。（解説も生成されたもの）

（３）短歌（Claude 3 Sonnet）

　この短歌では、富士山の高さと雄大な姿を描写しながら、自然の威厳と美しさを讃えています。
　「花の都」と富士山の近くにある東京を表現し、富士山が空高く聳え立つ姿を「天に近づく」と表しました。
　そして、富士山の白銀の雪に覆われた姿を「白き富士」と形容詞を使って描写しています。
　さらに、富士山の頂上が雲を越え、月を越えるほど高く、世界を見渡せる景色の雄大さを讃えています。
　富士山は日本を代表する名峰ですので、その美しさと力強さを、できるだけ端的に表現するよう心がけました。（解説も生成されたもの）

（４）和歌（Claude 3 Sonnet）

　この和歌では、富士山の雄大な姿と、太陽の光を浴びた美しい姿を大和言葉で表現しています。
　1番目の句の「あまつひかり」は、天からの光り輝く太陽の光を指します。
　2番目の句の「そらにたつひとり おほやまの」では、富士山が一人天高く聳え立つ姿を「ひとり」「おほやま(大山)」と表しています。
　3番目の句の「くものうつくに」は、雲を越えるほど富士山が高いことを示しています。
　4番目の句の「つきまでかすむ」は、月まで遠くかすむほど、富士山の姿が雄大で遥か彼方までの景色が見渡せることを詠んでいます。
　こうして、漢語は一切使わず、大和言葉だけで富士山の気高い姿と美しさを詠み上げました。（解説も生成されたもの）

（５）短歌（Claude 3 Haiku）

　この短歌は、富士山の姿がいかにも美しいことを表現しています。夕焼けに染まる富士山の姿、月光に照らされて輝く雪景色、朝日に照らされて高く聳え立つ姿など、富士山の四季折々の美しさが詠われています。富士山は神のいる聖なる山として崇められており、その荘厳さも感じられます。短歌の簡潔な形式の中に、富士山の神々しい美しさが凝縮されています。
（解説も生成されたもの）

（６）和歌（Claude 3 Haiku）

　これは、正岡子規の作品です。
　富士山の頂上が白い雲に隠れて見えないときでも、その高くそびえ立つ姿が青空に映えて美しいと詠っています。
　富士山は日本で最も高い山で、その荘厳な姿は多くの和歌人の心を捉えてきました。正岡子規もまた、富士山の特徴的な姿を簡潔ながらも力強く描き出しています。
　雲に隠れて頂部が見えない時でも、富士山の高い姿が空に聳え立つ様子が、まるで神々しい様相を呈しているかのようです。短い1首の中に、富士山の素晴らしい景観が凝縮されているのが印象的です。
（解説も生成されたもの）

※平岡注：　正岡子規の短歌・和歌に、上のような句はありません。

（７）まとめ

Claude 3 Opusの短歌のほうは秀麗な単語を連ねただけですが、和歌のほうは、町のコンクールなら佳作くらいはとれるかも知れません。
Claude 3 Sonnetのものは、歌なのかどうかよくわからないレベルのものです。
　Claude 3 Haikuになると、短歌は歌になっておらず、和歌のほうも音の数がコントロールできていません。また正岡子規の歌という幻想が混じっています。

短歌を詠むには、現代文の知識だけでなんとかなります。
しかし、和歌を詠むには、古文の学習をしておかないとできません。
Claude 3 Opusは、日本の古典を学習したということです。
どの程度の学習なのかは、まだわかりません。

また、５・７・５・７・７の韻律が守れています。
これは、日本語の読みのカウントもできるということです。
そして、読みがなを正確につけてくれる可能性があるということです。
実は、ChatGPT 4はよみがなはいい加減でした。
漢字が正確に読めて一人前、というのが現代日本社会の常識とすれば、Claude 3 Opusは、生成AIの中で、始めてこの壁を突破したAIと言えます。

３．Claudeとは

Claude 3は、OpenAIのGPT-4に並ぶ最先端のAIモデルであり、Anthropic社によって開発されました。
2024年3月5日（日本時間）に発表されました。

（１）Claude 3の特徴

Claude 3の特徴とバリエーションについて簡単に紹介します。

• 高い安全性と信頼性:
  Anthropic社は、AIの安全性と信頼性に特化した研究開発を行う企業として知られています。
  Claude 3は、OpenAIのGPT-4よりも安全性と信頼性が高いと言われています。

