後谷戸

小説を書きます 返信が苦手なのであまり返信はできませんが、いただいた感想はとてもうれし…

後谷戸

小説を書きます 返信が苦手なのであまり返信はできませんが、いただいた感想はとてもうれしいです https://lit.link/ushiroyato

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    夏休み最後の一週間を繰り返し、そこから出ようともがく女の子の話です

記事一覧

きみの絶滅する前に 第5話 試し読み

続きはこちらからご覧いただけます!

後谷戸
2日前
6

小説 卒論の提出日を間違えて

 卒論の提出日を一日間違えて卒業できなくなってしまったのだけれども、いまはそのことを考えたって仕方がないのでわたしたちはなんにも考えないで過ごすことにしていた。…

後谷戸
2日前
23

小説 宇宙人のアンケート

 宇宙人に誘拐されてしまった。 「わたしたちは地球について調べています、アンケートにお答えいただけると助かります」  とタコみたいな姿の宇宙人が言う。 「いいぜ…

後谷戸
4日前
13

小説 宇宙犬

 うちで飼っている犬は自分のことを犬型宇宙人だと思っているので、散歩とかに行くときも、 「まがりなりにも宇宙人に首輪をつけようとするのは宇宙人権の侵害だワン」と…

後谷戸
4日前
27

小説 天井裏の忍者 つみたてNISA編

 天井裏に忍んでおれの命を狙っている忍者が、 「つみたてNISAを始めようと思うのでござる」とほくほくしながら言ってきた。 「忍者でもつみたてNISAに興味を持…

後谷戸
7日前
28

小説 神様がやってきて

 神様がやってきて、 「きみの人生はひどいもんだったから、もうちょっとましにしてあげるよ」と言って、わたしにいい靴を買ってくれた。 「ありがとうございます」 「…

後谷戸
11日前
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小説 一緒に住んでるデスクラブ(殺人カニ)

 一緒に住んでるデスクラブ(殺人カニ)がフランス料理の店に行きたいと言いだした。  わたしが渋い顔をしていると、 「カニがフランス料理を堪能してはいけないという…

後谷戸
11日前
11

小説 友達がタイムマシンを作ったので

 友達がタイムマシンを作ったので無理を言って一緒に乗せてもらったのはいいものの、壊れて現代へ戻れなくなってしまった。 「恐竜みたいなのがいるぜ。なにザウルスだろ…

後谷戸
12日前
542

きみの絶滅する前に 第4話 試し読み

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後谷戸
13日前
5

きみの絶滅する前に 第3話 試し読み

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後谷戸
2週間前
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小説 事故物件に住んでる同僚

 同僚の住んでる家が事故物件だというので見にいった。 「ほら、このカーペット、ここだけ色違ってんだよ。絶対怪しいよ。ここで誰かが亡くなったのに違いないよ」と真面…

後谷戸
2週間前
35

小説 恋人のコピーロボット

 恋人に振られたショックでなにも手につかない。ごはんを食べる気にもなれなくて毎日泣き暮らしていると、元恋人によく似た人がやってきて、 「こんにちは、あなたの恋人…

後谷戸
2週間前
19

小説 二宮金次郎の銅像

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後谷戸
2週間前
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小説 忘れるなんてことあるのかな

 友達は蝶の幼虫だったので、成虫になるためには蛹にならなくてはいけないらしかった。 「でも問題があってさ」と友達。 「いったん蛹になるとさ、体中全部溶けちゃうん…

後谷戸
2週間前
94

きみの絶滅する前に 第2話 試し読み

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後谷戸
3週間前
7

きみの絶滅する前に 第1話 試し読み

続きはこちらからご覧ください!

