深読み探偵 岡江 門(おかえもん)

(2024年前半の予定) 1月 志賀直哉の『網走まで』 2月3月 米津玄師の『Lemo…

深読み探偵 岡江 門(おかえもん)

(2024年前半の予定) 1月 志賀直哉の『網走まで』 2月3月 米津玄師の『Lemon』 4月5月6月 宮崎駿の『君たちはどう生きるか』

マガジン

  • 米津玄師の『さよーならまたいつか!』(『虎に翼』主題歌)

    NHK朝の連続テレビ小説『虎に翼』の主題歌、米津玄師の『さよーならまたいつか!』を深読み解説します。

  • 深読み 加藤シゲアキの小説『ピンクとグレー』

    SMILE UP(旧ジャニーズ)NEWS の加藤シゲアキの処女小説『ピンクとグレー』を深読み完全解説! ドリンクの名前がつけられた全14章に隠された秘密とは? そして、謎めいたラストシーンの意味とは?

  • 深読み 米津玄師の『灰色と青(+菅田将暉)』

    米津玄師のアルバム『BOOTLEG』の最後の歌『灰色と青(+菅田将暉)』を深読み解説。2つの色「灰色」と「青」とは何を意味するのか?

  • 深読み バック・トゥ・ザ・フューチャー

    SFコメディ映画の傑作『BACK TO THE FUTURE(バック・トゥ・ザ・フューチャー)』を深読み探偵が徹底解説!

  • スナックふかよみ 志賀直哉『網走まで』

    志賀直哉の小説『網走まで』は志賀文学最高のミステリー。 なぜ子連れ女は網走まで行かなければならなかったのか? そもそもなぜ行き先が網走なのか? なぜ小説は宇都宮で終わるのか? なぜ主人公の男が二枚の葉書を出すところで終わるのか? そのすべてを深読み解説します。

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    • 深読み 米津玄師の『さよーならまたいつか!(『虎に翼』主題歌)』第5話

      前回はこちら 2024年2月某日 (主題歌の依頼から三日目) 新宿 スナックふかよみ 米津さん、よく似てるけど栄次さんじゃないの… この人は秀次郎、花田秀次郎さん… はなだ… ひでじろう…? お初にお目にかかります… 花田秀次郎と申します… あ、どうも… 米津です… さあさあ、秀次郎さん。そんなとこに立ってないで、どうぞおかけになってくださいな。 お飲み物はビールでいいかしら? へい。ビールをいただきます。 お勤め、ご苦労様でした。 だけどもう、あんな

      • 深読み 米津玄師の『さよーならまたいつか!(『虎に翼』主題歌)』第4話

        前回はこちら 2024年2月某日 (主題歌の依頼から三日目) 新宿 末広亭 まさか時間つぶしに入った寄席で深代ママに会うなんて… ちなみにその「今日出演する常連さん」って、誰なんですか? たぶん、そろそろ出番だと思うんだけど… あっ!あの人の出囃子だ… ♩~♬~♬~♩~♬~ ずいずいずっころばし? あの人がそうなんですか? 観客「パチパチパチパチパチ!」 え~、どうもどうも… よっ!待ってました! ありがとうございます。ねづっちです。 観客「パチパチパ

        • 深読み 米津玄師の『さよーならまたいつか!(『虎に翼』主題歌)』第3話

          前回はこちら 2024年2月某日 (主題歌の依頼から三日目) 新宿 末広亭 おじさん「いやいや、戸は開けたままでいいんです。閉めんのはあたしがやります。ひとのうちへ来て何か用をしちゃいけませんよ。あたしがしますから。あのねえ、そこの梯子が急になってますから、よくつかまらないってぇと危のうございますよ。上が低くなってますからね、ちょいと頭かがめねえってぇと、髷ぶつけますからね。大丈夫ですか?」 お花「はい…」 おじ「あのなあ半公! 布団が一組しかねえからな!風邪ひかねえ

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        • 米津玄師の『さよーならまたいつか!』(『虎に翼』主題歌)
          5本
        • 深読み 加藤シゲアキの小説『ピンクとグレー』
          0本
        • 深読み 米津玄師の『灰色と青(+菅田将暉)』
          9本
        • 深読み バック・トゥ・ザ・フューチャー
          34本
        • スナックふかよみ 志賀直哉『網走まで』
          12本
        • ボブ・ディランの『HIGHWAY 61 REVISITED』
          6本

