さぼってん@かくたす編集部

出版社で雑誌と書籍の編集を約15年。1億総発信時代の今、オンラインで編集を頼める独立系…

さぼってん@かくたす編集部

出版社で雑誌と書籍の編集を約15年。1億総発信時代の今、オンラインで編集を頼める独立系編集者として個人や企業のコンテンツ制作のサポートをしている。詳しくはWebサイト「かくたす編集部」https://cactus-editor.com/ まで。電子書籍レーベルの立ち上げ準備中。

最近の記事

売れる本は具体と抽象のチューニングがうまい

先日、ある方とお話ししていて、 「なるほど、売れるコンテンツはこれがうまくできているんだな!」 「私も本をつくるときにこれをすごーく考えて微調整しているつもりなんだけど難しいんだよね〜」 と改めて認識したことがあるので、今回はそのお話をしますね。 キーとなる「具体」と「抽象」私たち人間が動物と大きく違うのは、言葉を操れることです。 言葉は、抽象概念の最たるもの。たとえば「愛」「夢」「心」。 これらはたった一文字にもかかわらず、人や場面によってさまざまな解釈ができる

    • 編集作業は「捨てる」が8割

      文章を編集するときは、客観的な視点に立ち、まっさらな気持ちで読む必要があります。 そうしないと、文章のうまくいっていないところ、余計な部分、足りない部分が見えてこないからです。 そのため、編集者という第三者の視点から見てもらうのが有益なわけですが、文章を書く機会がこれだけ増えたいま、自分の文章を自分で編集する機会も多いですよね。 その際は、どうすればよいのでしょうか。 具体的な対策は、「内なる編集者を育てよう」というnoteにも書きましたが、書いてから時間を置くことが

      • 編集者が身近にいると、あなたのビジネスが加速する理由

        私がnoteを書くときに、1つの大きなテーマとして扱っている「編集」。 そういえば、そもそも「編集」ってどういう意味だっけ?と思って調べてみたら、次のように書いてありました。 これを読んで、私は「えっ……! 思っていたよりも狭い定義だな」とビックリしました。 そして次の瞬間、「ああ、だからか!」と思い出したことがあります。 先日、ある方とお話ししていたときに、 と言われたんですよね。 私はそれを聞いて、「ええ? そうなの!?」と思いました。 最近、企業の顧問編

        • 編集者という仕事で得たスタンス

          編集者という仕事は、私自身の物事に対するスタンス、人との向き合い方に影響を与えているように思います。 この仕事をしているうちに、生き方にも「編集者っぽさ」が宿ってきたといいますか。 では、その「編集者っぽさ」って何なのか? 雑誌編集者と書籍編集者でスタンスが変わってきますので(両方経験したからわかる)、あくまで書籍編集者としてのスタンスに基づいてお伝えしていきますね。 編集者を一言で表現すると?「編集者ってどんな人?」の答えを一言で表現すると、 だと私は思っています

        売れる本は具体と抽象のチューニングがうまい

          書籍企画書ってどう書くの?

          書店には、さまざまなジャンルの本がたくさん売られていますよね。 その一冊一冊が書籍の出版企画書が発端となり、制作がスタートしています。 その企画書の大半は、出版社の編集者さんが立案し、社内の編集会議に提出したものです。 「書籍企画書ってどんなもの? プレゼン資料みたいな立派なものなの?」 と思う方もいるかもしれませんが、意外とシンプルです。 Wordで、いくつかの項目について文字で端的にまとめた企画書が一般的ではないでしょうか(もちろん細かくフォーマット化している

          書籍企画書ってどう書くの?

          推敲の本当の価値とは

          文章を書き上げたあとに、さらに文章を磨いて仕上げていく作業を「推敲」と呼びます。 推敲とは、いわば文章を自分というフィルターで「ろ過」する作業です。 推敲をまったくしていない書きっぱなしの文章には、不純物が混じっています。 そのため、書いてあることがまっすぐ伝わらず、わかるような、わからないような中途半端な伝わり方をしてしまう。 推敲しきれていないということは、書き手自身が書きたいことを本当の意味で認識できていないということなので、それ相応の伝わり方をするといったほう

          推敲の本当の価値とは

          編集者は「上手な文章」を求めているのか

          そう思って、私のnoteを読んでくださっている方もいるかもしれません。 では、「上手な文章」とはいったいどういうものなのでしょうか? 「上手な文章」のイメージはありますか? 流れるように読むことができて、論理構成もバッチリで、人の心を動かす魅力にあふれた文章。 手を入れる箇所が見当たらないような一文字一文字にまで配慮が行き届いている文章。 そんなイメージでしょうか? 「上手な文章」より求められるもの編集者の立場から言うと、ライター、ブックライター、文筆家など、「書

          編集者は「上手な文章」を求めているのか

          いつか本を出したいあなたへ

          「いつか本を出したい」 そう思っている方は潜在的に多くいるような気がしています。 では、どんな人が本を出せるのでしょうか。 まずは、当たり前ですが が前提となります。 インターネット、SNSが発達した今は、自分のコンテンツをアウトプットしておけるプラットフォームがたくさんあります。 そのどこかに、ある程度の量のコンテンツをためておくこと。 そして、コンスタントにコンテンツをアップし続けていることが大切です。 アウトプットの形態は、文章でなくても構いません。

          いつか本を出したいあなたへ

          自分のために書けばいい

          編集や文章に関するメルマガを始めたとき、自分が思っているよりも多くの方が反応してくださり、実際に登録してくださいました。 私自身、想像していなかったことで、とてもびっくりしました。 同時に、 という問いが、私の中に生まれました。 あくまで想像なのですが、メルマガに登録してくださった方たちは、文章のスキルやテクニックはもとより、 という思いを持っている方が多いのではないかと思いました。 そんなもどかしさを感じているのかもしれない。 「あなたの言葉」はどこへ行った?

