藤本 柊

気ままに綴ります。 ごゆるりお付き合いいだだければ幸いです。

藤本 柊

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マガジン

  • 木曜日の朝に。 <weekly>

    とある家庭の、木曜日の朝の風景。 週に一度の、ちょっぴり長いつぶやき。 コーヒー、紅茶、お茶のお供にどうぞ。 ビール、焼酎、ワインのお供にもどうぞ。

  • 「読書感想文」

    図書館で、あるいは本屋さんで出会った本たちとの時間をエッセイ風に。ジャンルはさまざま、その時の興味や関心に、素直に手に取り、呼応する自分の声を綴ります。

最近の記事

  • 固定された記事

「from 木曜日の夜に」ご拝聴くださりありがとうございました😊コメントやレターも嬉しかったです。 アーカイブ残しておきますので、お時間ある時にゆっくりお越しください☕https://stand.fm/episodes/66319f781fc791106a0f8ca0

    • BURBERRYの香り、捨て猫

      「束縛」がキライ。 それを思い知ったのは、星野くんと付き合ったからだった。 競馬の騎手養成学校から逃げ出してきたという彼は、48kgに満たない小柄な人だった。 逃げ出して、ホストになって、鋭い目付きなのに、話す言葉は柔らかで、なのにふと影る眼差しがまるで捨て猫みたいだった。 「柊ちゃん、僕と一緒にいようよ。 僕は絶対に君を寂しくさせない。」 私は当時、会えない彼と付き合っていて、会う時にはサングラスをして、生活圏を離れる必要があった。 誠実で大人な彼を、私は少

      • 木曜日の朝に。 54朝

        「おはようございます。」 もっさんもっさんの寝ぐせで、もそもそと起きていく。半袖で寝ていたから、布団から出ると少し肌寒くて、モフモフの上着を羽織る。 トポポポ…と白湯を入れて、ひとつまみの塩と、レモンをちょろんとたらし、ふーふーとすする。 卵二つ、白だしとチャカチャカと混ぜ、ジュンワーと焼く。くるくる。 昨日の夜、日帰りの出張からの帰りに渋滞にはまってしまって遅くなった夫を待ちながら、キッチンを片付けていた。いつもは、疲れているし早く寝たいし、ザーッと片付けておしまい(

        • 【読書感想文】黄色いマンション 黒い猫

          なんてったってアイドルで、俳優で、舞台プロデューサーで、そして執筆のお仕事もする、キョンキョンこと小泉今日子さん。 男兄弟の中で育っているノリコ、二歳年上の姉ヒロコ、「スター誕生!」のオーディションに誘ったハルコ、ナオミとのタイマン、湿布を貼ってくれた保健の先生、トシちゃん、テレフォン歌謡曲で聴く石野真子ちゃん、便箋七枚のラブレターをくれたボーイフレンド、お母さんというより女という感じのユミさん、スタイリストのミカちゃん、革ジャンを売りつけてくるあの男、小雨、原宿、夾竹桃。

        • 固定された記事

        「from 木曜日の夜に」ご拝聴くださりありがとうございました😊コメントやレターも嬉しかったです。 アーカイブ残しておきますので、お時間ある時にゆっくりお越しください☕https://stand.fm/episodes/66319f781fc791106a0f8ca0

        マガジン

        • 木曜日の朝に。 <weekly>
          53本
        • 「読書感想文」
          36本

        記事

          ずっと楽しみにしていた日。 130年の歴史がつまった芝居小屋での、絵画展へ。古猪の屏風絵、歌舞伎猫だるま、画家さんとのとても贅沢なひとときでした。

          ずっと楽しみにしていた日。 130年の歴史がつまった芝居小屋での、絵画展へ。古猪の屏風絵、歌舞伎猫だるま、画家さんとのとても贅沢なひとときでした。

          渡り廊下と四葉

          弾むボールの音、湧き上がる歓声や拍手、ホイッスルの音。 体育館へつながる渡り廊下の階段にすわって、そんな音を聴きいていた。休日の校舎はしんと静かで、そこからつながる外廊下には人気がない。 中の熱気とは裏腹に、よく晴れた夏日のような日向と、心地よく風がなでる日陰。 隣のグラウンドの隅では、シロツメクサが蜜蜂たちをあやしていた。 大きな蟻が近づいてきて、また彷徨い、階段の端をつたい遠ざかる。 日向と日陰の境目で、再読の文庫本に目を落としていた。確かに読んだはずなのに、ミ

          渡り廊下と四葉

          お気に入りの暮らし

          朝からタンクにお水をはって、キラキラと陽の当たる所へ置いておいた。 午前部活の次女を送り出し、洗濯物を干しながら、「今日は布団干そう」と口に出すと、夫も三女も、ウッドデッキの手すりに、ベロベロとみんなのお布団を並べて干してくれた。 その間に私は、掃除機をかける。 ヘッドの光るこの新しい掃除機を、敵対視している黒いモフモフの彼は、少し離れた所から、ジーッと警戒しながら見ている。イスの上から、階段の途中から、ジーッと睨みつけている。ちょっとイジワルをして、ズィーっと彼の方へ

          お気に入りの暮らし

          砂時計

          すっかり食べきって空っぽの器を、重ねて流しへ運ぶ彼女に、空のグラス二つを持ってついていく。 「いいのに、そのままで」 笑いながらそう言って、蛇口を捻って、黄緑色のスポンジにクルッと洗剤をまわす彼女。 私は空のグラスをその脇に置いて、そのまま泡泡のスポンジを操る彼女のお腹に、後ろから手を回す。 ひとつに束ねた髪に埋もれ、吸い込む。 「ねむいんでしょ?寝てていいのに」 クルクルと器を手際良く洗う手元と、少しだけこちらに傾げる頭と。 「眠れない…。 眠い」 「脳ミソ

