読書日和@しおり

【2分で読める】本で変わる人生もある。本と出会ったおかげで前向きになれました。

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【2分で読める】本で変わる人生もある。本と出会ったおかげで前向きになれました。

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【自己紹介】「本との出会い」

私たちの人生には、偶然の出会いがいくつもあり、中でも特別な出会いのひとつは、本との出会いです。本は私たちの人生に新しい視点や感動をもたらし、心を豊かにしてくれます。そして、時には本との出会いが素晴らしい人間関係や友情を築くきっかけとなることもあります。 このnoteが素晴らしい出会いを誘うきっかけの場所になれれば幸いです。 【自己紹介】 しおりです。いつも読んでくださって、ありがとうございます。本が好きで本の栞🔖にちなんで名前をつけました。 限られた時間の中で本に触れ

    • 「運転者 未来を変える過去からの使者」読書ノート

      「運転者 未来を変える過去からの使者」 喜多川泰 45歳の岡田修一は、保険の営業マンとして働いていました。しかし、なかなか成果が上がらず、家計は厳しい状況でした。妻との海外旅行の計画は中止に、娘は不登校、実家の母の介護費用の工面も難しくなっていました。「なぜ私ばかりこんな目に遭うんだ」と落ち込んでいた時、不思議なタクシーに乗りました。 そのタクシーの運転手は、人生とは何かを教えてくれました。 「運とは、良い悪いではなく、行動して貯めるものなんです。周りから運がいいと思われ

      • 「正欲」読書ノート

        「正欲」  朝井リョウ 本書では、表面上は「多様性を尊重する時代」と言われながらも、実際には様々な少数派の人々が疎外され、苦しんでいる現実が描かれています。 中心となるのは、一般社会からは受け入れられない性的嗜好を持つ人物たちです。彼らの欲求は異端視されながらも、作者自身もその正欲から逃れられないというジレンマが提示されています。完全な多様性の受容は不可能で、一定の線引きが必要不可欠なのが現実なのでしょう。 しかし、その少数派の中にさらに少数派が存在し、表面化しにく

        • 「きみのお金は誰のため」読書ノート

          「きみのお金は誰のため」 田内 学 この本『お金の授業』は、お金の役割を金銭的な富だけでなく、人生や社会をより豊かにするものとして教えてくれます。 冒頭で示された「お金自体には価値がない」「お金で解決できる問題はない」「みんなでお金を貯めても意味がない」という3つの驚くべき言葉が読者の興味を引きつけ、これらの謎が解かれていくことでお金を上手にコントロールする方法が明かされていきます。 また、難しい経済の考え方を中学生でも理解できるよう対話形式で説明している点が最大の

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        【自己紹介】「本との出会い」

          「猫を処方いたします。」読書ノート

          「猫を処方いたします。」 石田 祥 『中京こころのびょういん』は、京都の路地裏にある謎の病院を舞台にしたファンタジー小説です。この病院では、心の病を抱えた患者に対し、くつろぎながらも一風変わった医師が、驚くべき"処方"を出します。それは薬ではなく、実在する猫なのです。 患者たちは最初戸惑いながらも、決められた期間、猫と共に生活することになります。猫は気まぐれで繊細、世話が大変ですが、そのかわいらしさに次第に心を開いていきます。猫の無防備な姿や仕草に触れ、思わず微笑んでし

          「猫を処方いたします。」読書ノート

          「スーツケースの半分は 」読書ノート

          「スーツケースの半分は 」 近藤史恵 主な登場人物は、学生時代からの付き合いのある29歳の女性4人組です。それぞれ少しずつ個性は違えど、仲の良い友人同士です。しかし、表面的な幸せな生活を送る中で、実は誰もが心の隙間を抱えているのです。何かしら満たされない虚しさや、過去のトラウマから抜け切れずにいます。 ある日、偶然に主人公の一人がフリーマーケットで手に入れた美しい青色のスーツケースを購入することにより、背中を押されて長年行きたかったニューヨークへの一人旅に出かけることが

          「スーツケースの半分は 」読書ノート

          「[禅的]持たない生き方」読書ノート

          「[禅的]持たない生き方」 金嶽 宗信 この本の著者は、仏事監修・指導、保護司としても知られる異色の禅僧です。現代社会では、便利で快適なモノに囲まれているように見えて、実は本当の豊かさを失っているという指摘からスタートしています。 そこで著者は、モノを「持たない」生き方を提唱します。具体的には、モノを減らすための5つのコツを挙げています。1.代用できるものはないか考える 2.未来のことを考えずに今必要かどうかに注目する 3.頻繁に使うものかを見極める 4.大切にされ

          「[禅的]持たない生き方」読書ノート

          「赤と青とエスキース」読書ノート

          「赤と青とエスキース」 青山美智子 プロローグとエピローグの間に4つの短編が収められた連作小説集。一見すると別々の物語に見えたが、読み進めるうちにそれらがスーッと1本の線でつながり、過去と未来を行き来するループストーリーとなっている不思議な構成になっている。 中心となるのは、オーストラリア・メルボルンに留学中の日本人女子大生レイと、現地在住の日系人青年ブーとの恋愛模様。ふたりが出会ったきっかけは、ブーの画家志望の友人ジャクソンの家で、レイがエスキース(下絵)を描いたこ