          自分のために書けばいい

          場に適した文章の「振る舞い」とは

          私は編集者なので、「文章を書くプロ」ではありません。あえていうなら、「文章を整えるのが得意な人」でしょうか。 では、そんな「文章整え師」である私が文章を編集するとき、最初に考えることは何か?  今回は、そんなお話です。 文章を編集するときに最初に考えることもし、何の前情報もなく、 と、原稿がポーンと送られてきたら。 私はざっと目を通したうえで、こんな質問を返信すると思います。 文章整え師、なぜこんな質問をするのでしょうか。 ・・・・・・・・・(考える時間) そ

          場に適した文章の「振る舞い」とは

          内なる編集者を育てよう

          私は長年、編集者として雑誌や書籍などの制作にたずさわってきました。 専門職扱いされることも多いのですが、私は特別な技能が必要な職種ではないと思っています。 なぜなら、文章を書く人はすでに誰もが「編集者」だからです。 メールを送信するとき、SNSに投稿するとき、事前に文章を読み返してチェックしますよね。 意識しているかどうかはさておき、そのときあなたの「内なる編集者」が仕事をしているのです。 しかし、「内なる編集者」に的確な仕事をしてもらうのは、簡単ではありません。

          内なる編集者を育てよう

          「学びはハードルが高い」と感じているあなたにおすすめの一冊

          あなたは学ぶのが好きですか?  「学ぶの大好きです!」という人も(ネットの世界を知り、そういう人がたくさんいることを知りました)、「学ぶのが好きすぎて、いろいろ手を出すものの全部中途半端」という人もいれば、「子どもの頃から学びを強要されて、もうコリゴリ!」という人もいるかもしれません。 私自身は、もともと という人です。受験勉強がトラウマになっているのかもしれません。 そんな私が「学び」がテーマのこちらの本(↓)の編集を担当させていただくことになり(いいのでしょうか)

          「学びはハードルが高い」と感じているあなたにおすすめの一冊

          「子どもの宿題を見るのが苦行!」という方におすすめの一冊

          公認心理師であり、不登校・発達障害の子どもたちの個別指導塾「きらぼし学舎」を運営している公認心理師の植木希恵さん(以降、きえさん)さんの著書が7月27日(木)に発売されます。 この数カ月、編集担当としてきえさんと一緒に走り抜けてきました。 途中「ま……間に合うのか!?」とハラハラする時期もありましたが、きえさんの鬼のような執筆スピード、制作チームの皆さんのご尽力により(本はいろいろな方の力を結集して生み出される)、無事ここまでたどり着きました! 予約が開始されました。

          「子どもの宿題を見るのが苦行!」という方におすすめの一冊

          「40歳の壁」に押しつぶされた私が自分の足で立ち上がるまで

          昨夜、Voicyのトップパーソナリティとして活躍されている尾石晴さん(以降:はるさん)のご著書『「40歳の壁」をスルッと越える人生戦略』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)の出版記念イベントがありました。 私は、底本となったKindle本『サバティカルタイム 「40歳の壁」を越える戦略的休暇のすすめ』の編集を担当したこともあり、今回のイベントのパネリストとして参加させていただきました(身に余る光栄)。 「40歳の壁」とは、40歳前後で感じる「私の人生、このままでいいのか」

          「40歳の壁」に押しつぶされた私が自分の足で立ち上がるまで

          どうやったら編集者になれるのか?

          編集者って得体の知れない職業ですよね。編集者を名乗っている私自身もそう思います。 できあがった文章や本などのコンテンツを見ても、編集者のどんな仕事が反映されたのかはわかりません。完成したコンテンツに変更履歴は残らない。つまり、コンテンツの受け手にとって編集者は限りなく透明に近い存在です。 新米編集者時代、料理研究家であるご本人から「料理研究家って資格があるわけじゃないから、名乗ったその日から誰でも料理研究家になれるんですよ」と聞いて、「へぇ〜、そういうものなのか!」と驚い

          どうやったら編集者になれるのか?

          私はあなたと対話したい

          私にとって学生時代(中・高・大)は、決して楽しいものではありませんでした。心にずっと違和感を抱えていたのです。 何に対しての違和感か。友だちと上っ面の会話をする「自分」に対する違和感です。 好きな俳優やドラマ、おいしいお店や「誰々ちゃんが誰々ちゃんを嫌っている」だとか、そんなことは私にとって正直「どうでもいい情報」でした。 それよりも、私はその人が「本当に考えていること、思っていること」を知りたかった。あなたはどう思うのか、なぜそれが好きなのか、なぜ嫌いなのか、なぜそう

          私はあなたと対話したい