          木曜日の朝に。 53朝

          「おはようございます。」 アラームをとめて、布団から身体をはがすようにしてメリメリと起きる。うぅ…だる…。 もっさんもっさんの寝ぐせで(後頭部は鳥の巣状態だ)起きていくと、次女も三女も前髪を整えながら何やら賑やかで。 トポポポ…と白湯を入れ、塩とレモンをちょろっと入れて、ふーふー啜る。 「っあ゛〜」沁みるわ。 昨夜、とっても疲れていて洗い物は明日の朝にしようと早々と寝てしまったのだけれど、流しに立つと洗い物が片付いていた。私のヘロヘロ具合を見兼ねたのか、夫がやっておいて

          木曜日の朝に。 53朝

          「from 木曜日の朝に」stand.fm📻 https://stand.fm/channels/637a0fb3b4418c968df28ea8 5.01 Wed. 10:00-10:30 ゲスト Yuuuさん https://note.com/yuuu35/portal テーマ「この人いいな(仲良くなれそう)と思う瞬間」

          「from 木曜日の朝に」stand.fm📻 https://stand.fm/channels/637a0fb3b4418c968df28ea8 5.01 Wed. 10:00-10:30 ゲスト Yuuuさん https://note.com/yuuu35/portal テーマ「この人いいな(仲良くなれそう)と思う瞬間」

          ちょっと切なくなっただけ

          生ビール二つと生小一つと、小さな紙パックのおいしい牛乳で乾杯。 何年ぶりよ? コロナ禍前に飲んだきりだろうか? 「いや、おまえ10年くらい来てないぞ? 父ちゃん亡くなってから来とらんだろ?」 そうだっけ…?そんなだっけ…? 久しぶりに幼なじみと、地元の割烹居酒屋で集まったのは、私がとぼけたLINEをグループLINEに送ったのが始まりだった。 と、いうやり取りから、久しぶりにナリ君のお店で昔みたいに集まることになったのだ。 マーの一人娘のコハちゃん(9才)

          ちょっと切なくなっただけ

          オッパイ星人がくるぞ

          わが家は女系家族である。 私は三姉妹の末っ子として育ち、そして私もまた三姉妹を産み育てている。 そうするとね、 とりあえず生理用品はたくさんいる。 トイレットペーパーの消費も早いのなんの。 でね、 洗濯をするとポロっと出てくるの、アレが。 まるいペラいアレ。 ブラの中にあるパット。そう、アレ。 スポーツブラにはまあるいパット。ワイヤー入りの可愛いやつには、ジェル入りのアーモンド型、柔らかさもそれぞれに入っていて。 洗濯するとね、出てくる。 とくにスポーツブラなん

          オッパイ星人がくるぞ

          今日は力みすぎてなかなか芯がとれなかった。目を閉じ、手に触れ、優しさを取り戻すこと、寄り添うこと。力任せに言うことを聞かせてはならない。 仲良くできそうな気がしてきたのは、土に触れてから一時間半を過ぎたころだった。

          今日は力みすぎてなかなか芯がとれなかった。目を閉じ、手に触れ、優しさを取り戻すこと、寄り添うこと。力任せに言うことを聞かせてはならない。 仲良くできそうな気がしてきたのは、土に触れてから一時間半を過ぎたころだった。

          フォーブル平井202号室

          アパートの玄関ポストに手を突っ込んで、内側にテープで貼りつけられたカギを慎重に剥がし取り(もしも落とせば部屋へ入れない)、カギ穴へ差し込む。 カチャリ 自分の部屋へ帰るのに、なんだか侵入者みたいな緊張感だけれど、昨夜のバカみたいな楽しさの名残りなだけに可笑しかった。 薄暗い部屋の電気をつけると、 「来た時よりも美しく」 どこかの研修施設の張り紙にあったみたいに、きれいに片付いていた。 ドサッ コンビニのビニル袋を置いて、制服を脱いで手洗いを済ませ、小さな1人用の冷蔵

          フォーブル平井202号室

          木曜日の朝に。 52朝

          「おはようございます。」 会ったことはないけれどいろいろを知ってる素敵な女性と、腕を組んで歩いて、それは旅行先で、ホテルに帰るフェリーに乗り遅れて、USJのウォーターワールドみたいな世界観のアメ車風のボートに乗せてもらって、水銃に撃たれながらエメラルドグリーンの綺麗な海を渡り、地中海風のホテルへ着いた── 目が覚めて、知らないうちにアラームを止めて寝ちゃってたことに気がついて、慌てて起きる。次女も三女もすでに起きていて、洗面所からスマホで流す音楽が聴こえる。 もっさんも

          木曜日の朝に。 52朝

          「From木曜日の朝に」スタエフ📻ご拝聴いただいた方々、レターくださった方々、ありがとうごさいました♪ https://stand.fm/episodes/6627405f712a38afe8ef8413 アーカイブ残ってます。ゆるっとお越しいただければ幸いです☕٭𓈒𓏸

          「From木曜日の朝に」スタエフ📻ご拝聴いただいた方々、レターくださった方々、ありがとうごさいました♪ https://stand.fm/episodes/6627405f712a38afe8ef8413 アーカイブ残ってます。ゆるっとお越しいただければ幸いです☕٭𓈒𓏸