• 3つの異なるモデル:
  Claude 3は、以下の3つの異なるモデルで構成されています:

  • Opus: 最も汎用性の高いモデル。文章生成、翻訳、質問応答など、さまざまなタスクに適しています。

  • Sonnet: 構造化されたデータの処理に特化したモデル。コード生成、データ入力、文書作成などに適しています。

  • Haiku: 速度と効率を重視したモデル。簡単な質問応答や情報検索などに適しています。

• 多言語対応:
  Claude 3は、英語だけでなく、日本語を含む200以上の言語に対応しています。

• Amazon Bedrock / Google Vertex AI上での利用:
  Claude 3は、Amazon Bedrock および Google Vertex AI上で利用できます。Amazon Bedrockは、企業向けに安全でスケーラブルなAI環境を提供するプラットフォームです。

• 活用例:
  Claude 3は、ビジネス、教育、医療、研究などのさまざまな分野で活用されていくと予想されます。例えば、顧客対応の自動化、文書作成の効率化、診断支援、新しいアイデアの創出などです。日本語能力が高いことから、日本での教育活動に使える可能性があります。

• 今後の展望:
  Claude 3は、今後さらに進化していくことが期待されています。性能向上や新機能の追加、さらなる言語への対応などが予想されています。

Claude 3は、AIの可能性を大きく広げる革新的なモデルであり、さまざまな分野で活用されることで私たちの生活を変革していく可能性があります。

詳しくはこちらの記事などを御覧ください。

（２）一般利用（ChatGPTのような対話的な利用）

気になるコストは次の通りです。

Claude 3 Opus　　　　　月額２０ドル
Claude 3 Sonnet　　　　無料

Gemini 1.0 Advanced　　月額２０ドル（４月まで無料）
Gemini 1.0 Pro　　　　　無料

ChatGPT 4　　　　　　　月額２０ドル
ChatGPT 3.5　　　　　　無料

いずれの生成AIもハイエンドモデルは有料で、月額２０ドルです。
Gemini 1.0 Advancedは４月まで無料ですが、現時点での完成度では課金の価値は低いです。

Claude Proに登録すると、Claude 3 Opusが利用できるようになります。
登録方法はこちらの記事を御覧ください。

（３）システムでの利用

システムを作り、その中から大規模言語モデルを利用する場合のコストは次の通りです。

Claude 3 Opus・入力 : $15 / 1Mtk・出力 : $75 / 1Mtk
Claude 3 Sonnet・入力 : $3 / 1Mtk・出力 : $15 / 1Mtk
Claude 3 Haiku・入力 : $0.25 / 1Mtk・出力 : $1.25 / 1Mtk
Claude 2.1・入力 : $8 / 1Mtk・出力 : $24 / 1Mtk

Gemini 1.0 Pro・入力：$0.125 / 1M文字・出力：$0.375 / 1M文字
Gemini 1.5 Pro・入力：$? / 1M文字・出力：$? / 1M文字

GPT-4 Turbo・入力：$10 / 1Mtk・出力：$30 / 1Mtk
GPT-3.5 Turbo・入力：$0.50 / 1Mtk・出力：$1.50 / 1Mtk

Claude 3 Opusは高性能ですが、それだけあってGPT-4 Turboよりも高くなっています。
クラウド上のコンピュータをぶん回しているのでしょう。
料金面では、Gemini 1.5 Proの性能と料金に注目しています。
おそらく、そこそこの能力で、費用は価格破壊してくると予想しています。

システムでの利用例は次の記事を御覧ください。

４．まとめ

ようやく、日本語を実用レベルで使える生成AIが登場しました。
特に、教育に使う場合、Claude 3 Opusの日本語能力は魅力的です。
国語教育にも、外国人向けの日本語教育にも使える可能性が高いです。
今後、このあたりを検証したいと考えています。

ChatGPT（無料版）が使えないと思って通り過ぎていると、時代を見失います。
自分が生き残る投資として、月額課金が必要です。
たった、３０００円です。

さて、いかがでしたか？
本校では、生成AIを活用して教育に取り組んでいます。
今年度は、IT教育の主にシステム開発のところに使っていました。
来年度は、日本語教育でも使っていけるかも知れません。
ご興味がある方、本校で教鞭をおとりになりませんか？

清風情報工科学院では、情報処理系の講師を急募しております。
ご興味のある方はこちらの記事を御覧ください。