水瀬そらまめ

エッセイ 現代詩 小説

水瀬そらまめ

エッセイ 現代詩 小説

マガジン

  • エッセイ ポジティブ・ナイン

    映画、読書、執筆、日常のあれこれを綴っていきます。

  • 小説 Lento con gran espressione

    月子は亡くなった大叔母から小さなお屋敷を譲り受ける。そこには花の咲きみだれる美しい庭園があった。イングリッシュガーデンと音楽、一人の女性の成長物語。

  • 詩集 月光読書 弍

    何気なく思いついた詩を書いていきます。最初の月光読書はノベルデイズにあります。https://novel.daysneo.com/author/lunagon/

  • 小説 呪いの王国と渾沌と暗闇の主

    オリジナル長編ダークファンタジー小説(完結済みにつき随時更新の予定)砦の王子と天使の魔法世界。全55話、約16万文字

記事一覧

固定された記事

自己紹介

自己紹介なんて中学生ぶりなんじゃないかと思う。 私は平凡で⋯⋯なんてことはなかったりする。 今は平凡な主婦といえばそうなんだけど投稿サイトで詩集書いたり、小説書い…

水瀬そらまめ
8か月前
265

これが人生、人間だもの

どこまで歩いていけばいいのだろうと思う。このエッセイにしてもいったいどこまで話したらいいのか加減がわからないけど、まあ、そこは上手いことやって行こうと思う。「知…

水瀬そらまめ
12時間前
39

【小説】Lento con gran espressione(8)

 それから一週間が過ぎたけど、瑠璃子おばさんの家には行けていなかった。電話でお母さんに相談したかったが、できなかった。お母さんとわたしの隔たりが邪魔していた。わ…

水瀬そらまめ
15時間前
24

【詩】海の中聴こえる

君の声 聴こえる 微かに たしかに 聴こえる 小さく 小さく 途切れそうで 哀しみに 満ちた声 手を握って 引っ張り出そうと 海の中 荒れ狂う世界で たったひとり …

水瀬そらまめ
22時間前
34

小説 呪いの王国と渾沌と暗闇の主【第一話 赤い砦の王国】

 極寒の季節、ここ東ティリエナ地方では、全ての川や湖は凍てついて、地元の人が言う所の中規模程度の雪が降ったり止んだりを繰り返していた。『静寂なシャンティ』にある…

32

小説 呪いの王国と渾沌と暗闇の主【プロローグ 盗人ベノム】

 サンディコ寺院には、内戦終結から一年が経過した現在も政府の派遣した治安部隊約二十名が尚も居座り続けていた。  美しいステンドグラスから差し込む光の先にあるもの…

38

町田そのこの52ヘルツのクジラたちを読み始めた。私はいわゆるサバイバーだからちょっときついかなと思っている。それでもこのあらすじには興味があるし実は自分でも書いてみたい題材だった。偉そうだけど先を越された感がある。自分なりに書いてみたい。夢だけど。

39

もっと幸福になりたいんです

たまらなく何か文章を書きたくなる時がある。そういう時はこういう所でエッセイを書くことにしている。これは承認欲求の塊だからだろうか。文字を書きたくなる理由ははっき…

51

【詩】冷たい君の涙

冷たい君の涙 本当に僕が好きなの 過去に戻って束ねた光 君は笑っていた キスすれば 恥ずかしがって 俯いてたね 冷たい君の涙 本当に僕が好きなの 風船のように想…

39

「私は日本人です」

まだハッキリ決まってないけど海外赴任になりそう。転勤は毎度のことなんだけど海外は久しぶり。意外と楽しみにしている自分がいる。不安もあるけどね。海外に住むと自分の…

60

ファンタジー小説を更新中

小説家になろうのアース・スターノベル大賞に応募していた。今日作品を更新していたら期日を過ぎていたことに今更になって気づいて応募中の作品を更新していいのか調べたら…

水瀬そらまめ
2週間前
42

君の心に刻んだ名前

久しぶりに嗚咽した映画だった。時は1988年、戒厳令が解除された台湾での二人の高校生の恋愛物語。最初は親友同士だったのがお互いを愛するように。BLなんて生やさしいもの…

水瀬そらまめ
2週間前
48

クロックスは気をつけましょう

足を打撲してしまった。真夜中にトイレに行ったとき履いたクロックスを脱ごうしたらクロックスが足に張り付いて取れなくなって強引に脱ごうとしたら靴がぐにゃっと歪んで、…

水瀬そらまめ
3週間前
55

月光浴

朝から窓に張り付いていた蜻蛉を眺めた。まだ春なのにこんなに早く成虫になってしまったらしい。蜻蛉は口と腸がなく食べることがないので寿命が短い。早くて一週間、長くて…

