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連作風5首+1首『桜は何も言わないけれど』

ここ最近 #うたの日 で歌題に「さくら」を織り込む試みをして出詠してました。結果はあんまり芳しくありませんでしたが、よかったらご覧下さい。

夜桜に佇むきみを思い出し曇の隙間のスピカを探す/歌題『 春 』

なくことを忘れた鳥のため植えたソメイヨシノの増していく白/歌題『 植 』

きみの名を呟くときに舞うさくらどうかもう一度そばに来てくれ/歌題『 呟 』

散り際の桜みたいな哀愁が月曜手前のバスタ新宿/歌題『 哀 』

風雪に耐えた桜を仰ぎ見てここにはいないきみを重ねる/歌題『 耐 』

夜桜を一緒にみたいと言っていたあなたの声が降る春の夜

「桜の木の下には死体が埋まっている」という話をむかしどこかで聞いてずっと心に残っていたんですが、その由来が梶井基次郎の短編小説『櫻の樹の下には』と知ったのはごく最近のこと。美しいもの、明るいものにはその背景に醜いものや暗いものを背負っているのかもしれません。

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