        記事

          深読み 米津玄師の『さよーならまたいつか!(『虎に翼』主題歌)』第2話

          前回はこちら 2024年2月某日 都内某所の自宅 (主題歌の依頼から三日目) 『虎に翼』のヒロイン猪爪寅子のモデルは「五黄の寅」生まれの三淵嘉子… それまで男だけのものだった法律の世界に初めて現れた女性… 女性の活躍を前面に押し出した作品… うーん… わんっ! やれやれ、またか… こっちへ来ちゃダメだって言っただろう? いい子だから向こうへお戻り、ハチワレ… クーン… そんな声出すなよ… この仕事が片付いたら、たっぷり遊んであげるからさ… わかったか

          深読み 米津玄師の『さよーならまたいつか!(『虎に翼』主題歌)』第2話

          深読み 米津玄師の『さよーならまたいつか!(『虎に翼』主題歌)』第1話

          2024年2月某日 渋谷 NHK放送センター NHK放送センター内 小会議室 はじめまして、米津玄師です。 本日はお忙しいところ、わざわざご足労いただき、ありがとうございました。 制作統括の尾崎です。 プロデューサーの舟橋です。宜しくお願い致します。 尾崎さん、舟橋さん、こちらこそよろしくお願いします。 まさか自分が朝の連続テレビ小説の主題歌を依頼されるなんて思ってもみませんでした。 御指名いただき、ありがとうございます。 米津様、お飲み物は何にいたしますか

          深読み 米津玄師の『さよーならまたいつか!(『虎に翼』主題歌)』第1話

          深読み 加藤シゲアキの『ピンクとグレー』序「灰色と青とピンクとグレー」

          前回はこちら トクシマ県アナンシ ヨネヅパーク シュワちゃんの墓所 米津玄師は映画『ピンクとグレー』を観て、アルバム『BOOTLEG』のコンセプトを思いついた… だからアルバムを象徴する曲『灰色と青』をアルバムの最後に置き、共演者として菅田将暉を起用した… つまり米津玄師は『ピンクとグレー』の「色の意味」を見抜いていたわけだ。 なぜこの物語は「ピンクとグレー」なのか? そしてなぜ映画版は映像が「カラーとモノクロ」で分かれているのか? ここに知恵が必要である…

          深読み 加藤シゲアキの『ピンクとグレー』序「灰色と青とピンクとグレー」

          深読み 米津玄師の『BOOTLEG』最終章『灰色と青(+菅田将暉)』⑧恵比寿南二公園

          前回はこちら 米津玄師は本当に面白い… 天才だ… ふふふ。だよな(笑) そもそも、もう1つのロケ地に「恵比寿」を選ぶなんて、米津玄師にしか思いつかないだろう。 普通の人間では「横浜市の京急本線子安駅」のあとに「渋谷区の恵比寿南二公園」へ行こうと思わない。 このチョイスも完璧です… 完璧に清少納言『枕草子』の「大路近なる所にて聞けば」をオマージュしている… なぜ米津玄師は「恵比寿南二公園」を選んだのか? 公園などいくらでもあるのに、なぜ「恵比寿南二公園」でなけれ

          深読み 米津玄師の『BOOTLEG』最終章『灰色と青(+菅田将暉)』⑧恵比寿南二公園

          深読み 米津玄師の『BOOTLEG』最終章『灰色と青(+菅田将暉)』⑦大路近なる所にて聞けば

          前回はこちら だから最後は「今も歌う、今も歌う、今も歌う」なんですね。 何百年も前の出来事が歌になり、それが時代を越えて歌い継がれていった。 少し手を加えられたり、アレンジされながら… 歌とはそういうものだ。 いや、歌だけではなく芸術全般、人の仕事「アート」はすべてそう。 多くの人たちの手によって、少しずつ形を変えながら、受け継がれていく。 それが『BOOTLEG』のテーマ… それでは『灰色と青』の2番を見ていこう。 いったい米津玄師は菅田将暉に何を演じさせ

          深読み 米津玄師の『BOOTLEG』最終章『灰色と青(+菅田将暉)』⑦大路近なる所にて聞けば

          深読み 米津玄師の『BOOTLEG』最終章『灰色と青(+菅田将暉)』⑥遊子猶行於残月 函谷鶏鳴

          前回はこちら 本当に清少納言の『枕草子』は深い… 米津玄師が目をつけるだけのことはある… ふふふ。 四季(春は曙・夏は夜・秋は夕暮れ・冬はつとめて)の件や、御簾(香炉峰の雪)の件といい、本当に米津玄師はおもしろいことによく気付く。 夜をこめて 鳥の空音は 謀るとも よに逢坂の 関は許さじ この歌も、まるで「あの絵」のように聞こえるからな(笑) ええ、確かに… まさに「心かしこき関守侍り」です… もう、そうとしか思えないな(笑) Beato Angelico