水瀬そらまめ
1か月前
45

【詩】無題

【詩】無題 あなたの横顔が美しすぎて さよならが言えない 昨日のその前も同じように 同じ場所で息をして生きた 何年待てば その手をにぎる事ができるのか 百年待て…

水瀬そらまめ
1か月前
53

ロマンティック・ドラマティック

庭で雀が死んでいた。土に埋めてる時、晴天の中、雨が降ってきた。慈雨か。そんなロマンティックなこと考えていた。ずっと韓国ドラマ・トッケビを見ている。このドラマも恋…

水瀬そらまめ
1か月前
49
自己紹介

自己紹介

自己紹介なんて中学生ぶりなんじゃないかと思う。
私は平凡で⋯⋯なんてことはなかったりする。
今は平凡な主婦といえばそうなんだけど投稿サイトで詩集書いたり、小説書いたりしているから、ちょっと変わった奥さんなんだと思う。
創作活動している人が変わってるって、どういうことって怒る人もいるかもしれないけれど、私自身が変わってる部類だと日々感じているからだ。

変わっている。確かに。
まずペンネームの水瀬そ

もっとみる
これが人生、人間だもの

これが人生、人間だもの

どこまで歩いていけばいいのだろうと思う。このエッセイにしてもいったいどこまで話したらいいのか加減がわからないけど、まあ、そこは上手いことやって行こうと思う。「知りすぎると奴隷となる。それが真実。」これは自分のファンタジー小説で書いたセリフだ。真実を知るということは時に残酷でもある。そんな気持ちを込めて書いた。私はここではエッセイを書くけど本当のことは書かない。本当のことに嘘を混ぜて書く。それがリア

もっとみる
【小説】Lento con gran espressione(8)

【小説】Lento con gran espressione(8)

 それから一週間が過ぎたけど、瑠璃子おばさんの家には行けていなかった。電話でお母さんに相談したかったが、できなかった。お母さんとわたしの隔たりが邪魔していた。わたしはお父さんと最後の別れをした時、お父さんはこう言った。

「お母さんと仲良くな。元気でいなさい。……本当にごめんな」

 その言葉をお母さんに伝えたいけれどできないでいる。それはお母さんが仕事を優先させて看取らなかったからだった。わたし

もっとみる
【詩】海の中聴こえる

【詩】海の中聴こえる

君の声 聴こえる
微かに たしかに 聴こえる
小さく 小さく 途切れそうで
哀しみに 満ちた声

手を握って 引っ張り出そうと 海の中
荒れ狂う世界で たったひとり 生きている

君の声 聴こえる
わかっているよ 気づいているよ
必ず 助け出すよ 待っていて

小説 呪いの王国と渾沌と暗闇の主【第一話    赤い砦の王国】

小説 呪いの王国と渾沌と暗闇の主【第一話 赤い砦の王国】

 極寒の季節、ここ東ティリエナ地方では、全ての川や湖は凍てついて、地元の人が言う所の中規模程度の雪が降ったり止んだりを繰り返していた。『静寂なシャンティ』にあるブルーニ川も、例外なくその表面を乾いた風に沈黙し、周辺の生き物たちも全てが眠りに落ちているかのように、しんと静まり返り、たまに雪の塊が枝から落ちる音がばさりばさりと木霊するだけだった。

『静寂なシャンティ』とは、国の台地を寸断するように存

もっとみる
小説 呪いの王国と渾沌と暗闇の主【プロローグ 盗人ベノム】

小説 呪いの王国と渾沌と暗闇の主【プロローグ 盗人ベノム】

 サンディコ寺院には、内戦終結から一年が経過した現在も政府の派遣した治安部隊約二十名が尚も居座り続けていた。

 美しいステンドグラスから差し込む光の先にあるものは聖なる場所というよりは、むしろどす黒く荒れ果てた流刑所のような有様で、治安部隊によって囚われた幾人かの囚人らが手や足に鎖をつけ部屋の方々に転がっていた。

 建物の中央には、ついしばらく前までは美しい理路整然とした正四角形の庭園があり聖

もっとみる

町田そのこの52ヘルツのクジラたちを読み始めた。私はいわゆるサバイバーだからちょっときついかなと思っている。それでもこのあらすじには興味があるし実は自分でも書いてみたい題材だった。偉そうだけど先を越された感がある。自分なりに書いてみたい。夢だけど。

もっと幸福になりたいんです

もっと幸福になりたいんです

たまらなく何か文章を書きたくなる時がある。そういう時はこういう所でエッセイを書くことにしている。これは承認欲求の塊だからだろうか。文字を書きたくなる理由ははっきりわからない。まずキーボードに向かっている自分が好きだ。パソコンを開いて画面を見るのが楽しい。意味のある作業をしているんだと思える。無駄な一日を過ごしているわけじゃないんだと思える。そんな複数の理由だからだろうか。書いた文章を読み返して間違

