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記事一覧

【短編小説】バンドマンとは付き合うな

【短編小説】バンドマンとは付き合うな

10年前に書いた小説が出土したので置いておきます。
文学フリマ、ライブハウスなど紙媒体でで300部くらい売った記憶があります。
今読むとmixi日記のノリが懐かしいです。

2012年 / 21,244字(64枚)

■■■

「帝都東京の東の果て、最果てはチバシティ、ゴーストタウンから参りました、極東ゥー皇帝ー!!」

 ギターボーカルの阿佐ヶ谷さんがそう叫ぶと同時に、フロアからは野太い歓声が湧

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【童話】空と番った海、鳥と番った魚🦅❤🐟

【童話】空と番った海、鳥と番った魚🦅❤🐟

魚が、海面をジャンプしていた。
鳥がそれを見つけて、空にかっさらった。
それは恋だった。

鳥は魚に広大な空を見せた。
朝日も、夕日も、星も、山も、風も、鳥が見せられるものをすべて魚に見せた。
それは愛だった。

鳥は言った。
「お前のジャンプは最高だ。朝日にきらめく鱗は世界一美しい。でも俺とならもっと高く飛べる。一緒に空に住もう。愛している」

魚は故郷の海を愛していたが、空も愛し始めていたし、

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【長編小説】ファッション・メンタル・ヘルス

【長編小説】ファッション・メンタル・ヘルス

■あらすじ

舞台は精神疾患罹患率と自殺率が数十%のディストピアジャパン。
全ての男達が自分を性的対象として見ることに嫌気がさしたメンヘラ美少女ミアハは、自殺という形で世界への復讐を試みるが、ひょんなことから、ファンとの性交・妊娠・出産を請け負い少子化対策に貢献する厚労省お抱えアイドル「ファッション・メンタル・ヘルス」に加入し、どっちかというと世界を救済することに……。
第50回文藝賞二次通過作「

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【長編小説】世界ちゃんとバラバラ・ガールズ・ディストピア

【長編小説】世界ちゃんとバラバラ・ガールズ・ディストピア



■あらすじ

『バラバラ・ガールズ・パラダイスは、膨大な女の子パーツをあなたのオーダーに合わせて組み立てて、あなただけの理想の女の子を提供する、全く革命的な新時代のナイト・サービスです。』

自分の肢体が美しいことを確認するために毎晩バラバラ・ガールズに通い
身体を分断させながらファボを稼ぐ女・ヨソミが、
世界を旅する世界ハンターに丸ごと射止められ、世界ちゃんを襲名するまで。

2014年執筆

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【平成小説】flatに成る

【平成小説】flatに成る

@d_d_itakomori「崩御でも生前退位でも改元は面倒なので、平成の次の天皇陛下はAIにしませんか?」

@sample_ace「平成元年1月8日という、平成の初日とともに誕生した試験管ベイビーが、『生き物は理由なく生まれて理由なく死ぬもの』『いつ始まるか、いつ終わるか分からないのが生命』と悟り、括るのを待っている、『新元号』と名付けれらた縄。」

@lady_enees「平成が生んだ歌姫 

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【超短エッセイ】5円以上の5円玉の価値

【超短エッセイ】5円以上の5円玉の価値

とあるエッセイコンテストに応募した原稿です。

結果が出次第、別な形で公開するかもしれませんが、ひとまず置いておきます。

タイトル「5円以上の5円玉の価値」。ベトナムの話です。

私がベトナムに住んでから初めて迎える旧正月。テトと呼ばれるこの時期、親戚や近所の子供にお年玉をあげる習慣がある。私のマンションの隣人が親戚の10歳の女の子を連れてきたので、私はお年玉をあげてみることにした。
事前に調べ

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【即興実験小説】真実のボーイ、寝室の行為、淫靡、野放図、口実と構図(1時間・395字)

【即興実験小説】真実のボーイ、寝室の行為、淫靡、野放図、口実と構図(1時間・395字)

まだ一緒に勉強していたころ、約束したのだ。
一緒になれる日まで、互いを裏切らないと。
法や、家族や、その他の制約がなくなったら、必ず結ばれるのだと。
指きりげんまん、小指を絡めた。
でも約束は破られるためにあるとまもなく僕は知る。
社会に出て、別々の会社で働き始めた奴の小指は、女を示すために使われる。今日、これがアレなんで、お先です。