後谷戸
3週間前
7

小説 卒論の提出日を間違えて

 卒論の提出日を一日間違えて卒業できなくなってしまったのだけれども、いまはそのことを考えたって仕方がないのでわたしたちはなんにも考えないで過ごすことにしていた。

「こないだぬいぐるみ落としちゃってさ」

「ぬいぐるみ落とすことってある?」 

「ほら、これだよこれ」

「あっ、キーチェーンのやつ」

「そうそう、これ落としちゃってさ」

「うん」

 すると彼は一瞬神妙な顔をして黙りこくって、

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小説 宇宙人のアンケート

 宇宙人に誘拐されてしまった。

「わたしたちは地球について調べています、アンケートにお答えいただけると助かります」

 とタコみたいな姿の宇宙人が言う。

「いいぜ。なんでも答えてやるよ。でもロハで答えさせようってんじゃないだろうな?」

「アンケートですので、金品をお渡しすることはできないのですが、参加賞的なものを最後にお渡しすることは出来ます」と宇宙人。

「いいね。気に入ったよ。参加賞って

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小説 宇宙犬

 うちで飼っている犬は自分のことを犬型宇宙人だと思っているので、散歩とかに行くときも、

「まがりなりにも宇宙人に首輪をつけようとするのは宇宙人権の侵害だワン」と文句を言ってくる。そうは言っても散歩のルールなのだから、

「市の条例的なやつで散歩中の犬には首輪を付けましょうっていわれているから、ペロに首輪を付けるのはやむを得ないよ」と説得すると、犬はワオワオウオンとうなりながらしぶしぶ同意してく

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小説 天井裏の忍者 つみたてNISA編

 天井裏に忍んでおれの命を狙っている忍者が、

「つみたてNISAを始めようと思うのでござる」とほくほくしながら言ってきた。

「忍者でもつみたてNISAに興味を持つことってあるんだ」と呆れていると、忍者は眉間にしわを寄せて威厳を作りながら、 

「人生百年……今日の常識が明日通じなくなってしまう激動の時代、忍者の生活もライフシフトというわけでござる。いざというときに泣きを見ないためにも、拙者もつ

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小説 神様がやってきて

 神様がやってきて、

「きみの人生はひどいもんだったから、もうちょっとましにしてあげるよ」と言って、わたしにいい靴を買ってくれた。

「ありがとうございます」

「お礼を言われるほどのことじゃないさ」

 神様は帰った。わたしはその靴を履いてしばらく歩いたのだけれども、サイズが合っていなかったのか、指に豆ができてしまった。

 仕方がないので靴は捨ててしまった。サイズの合わない靴を持っていても仕

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小説 一緒に住んでるデスクラブ(殺人カニ)

 一緒に住んでるデスクラブ(殺人カニ)がフランス料理の店に行きたいと言いだした。

 わたしが渋い顔をしていると、

「カニがフランス料理を堪能してはいけないというのかい? 『おまえはデスクラブだからみんなをハサミで八つ裂きにするに決まってる』とでも言いたいのかい? おれのハサミは悲しみを生むためだけに付いているのかい?」

「きみのハサミが悲しみを生むためだけに付いているかどうかは、これからの振

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小説 友達がタイムマシンを作ったので

 友達がタイムマシンを作ったので無理を言って一緒に乗せてもらったのはいいものの、壊れて現代へ戻れなくなってしまった。

「恐竜みたいなのがいるぜ。なにザウルスだろ」

「まあなんとか直してみるよ」

 友達は一生懸命タイムマシンを修理しようとしていたが、元いた時代にしかない材料が手に入らなくて困っているらしい。 

 毎日レンチとスパナを片手にタイムマシンを修理する友達を見ながら、おれはドラえもん

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小説 事故物件に住んでる同僚

 同僚の住んでる家が事故物件だというので見にいった。

「ほら、このカーペット、ここだけ色違ってんだよ。絶対怪しいよ。ここで誰かが亡くなったのに違いないよ」と真面目な顔で怯える同僚。

 不憫だなあ、と思っていると、どこからともなくひゅーどろどろという音がしたかと思うと、クローゼットががたんと開いて、 

「こんにちは、お化けです」とお化けがでてきた。

「ほら出た!」と同僚。怯えて部屋の隅に飛び

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小説 恋人のコピーロボット

 恋人に振られたショックでなにも手につかない。ごはんを食べる気にもなれなくて毎日泣き暮らしていると、元恋人によく似た人がやってきて、

「こんにちは、あなたの恋人のコピーロボットです」という。

「わかんないわかんない。なに?」

「以下伝言です。『あなたはきっとわたしがいないとだめになってしまうだろうけれども、それはそれとしてわたしがあなたの世話をするのはもううんざりなので、代わりにコピーロボッ

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小説 忘れるなんてことあるのかな

 友達は蝶の幼虫だったので、成虫になるためには蛹にならなくてはいけないらしかった。

「でも問題があってさ」と友達。

「いったん蛹になるとさ、体中全部溶けちゃうんだって。その時わたしの脳も溶けちゃって、覚えてることをみんな、忘れちゃうんじゃないかって」

 友達は心配そうな顔をするのだ。 

 授業中、保健室に行くために教室を抜け出して、誰もいない体育館を覗いたときみたいな、そんなさみしい感情が

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