記事一覧
偽情報と戦うAI ~最新のDeepFake検知技術~
DeepFakeによる偽情報が社会問題化する中、その対策技術の研究が加速しています。前回の記事でお伝えしたとおり、DeepFakeには大きくテキスト、画像、音声、動画の4つの形態があり、それぞれの領域で検知技術が研究されています。今回は、最新の研究動向に焦点を当てて、主にテキストと画像の最新論文を紹介します。
テキストテキスト内の偽情報検出に関しては、今年Google DeepMindから発表さ
シェアを意識してニュースを読むと偽情報に騙される!?~ソーシャルメディアがフェイクニュースを助長するワケ~
ソーシャルメディアは今や私たちの生活に欠かせないものとなりましたが、同時に、フェイクニュースが広まる場としても知られています。ソーシャルメディアがユーザーの「真偽を識別する能力」に与える傾向を分析した論文「The social media context interferes with truth discernment」によると、シェアを意識してニュースを読むと真偽の判断力が低下してしまうことが
もっとみるフェイクニュースは真実よりも速く広く深く拡散されやすい~X(Twitter)上のデータから明らかに~
ソーシャルメディアなどのプラットフォームが急速に発展し、個人が簡単に情報を発信し、世界中の人々と共有できるようになりました。このような状況下で、真実と虚偽の情報がどのように広がるかについて分析した論文「The spread of true and false news online.」によると、フェイクニュースは真実よりも拡散されやすい性質があると指摘されています。
本記事ではこの論文について解
デマの訂正情報の拡散はむしろ逆効果!?~コロナ禍のトイレットペーパー不足から考える訂正情報の適切な流し方~
デマが流れた際は訂正情報を流し拡散さえすれば問題は終息すると思ってはいないでしょうか?実はそう単純な話ではないという研究結果があります。2020年2月に日本で起きたトイレットペーパーデマに起因する社会的混乱を分析した論文「Impact of correcting misinformation on social disruption」(米国科学誌「PLOS ONE」に掲載)によると、訂正情報の拡散
もっとみるなぜSNSばかり見ていると危険なのか?~エコーチェンバーとフィルターバブルが引き起こす意見の極端化~
近年、SNSの普及や情報技術の発達により、私たちは自分と似たような意見の人々と簡単に接することができるようになりました。しかし、この便利さは時に問題を引き起こすことがあります。それが「エコーチェンバー」と「フィルターバブル」呼ばれる現象です。これらの現象が形成される背景や問題点、具体例を理解することで、私たちが多様な情報を取り入れ、メディアリテラシーを向上させる重要性がわかります。
エコーチェン
「紅麹」の事例から学ぶ誤情報や偽動画への対策方法
今年3月から話題となっている「紅麹」問題。未だ原因物質が特定されていない中、多くの憶測がSNSで飛び交っています。「ベニコウジ色素」という食品の着色料が危険だとするデマや、小林製薬の社長が記者会見で健康被害の原因について述べていない内容を述べたとするフェイク動画が拡散しています。本記事では何が正しい、間違っているといった情報を提示するのではなく、様々な偽情報が飛び交う中で意識しておくと良いポイント
もっとみる