          「赤と青とエスキース」読書ノート

          「署長シンドローム」読書ノート

          「署長シンドローム」 今野 敏 「隠蔽捜査」シリーズの外伝である本作は、竜崎が異動し、新任の藍本警視正が大森署長に就任したことから物語が展開する。竜崎の後任となった藍本署長は、超絶な美貌と柔軟な発想で事件解決に当たり、慣習にとらわれた警察組織の常識を打ち破る新鮮な存在感を放っている。 物語は貝沼副署長の視点から語られ、竜崎時代とはまったく違うアプローチでの捜査展開に読みごたえがある。竜崎と正反対の性格ながら、藍本も警察官としての原則を遵守する点で竜崎と共通している。普

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          「運動脳」読書ノート

          「運動脳」 アンデシュ・ハンセン 他1名 この本『運動脳』は、運動が脳の健康にいかに良い影響を与えるかについて、生物学的な視点から詳しく説明した注目の一冊です。 人間はもともと、サバンナで狩猟採集をする生活を営んでいました。そのような活発な動きを前提に、私たちの脳は進化を遂げてきました。本来、脳は動くことを求めているのです。 従来の医学では、脳は加齢とともに衰えていく存在と考えられていました。しかし、本書でその考え方は覆されます。運動することで、脳内の海馬などの領域

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          「DIE WITH ZERO 人生が豊かになりすぎる究極のルール」読書ノート

          「DIE WITH ZERO 人生が豊かになりすぎる究極のルール」ビル・パーキンス この本は、経済学者や起業家、ニューヨークタイムズ紙など、著名人からも高く評価されています。なぜその評価が高いのかというと、従来の「お金を将来のために貯める」という発想から一転し、「今この瞬間を豊かに生きるためにお金をどう使うか」に焦点を当てている点にあります。 著者は、経験から得られる思い出こそが人生の真の豊かさにつながると説きます。お金の使い道を大胆に見直し、一人一人のライフスタイルに合

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          「深い河 新装版 」読書ノート

          「深い河 新装版 」遠藤 周作 遠藤周作先生の作品には、いつも深い教訓が隠されています。今回読んだ「深い河」も、そんな遠藤文学の魅力がたっぷり詰まった一冊でした。 この作品は、インドの聖なるガンジス川を舞台に、そこに集まる様々な人々の姿を大々的に描いたヒューマンドラマです。主人公たちは皆、愛や人生の意味を求めてインドへ旅立ちます。しかし、ガンジス川に立つと、それまでの自分の考えや価値観はすべて吹き飛んでしまうようです。 作者は、この母なる大河の前では、宗教や国籍、富裕か

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          「シャイロックの子供たち」読書ノート

          「シャイロックの子供たち」池井戸 潤 「シャイロック」は、東京第一銀行長原支店を舞台に、各章で主人公が変わる短編集のようでありながら、ある事件を発端に長編ミステリとしても読める構成になっている作品です。 登場人物は出世にしか興味がないパワハラ上司、モーレツだがそうなる気はなかった社員、変化の無い日々に疑問を抱えるギャンブラーなど、さまざまな銀行員が描かれています。それぞれの人生模様が生々しく描写され、人間ドラマが意外な展開を見せながら次々と繋がっていきます。 最初は読み

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          「カレーの時間」読書ノート

          「カレーの時間」寺地 はるな 昭和世代の祖父・義景と令和世代の孫・桐矢を描いた人間ドラマ。ゴミ屋敷のような義景の家に桐矢が同居することになり、そこで"カレー"がキーアイテムとして重要な役割を果たします。義景は若い頃、カレー会社に勤めていた経験から本格的なカレー作りに精通。一方、潔癖症気味の桐矢は義景の生活スタイルに戸惑いを覚えますが、カレーを囲む時間を共有することで徐々に理解が深まっていきます。 作品前半は2人のカレーを通した日常が描かれますが、義景の半世紀に渡る秘密が明

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          「結局、腸が9割 名医が教える「腸」最強の健康法」読書ノート

          「結局、腸が9割 名医が教える「腸」最強の健康法」 川本 徹 みなさん、健康のカギを握っているのが実は「腸」だということをご存知でしたか?最近の研究で、腸内環境が体の免疫機能や心の健康にまで深くかかわっていることが明らかになってきました。 腸には、人体の免疫細胞の約7割が集まっているそうです。口から入った病原体に対して、腸内の免疫細胞が最後の砦となり防御する役割を担っているのです。免疫力を高めるためには、腸内環境を整えておくことが不可欠なのがお分かりいただけたでしょう

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          「こころ」読書ノート

          「こころ」夏目漱石 夏目漱石の代表作「こころ」は、過去の重たい罪悪感を背負った"先生"と、その交流を通して人間の"こころ"の奥底を描いた、人間賛歌とも言うべき不朽の名作です。 舞台は明治時代。読者は主人公"私"の視点から、先生との出会いと次第に深まる信頼関係を通して、先生の過去の重荷と自責の念に翻弄される心の内面を垣間見ることになります。知性と裕福さを持ちながらも、人間的な醜さと弱さに囚われた存在としての先生の姿が、リアルかつ繊細に描かれています。 夏目は、先生の物語を

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