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『月刊ファミ通Wave』はどのようにして生まれたのか?

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\『ファミ通WaveDVD』ではなく『月刊ファミ通Wave』!/

先日(2024年3月5日)、高円寺yakushuというバーにて、"俺のゲー本"というトークイベントが開催された。

出演者たちがおのおの好きな"ゲーム関連本(雑誌や書籍)"を、ひとり20分ほどの持ち時間でプレゼンテーション(紹介)し、それをみんなでお酒を飲みながらワイワイと楽しむ、というイベントである。

そんなイベントにゲストとしてお呼ばれしまして、『ゲーメスト』から『Oh! X』、『電子遊戯大全』まで、さまざまな"俺のゲー本"がプレゼンされるなか、ボクは『月刊ファミ通Wave』についてプレゼンしてきました(下記でもきちんと説明していますが『ファミ通WaveDVD』ではなく、その前身となった雑誌『月刊ファミ通Wave』です)!

なお、イベント当日の様子はライブ配信され、こちらでアーカイブ動画が見られますが、せっかく作った"プレゼン資料(PDF)""トーク用のメモ書き"がありますので、画像&テキストとしても残しておきたいと思い、noteに記します!

(※すべての文章および画像の無断転用を禁じます)


\"俺のゲー本"『月刊ファミ通Wave』プレゼン資料/

■スライド1(表紙)

【トーク用のメモ書き】
・ボクの「俺のゲー本」ですが、自身が立ち上げ(創刊)メンバーのひとりとして携わった『月刊ファミ通Wave』を紹介したいと思います。
・どのように新雑誌が立ち上って制作されるか、当時の貴重な資料などをもとに、制作者視点からプレゼンしていきたいと思います。

■スライド2(『月刊ファミ通Wave』とは)

【トーク用のメモ書き】
・まず『月刊ファミ通Wave』とはどのような雑誌なのかを説明します。
・1998年にアスキーより創刊されて2000年2月まで刊行されたゲーム雑誌です。ちょうど2年弱。
・毎号、付録としてプレイステーション用CD-ROMが付属し、ゲームの体験版やオリジナルの映像企画などを収録していました。
・なおファミ通グループ初のCD-ROM付き雑誌となります。
・こちらが創刊号の表紙です。創刊号のCD-ROMには、プレステの体験版『武蔵伝』と『メタルギアソリッド』が入っています。
・また体験版だけでなく、小島監督のインタビュー映像や、すでにリリースされているプレイステーションのゲームの特別セーブデータなども収録されています。
・そして写真が粗いですが、当時の編集部の雰囲気はこちらです。

■スライド3(メディア資料)

【トーク用のメモ書き】
・こちらが当時のメディア(媒体)資料です。メディア資料というのは「この雑誌がどのような雑誌かをまとめたパンフレット」のことで、雑誌のコンセプトや「『月刊ファミ通Wave』に広告を入れるといくらですよ」という、広告料金なども記載されています。
・なお、『月刊ファミ通Wave』のコンセプトは「映像メディアとリンクするエンタメ誌」。
・ちなみに1998年といえば、まだDVDはそこまで広く普及しておらず、CD-ROMやビデオテープがメインでしたので、それらの映像とリンクをしたり、またファミ通グループが監修し、当時地上波で放送されていたゲーム番組『GameWave』との連動なども行う雑誌でした。
・『月刊ファミ通Wave』には、雑誌を作る編集部と、インタビュー映像などを作成する映像部があり、映像部のスタッフにはゲーム番組『ゲームカタログ2』(1994~1998)の元ディレクターや元カメラマンなども在籍していました。雑誌スタッフと映像スタッフが連携しながら制作していたわけです。

■スライド4(『Wave』シリーズ)

【トーク用のメモ書き】
・先ほど、『月刊ファミ通Wave』の刊行期間は2年弱とお話しましたが、リニューアルを繰り返して、このように進化していきました。
・ちなみにボクは『月刊ファミ通Wave』が"一時休刊"するタイミングでアスキーを卒業していますので、『f.Wave』以降は直接関わっていません。

『f.Wave』……CD-ROMからDVD付きマガジンにリニューアル。ゲーム情報をメインに映画・音楽・ファッション・ホビーなどのエンタメ全般を広く扱う雑誌に。とはいえ、4号刊行してのちに再リニューアルとなります。
『GameWaveDVD』……DVD付きマガジン。ゲームに特化した内容で"やりこみビデオ"など、バラエティー番組的な映像コンテンツが多かった。25号まで刊行。
『ファミ通WaveDVD』……『GameWave』のコンセプトはそのままで誌名を変更したのが『ファミ通WaveDVD』です。26号から誌名変更。時代的にもDVDが主流で、映像コンテンツの収録時間も増えて、DVDが2枚組になることもありました。代表的な映像コンテンツには、「BOSEのマルマルタイム」、「アメリカザリガニのキカイノカラダ」、「やり込みスタジアム」などがあります。

・なお、多くの読者たちが言う『ファミ通Wave』とは、だいたいこちらの『ファミ通WaveDVD』を指すことがほとんどです。

■スライド5(ティザー広告)

