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タダヨシユキ「デザインと日本」

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日本文化、民藝、禅、詫び錆び、精神性に関する考察
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記事一覧

未来への一歩: 行動する力で未来の自分を見つけろ

息子よ、 君が18歳になった今日、未来へのステップを踏み出す大事な時期だ。君の夢や目標は何か、それを追い求めるために何をすべきか、一緒に考えてみよう。人生は短いものだが、その短い時間をどう過ごすかが重要だ。 君には素晴らしい可能性と才能がある。まずは自分自身を知り、何が君を本当に幸せにするのかを見つけ出そう。夢を見つけることは簡単ではないが、君の好奇心を追求し、新しいことに挑戦することで見つかることもあるだろう。 「何になりたいか」という問いに真剣に向き合い、夢を見つけ

「どですかでん」― 黒澤明の前衛的な傑作

黒澤明監督の映画『どですかでん』は、山本周五郎の小説『季節のない街』を原作にした、前衛的で色彩豊かな傑作です。この映画は、悲しさや切なさ、そしてユーモアを取り入れた作品で、感性のふり幅や表現の幅広さが印象的です。貧しい地域の人々の生活が描かれ、その中で「どん底」イズムが強烈に表現されています。 映画は、1970年の日本を舞台にした郊外のゴミの山に住む人々の集落を描いています。主人公は電車好きの少年・六ちゃんであり、彼は朝早くから夕暮れまで、彼にしか見えない空想の電車の運転手

「用の美」を探求した、民藝と工業のプロダクト

私はデザイナーとして、これまで様々な工業デザインや建築のプロジェクトに関わってきました。しかし、最近では毎日使用する日用品に新たな魅力を見出し、それに心を奪われています。機械生産の製品にはない、独特の魅力と機能性が、私の心を惹きつけるのです。 日本民芸運動の創始者、柳宗悦が語った言葉があります。「名もない職人たちが、日々使う庶民の生活道具のためにつくった民藝品には、「簡素で飾らない美しさ」=「用の美」がある」と。この言葉に触れ、私は職人のようなデザイナーでありたいと望んでい

「不道徳デザイン講座」ルールを破り、常識を超えろ

この記事は、三島由紀夫氏の「不道徳教育講座」から得た知識を、デザインや創造性の世界に広げて考察してみたコラムです。三島由紀夫氏の洞察と現代のデザインにおける重要性を結びつけ、新たな視点を考えてみました。不道徳からの洞察が、どのようにして創造性の源泉となるのか、一緒に探求していきましょう。 常識を打破しよう 創造性は、新しいアイデアやアプローチを生み出すために不道徳だと思われる方法を探求する意欲と、既存の規範や常識を打破する勇気が不可欠です。しばしば、我々は社会的な規範や倫

日用品のデザインにおける民藝の影響

日用品とは、私たちの生活に欠かせないものである。食器や衣服、家具や文房具など、さまざまな日用品が私たちの暮らしを豊かにしてくれる。しかし、日用品は単に便利であるだけではなく、美しさや個性も持っている。その美しさや個性は、デザインによって表現される。デザインとは、形や色、模様や素材など、物の見た目や使い心地を決める要素のことである。デザインは、人間の感性や文化を反映するものでもある。 日本の日用品のデザインには、民藝運動という歴史的な流れが大きな影響を与えている。民藝運動とは

三島由紀夫と日本の美

三島由紀夫が自衛隊市ヶ谷駐屯地で割腹自殺を遂げてから53年になります。三島由紀夫は日本を代表する文豪であり、独特の美意識に貫かれた作品群は現在も世界中で多くの読者を魅了しています。三島由紀夫はどのような人物だったのでしょうか。そして、彼が追求した日本の美とは何だったのでしょうか。 三島由紀夫は1925年に東京で生まれました。裕福なエリート家庭の出身でしたが、幼少期は祖母に過保護に育てられ、外で遊ぶこともなく、女言葉を使うようになりました。学校ではいじめられることも多く、自分

日本文化の美:私のデザイン哲学

私のデザイン哲学は、シンプルさと美を追求することに基づいています。これは、日本文化と日本人のアイデンティティから派生したものであり、他の文化やデザインスタイルを模倣することではなく、独自の視点から美しさや感性を探求することを重視しています。 私は海外でのデザイン活動と受賞を通じて、日本のデザインの優れた特徴を再評価し、国際的な交流を通してそれをより深く理解しました。 日本人として、我々は欧米文化や他国のデザインに憧れることがあっても、それを単なる模倣やフェイクにはしたくあ