約束なんかしなければよかった。十代の頃は、約束すれば、担保す

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【超短編】いつだって誰かが待っているコーヒーショップ

【超短編】いつだって誰かが待っているコーヒーショップ

「いつだって誰かが待っているコーヒーショップ」――四谷「***」店主インタビュー「いつだって誰かが待っているコーヒーショップ」と呼ばれている店が、都内に存在する。
常連客がそれとなくそう呼ぶようになったのが広まり、いつしか店名より通り名の方が有名になったのだという。

なぜ、オーセンティックなコーヒーを出す老舗の一喫茶店が、そんな変わった呼ばれ方をするようになったのか。

記者が訪れ、店主に話を伺

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【即興実験小説】まじでこの世の全ての彼女持ちに教えてあげたいんだが(15分・722字)

【即興実験小説】まじでこの世の全ての彼女持ちに教えてあげたいんだが(15分・722字)

お題:彼女の料理  必須要素: 十字 制限時間:15分

いつも彼女の料理を「うまいうまい」と連呼しながら食ってたら、
「うまい以外言われない。悲しい。もっと何かないの?」
と言われた。
「めっちゃうまい」
「7字」
「超スーパーうまい」
「8字」
「ミラクルめちゃうま」
「9字。せめて10字以上で何か言ってよ」
「超スーパーミラクルめちゃうまい」
「……うん……」
彼女は台所でお茶を入れるふりを

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【超短編】もうだれも車を取りに来ることはない駐車場

【超短編】もうだれも車を取りに来ることはない駐車場

月極駐車場で車たちはおとなしくたたずんでいた。

どの車もうだれも取りに来ることはない。何日も、何か月も、もうずっとそうだった。

車というのは移動しないと存在価値がない。
だから、駐車場でずっと待つということは車にとっては緩慢に死んでいくのと同じだ。
はじめのうちは、主が現れないことをどの車も異変に感じ、そわそわしていた。
しかしもう、どの車も主との再会を諦め、眠るように、自らが自らの墓標となる

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【超短編】みてはいけないものでいっぱいの美術館

【超短編】みてはいけないものでいっぱいの美術館

みてはいけないものでいっぱいの美術館が話題になっている。

美術館に並ぶ彫刻のうち、いくつもに鉄の覆いがほどこされ、まるで工事中の建設物のように、警備員が立ちふさがり、何が隠れているかも全く分からないのだという。

「一瞬でも見たら目に毒が入る、っていう噂だけど」
「目だけから入る毒なんて初めて聞いた。普通は触るとかにおいをかぐとか、瘴気を吸い込むとかでしょ。近くに行っても問題ないのに、直接見たら

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【即興実験小説】いびきと生き死に(息してる?)

【即興実験小説】いびきと生き死に(息してる?)

妻は夫のいびきに辟易しており、もはや同室で寝るのは不可能というほど困っていた。枕を変えたり、横向きに寝かせてみてもやはり夜中に何度も起こされ、そのたびに失望を覚え、愛情は冷え切り、むしろ殺意すら感じた。
起きている夫に相談しても、寝ているときだから分からない、そんなもの我慢しろと全く取り合ってくれない。
ある夜、また寝ている夫に起こされ、ついにその首に手をかけそうになったところで夫が予言めいたこと

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【即興実験小説】僕の朴訥な独特な毒、道徳を冒涜、孤独に購読。(15分・705字)

【即興実験小説】僕の朴訥な独特な毒、道徳を冒涜、孤独に購読。(15分・705字)

お題:悲観的な兄弟  必須要素: 悲劇 制限時間:15分 
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強盗殺人のニュースが流れた。被害者は強盗に刃物で一撃で殺されており、おそらく犯人は相当のやり手、被害者は何が起こったか把握する暇もなく死んだだろう、とテレビのコメンテーターが言っていた。
「よかったよね、何も考える暇がなかったなんて」
楽観的な弟はいった。
「そうかな? 遺言も残せなかったし、だれに殺されたのか、どう

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【即興実験小説】いわゆる朝飯を食べないと言うと「不健康だね!」と言われてしまう問題(15分・404字)

【即興実験小説】いわゆる朝飯を食べないと言うと「不健康だね!」と言われてしまう問題(15分・404字)

いわゆる朝飯を食わないかわりに、完全無欠コーヒーを飲む。

いわゆる昼飯を食わないかわりに、米抜きの、肉と野菜を大量に摂る。そして筋トレ後はプロテインを飲む。

いわゆる晩飯は、食う。

いわゆるスーパーに行かずに、あらゆる買い物をamazonパントリーで済ます。

いわゆるジムに行かずに、自重筋トレを自宅でこなす。

いわゆる本屋に行かず、kindleアンリミテッドに加入する。いわゆる本は読まず

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