【トーク用のメモ書き】
・『月刊ファミ通Wave』の創刊の話に戻りますが、まず新雑誌を創刊すると決まって、『週刊ファミ通』の誌面にティザー広告を出しました。こちらがその広告のラフバージョン。
・タイミング的にまだ雑誌名が決まっていなかったのか、決まっていたけれどまだ発表できなかったかのかは忘れてしまいましたが、映像メディアとリンクする雑誌ということで、ソニーのグラストロンをイメージとして使用しました。

■スライド6(誌名ロゴ)

【トーク用のメモ書き】
・雑誌名の"Wave"というのは、「波」という意味ですが、「放送の電波(周波)」、「波動」や「広がり」という意味をこめて付けられました。当時の編集部員たちで誌名を決める会議を行い、いろいろなアイデアが出たなかでこれに決まりました。たしか当時の『月刊ファミ通Wave』の編集長が出したアイデアだったと思います。
・誌名が決まったらロゴ作りです。編集部所属のデザイナーや外部のデザイナーさん数人に依頼し、いくつかデザインを作っていただきそのなかで決めました。これらはその多くのデザイン案のなかの一部です。
・当時の資料(コピー)をきちんと保管していました。

■スライド7(創刊号の表紙案)

【トーク用のメモ書き】
・ロゴの制作と平行して、編集部員たちで創刊号の企画を考えます。同時に雑誌の顔となる表紙のデザインも作っていきます。
・こちらが創刊号の表紙案の一部です。採用されたのが左上のデザインです。。
・創刊号は、テレビ画面(モニター)を打破するようなイメージで、このような写真が使用されています。モニターの内側から見ているような雰囲気。
・このモデルを務めているのは、当時の編集スタッフ(アルバイト)です。

■スライド8(イメージキャラ)

【トーク用のメモ書き】
・さきほどの誌名ロゴや、表紙デザイン案と一緒に、『月刊ファミ通Wave』のトレードマーク(イメージキャラクター)も制作しました。
・とはいえ、ファミ通グループのキャラとして"ネッキー"がいるので、このキャラはボツになりました。
・もったいないので、このキャラを使ったデザインのスタッフ用Tシャツを作った記憶があります。
・当時、オリジナルデザインの商品を作るのにハマっていて、『月刊ファミ通Wave』のスタッフ用ウィンドブレーカーやTシャツなどいろいろ作って、読者プレゼントなどにもしました。

■スライド9(CD-ROMの梱包)

【トーク用のメモ書き】
・DVD付き雑誌というと、いわゆるトールケース付きの雑誌が多かったりしますが、『月刊ファミ通Wave』時代はまだトールケースがなく、誌面に厚紙を挟み、そこにCD-ROMを封入していました。
・なお、DVDを収納するオリジナルトールケースが毎号付属するようになったのは、2002年以降に刊行された『GameWave』から。その後の『ファミ通WaveDVD』は、たしか創刊号からトールケースが付いていたと思います。

■スライド10(表紙のこだわり)

【トーク用のメモ書き】
・『月刊ファミ通Wave』の読者ターゲットは、当時の『ファミ通』と同等、もしくは若干上の年齢層をターゲットにしていました。
・また、ボクを含め、サブカルチャー好きな編集部員が多かったこともあり、企画やデザインにもだいぶこだわって作っていました。
・そんなこだわりのひとつが表紙です。「映像メディアとリンクするエンタメ誌」がコンセプトということもあり(また読者ターゲット的にもあまり子ども向けにならないように)表紙はかならず実写の写真し、イラストなどは使用しませんでした。
・なお、表紙のアイデアや制作(写真撮影)は、基本、当時の編集長が担当していました。
・モデルさんを使ったり、ロケハンしたりと、この1枚の写真を撮るために、そうとうな準備がされています。

■スライド11(当時の編集者たち)

【トーク用のメモ書き】
・当時の『月刊ファミ通Wave』の編集部員です(雑誌を作るスタッフのみで、映像スタッフは入っていません)。
・創刊1周年のときに"内閣発足"のような写真を撮り誌面に掲載しました。赤いじゅうたんを借りたり、燕尾服を借りたりと、ボクが担当しました。
・撮影場所は、当時編集部があったビルの敷地内です(三軒茶屋)。

※当時の『月刊ファミ通Wave』に掲載された写真ですが、本記事掲載においては、一応プライバシー配慮で筆者以外のスタッフの顔にスタンプ処理をしてあります)

■スライド12(最後)

【トーク用のメモ書き】
・駆け足での紹介・説明となりましたが、『月刊ファミ通Wave』がどのようにして作られて、どう進化していったか、楽しんでいただけたでしょうか?
・ちなみに、こちらの写真は、当時、読者プレゼント用&業界関係者への配布用として制作したステッカーです。なかなか持っている人は少ないかもしれません。
・これでボクのプレゼンを終わります。ありがとうございました。


\最後に!/

『月刊ファミ通Wave』の創刊に携わったメンバーのひとりとして、今回このように語らせていただきましたが、本誌の立ち上げには、もちろんボクだけではなく数多くのスタッフが関わっています。

振り返れば、とても仲が良くてチームワークのある編集部だったと思います。また誌面だけでなく、各種映像の制作にも関われたのは、いまとなってはとても良い経験だったと感じています!


<まとめページ>【ローリング内沢の】エッセイ・コラムいろいろ

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