子供の頃に出会った、不思議な猫の話【ショートショート】
子供のころ、私は猫が好きだった。
猫は自由で、何も考えずに生きる動物と思った。
私はそんな猫の自由な生き様に憧れていた。
一つだけ例外があった。それは月光の下で出会った不思議な猫だ。
名前を聞いても答えなかったので、私はその猫を月光と名づけた。
月光は普通の猫と違っていた。普通の猫は人間が何を考えているのか知らない。
でも、月光は違った。月光は私の心の中を読むことができた。
月光と初めて出会ったのは夏の夜だった。私が十歳のときだ。夜遅くまで遊んで帰ってくると、月光