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小児科ミニコラム

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徐々に広がりをみせるRSウイルス感染症

2020-2021年シーズンは結局インフルエンザについて大きな流行が起こることがありませんでした. これは新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する感染対策がインフルエンザに対する対策と共通する点が多いため, 前者への対策によりインフルエンザの流行抑制に有効だったのでは, など様々な要因が考えられています.

2020年はインフルエンザの流行がみられないことと並行して, RSウイルス感染

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5歳以降での熱性けいれん

5歳以降での熱性けいれん

熱性けいれんは小児期に発熱に伴って引き起こされるけいれん性疾患であり, 小児でみられるけいれん性疾患の中でも最も一般的である.
熱性けいれんは『熱性けいれん診療ガイドライン2015』で

「熱性けいれんは主に生後6-60か月までの乳幼児期に起こる, 通常38℃以上の発熱に伴う発作性疾患(けいれん性, 非けいれん性を含む)で, 髄膜炎などの中枢神経感染症, 代謝異常, その他の明らかな発作の原因がみ

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「子どもが体重22kgです。座薬の熱さましはいつまで使えますか?」

発熱は小児でもっともよくみられる症状の1つで, 熱さましの薬は小児科でも特によく使用されている薬の1つではないでしょうか.

子どもの熱さましの薬はおもにアセトアミノフェンが用いられていますが, いくつも種類(商品名)があります. 具体的にはカロナール®, アンヒバ®, アルピニー, コカール®などが挙げられます. また市販の子ども用の熱さまし(小児用バファリン[注]など)も基本的にはアセトアミノ

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「けいれん」を起こさないこともある熱性けいれん -ややこしい言葉たち

「熱性けいれん」は小児期でよくみられる疾患のうちの1つです.
熱性けいれんでは左右対称性に短時間のけいれんがみられることがあって…というのが一般的ですが, たまにけいれんを起こさないこともあります. 熱性けいれんなのに.

現在, 熱性けいれんは「主に生後6-60か月までの乳幼児期に起こる, 通常38℃以上の発熱に伴う発作性疾患(けいれん性, 非けいれん性を含む)で, 髄膜炎などの中枢神経感染症,

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