          深読み 米津玄師の『BOOTLEG』最終章『灰色と青(+菅田将暉)』⑥遊子猶行於残月 函谷鶏鳴

          深読み 米津玄師の『BOOTLEG』最終章『灰色と青』⑤

          前回はこちら では『灰色と青(+菅田将暉)』の歌詞を見ていきましょう。 まず最初はこんなフレーズから始まります。 袖丈が覚束ない夏の終わり 明け方の電車に揺られて思い出した 懐かしいあの風景 現代の清少納言、米津玄師め。 いきなり「明け方の電車に揺られて思い出した懐かしいあの風景」とは笑わせてくれる(笑) ええ、米津玄師という人は本当におもしろい… この冒頭の歌詞には、『枕草子』第二八〇段「雪のいと高う降りたるを」のように「漢詩」が引用されています… 遊子猶行

          深読み 米津玄師の『BOOTLEG』最終章『灰色と青』⑤

          深読み 米津玄師の『BOOTLEG』最終章『灰色と青』④御簾

          前回はこちら 米津玄師にも、何か「GET BACK」したいものがあったのでしょうか? 清少納言やポール・マッカートニーのように… どうだろうな。 あったかもしれんし、なかったかもしれん。 何でも知っているあなたでも、わからないことがあるんですね。 ふふふ。 それでは『灰色と青(+菅田将暉)』の歌詞を見て行こうか。 いったい米津玄師は何を伝えようとしているのか… その前にまず、ここまでの経緯をまとめておきましょう。 米津玄師はビートルズの傑作アルバム『LET

          深読み 米津玄師の『BOOTLEG』最終章『灰色と青』④御簾

          深読み 米津玄師の『BOOTLEG』最終章『灰色と青』③

          前回はこちら 『枕草子』も『LET IT BE』も『福音書』も、GET BACK(元に戻すこと)が目的だった。 イエス・キリストの物語『福音書』の「GET BACK」とは、アダムとイブの堕落によって人に科せられた原罪を取り除き、人が再び生まれ故郷の楽園(神の国)へ戻ること。 ビートルズのアルバム『LET IT BE』の「GET BACK」とは、バラバラになった4人を再び1つにして、ビートルズが誕生した頃のようなロックバンドの原点へ帰ること。 では、清少納言『枕草子』の

          深読み 米津玄師の『BOOTLEG』最終章『灰色と青』③

          深読み 米津玄師の『BOOTLEG』最終章『灰色と青』②春は、あけぼの

          前回はこちら ポール・マッカートニーは、Beato Angelico(フラ・アンジェリコ)の絵『夜明け前の受胎告知』から『LET IT BE』や『GET BACK』を作った… だから米津玄師もポールと同じ様に、この絵から『灰色と青(+菅田将暉)』を作ろうと考えた… そこで米津玄師は、清少納言に目を付けた。 あの絵から歌を作るには、清少納言がぴったりだと考えたからだ。 清少納言の代表作『枕草子』… 春はあけぼの… ですね。 春って曙よ! だんだん白くなってく山の

          深読み 米津玄師の『BOOTLEG』最終章『灰色と青』②春は、あけぼの

          深読み 米津玄師の『BOOTLEG』最終章『灰色と青』① 君の名は ~your name~

          前回はこちら そして、もう1つの君の名は 灰色と青 … この『灰色と青』という題名こそが、この歌最大のトリックです。 ここに知恵が必要である… 賢い人は題名の色にどのような意味があるかを考えるがよい… 色は、人間を指している… そして、その数字は319の194である… ふふふ。 ヨハネの黙示録「獣の数字」といえば、志賀直哉を思い出すな。 ええ。小説『小僧の神様』のクライマックス「屋台の鮨屋」ですね。 屋台の鮨屋で小僧は2人の客の間に割り込んだ。 そして小

          深読み 米津玄師の『BOOTLEG』最終章『灰色と青』① 君の名は ~your name~

          深読み 米津玄師の『BOOTLEG』最終章『灰色と青』プロローグ

          ここまでのあらすじ 第1部 犬と共にジープに乗ってアナンシを走っていた「僕」は、言葉の通じないガソリンスタンドで写真を撮られ、廃墟と化した遊園地ヨネヅパークへ辿り着いた。そして「僕」はヨネヅパークの最深部にある《シュワちゃんの墓所》でピエロの姿をした奇妙な男《ジョーカ》と出会う。《ジョーカ》は「僕」に《墓所の主》の話を語り、主の墓室へと誘った… 第2部 《シュワちゃんの墓所》に落ちた春雷によって暗示がとけた「僕」と《ジョーカ》は米津玄師のアルバム『BOOTLEG』につ

          深読み 米津玄師の『BOOTLEG』最終章『灰色と青』プロローグ