もっとみる
【詩】冷たい君の涙

【詩】冷たい君の涙

冷たい君の涙

本当に僕が好きなの

過去に戻って束ねた光

君は笑っていた

キスすれば

恥ずかしがって

俯いてたね

冷たい君の涙

本当に僕が好きなの

風船のように想いが

風に乗って飛んでいくよ

本当は心がもうここにないって

わかってる

わかってるけど

手放せない

ごめんね

臆病で

困った顔しないで

勇気が出たら

君を解放するよ

冷たい君の涙

わかっているよ

もっとみる
「私は日本人です」

「私は日本人です」

まだハッキリ決まってないけど海外赴任になりそう。転勤は毎度のことなんだけど海外は久しぶり。意外と楽しみにしている自分がいる。不安もあるけどね。海外に住むと自分のアイデンティティーが完全に日本人なんだと意識させられる。私は顔が中国人に特徴付けられることが多いので間違われないように念入りに化粧をしたりする。日本人の女は身なりと顔に気を使うというイメージが強い。白人に顔から服装までジロリと見られ日本人だ

もっとみる
ファンタジー小説を更新中

ファンタジー小説を更新中

小説家になろうのアース・スターノベル大賞に応募していた。今日作品を更新していたら期日を過ぎていたことに今更になって気づいて応募中の作品を更新していいのか調べたら何も書いていない。このいい加減さが最近の自分です。評価されたくない自分がいる。でもでも賞金がw お金は欲しいわけですわ。当然でしょう。そうでなくても老後の資金がない。若い頃からお金を貯めることなくやってきたツケが回ってきたのだ。まあ、それだ

もっとみる
君の心に刻んだ名前

君の心に刻んだ名前

久しぶりに嗚咽した映画だった。時は1988年、戒厳令が解除された台湾での二人の高校生の恋愛物語。最初は親友同士だったのがお互いを愛するように。BLなんて生やさしいものじゃなかった。同性愛がどうなんて見ている途中でどうでもよくなった。恋が愛に変わる時、少しの唇の拒絶が深い傷を生む。震える身体、身悶えする心。愛しているのに愛していると言えないもどかしさ。そのどれも一つ一つが愛おしくて切ない。恋愛とはそ

もっとみる
クロックスは気をつけましょう

クロックスは気をつけましょう

足を打撲してしまった。真夜中にトイレに行ったとき履いたクロックスを脱ごうしたらクロックスが足に張り付いて取れなくなって強引に脱ごうとしたら靴がぐにゃっと歪んで、そのまま前方に倒れた。左足の親指がそりかえり甲を下にしていたので腫れ上がった。痛くて眠れなかったので、もしや骨でも折れてるのかと救急車に電話、相談したら「歩けるんですね」と冷静な声で言われ気がついた。骨が折れたりひび割れたりした場合、歩けな

もっとみる
月光浴

月光浴

朝から窓に張り付いていた蜻蛉を眺めた。まだ春なのにこんなに早く成虫になってしまったらしい。蜻蛉は口と腸がなく食べることがないので寿命が短い。早くて一週間、長くて一ヶ月ほどらしい。だが繁殖に特化した作りなので生命体としての寿命は長い。昔蜻蛉のような人生なのかと嘆いた詩を詠んだ事がある。否、嘆いたというより憧れか。長生きしたくないという考えは変わらない。そんな思いがたまに負のエネルギーに変わって自死を

もっとみる
【詩】無題

【詩】無題

【詩】無題

あなたの横顔が美しすぎて

さよならが言えない

昨日のその前も同じように

同じ場所で息をして生きた

何年待てば

その手をにぎる事ができるのか

百年待てば

もう気持ちも風化してしまうだろうか

あなたを待って

どのくらい経っただろう

それは長くて遠い道のりだった

やっと出会えても

お互い愛が消えていて

一緒にいることしかできなかった

あなたの横顔はいつも美しくて

もっとみる
ロマンティック・ドラマティック

ロマンティック・ドラマティック

庭で雀が死んでいた。土に埋めてる時、晴天の中、雨が降ってきた。慈雨か。そんなロマンティックなこと考えていた。ずっと韓国ドラマ・トッケビを見ている。このドラマも恋愛ドラマティックドラマだ。音楽も映像も美しい。2回目だけどそれなりの発見があって楽しい。割と一度見ただけでは頭に残らないものだ。ストーリーも詳しいことは忘れていた。なんせ女子高生役が可愛い。これは本当に演技なのか。完全な演技だとしたら天才だ

もっとみる