書いたはいいもののオチが弱いなとか途中まで書いて飽きちゃったなとか書きかけの日記とかを載せます。 あんまり更新がなくても怒らない人向け。
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後谷戸
短編ぐらいの小説です
小説じゃない文章
夏休み最後の一週間を繰り返し、そこから出ようともがく女の子の話です
両親が亡くなったせいか最近ちょっと危ういなと思っている友達をごはんに誘うと、 「もう生きてる理由とかあんまりなくなっちゃったんだよね」とのこと。こりゃ危うい、と思ったので「キビナゴでも食べなさい、酢味噌で」とキビナゴを注文。それからからあげも注文。 「マヨネーズで食べなさい」 「マヨネーズで?」 疑心暗鬼に陥る友達のからあげにマヨネーズの入った小皿を押しやってやる。 「からあげは『死』から一番遠い食べ物って気がしてるんだ」 「なんの話だ?」 「油っこいもん
2024/04/29 昨日は疲れて小説が書けなかったのででかい本屋に行くことにした。三時間は書けない。三時間も書いてしまうと疲れて次の日もうなにも書けなくなってしまうので、ニ時間に抑えておこうかなという反省を得た。 それはそれとしてでかい本屋。毎回でかい本屋に行きたくなったら池袋のジュンク堂に行っていたので、今日は別なところに行こうかなということで東京駅の丸善に行くことにする。 によると二位らしい。ちょっと前にもっと無尽蔵にでかい本屋があるんじゃないかと思ったけれども池
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両親が亡くなったせいか最近ちょっと危ういな、と思っている友達をご飯に誘うと、 「もう生きてる理由とかあんまりなくなっちゃったんだよね~この世」と言うので、「こりゃ危うい!」ということで「まあまあキビナゴを食べなさい。酢味噌で」とキビナゴを食べさせる。 「親死ぬと、別にもう生きてなくてもいいな~っていう気がしてこない? 独り身だし」 「うっ。すごく直接的には答えづらい質問なので、なんというか、ごまかしてもいい?」 「いいよ」 「助かるわ~。じゃ唐揚げも食べなさい。マ
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暖かい日が続いて、庭に作っている巨大な雪だるまが溶けてきたなあ、と見ていると、暮れ以来姿を見なかった恋人が雪だるまの中からでてきたではないか。 「そういえば暮れにかっとなって雪だるまの中に閉じこめてしまったのだけれども、そのことをすっかり忘れていたわ」 そろそろ許してあげてもいいだろうということで雪だるまを解体しようとすると、恋人はわたしを白い目で見てきて、 「ひと冬の間、この冷たい雪だるまの中で過ごさせるとは、なかなかやってくれるね」とかなりのご立腹だ。 この
ぜひご覧ください!
ゾンビになりつつある友達が、「もう限界だからきみもゾンビになっちまったほうがいいよ」と言う。もうすぐバリケードが破られて、ゾンビが押し寄せてくるかもしれない、ということを踏まえているのだ。 「今ならぼくは優しく噛んでやれるぜ」 「噛まれるのに優しくも強くもないもんさ」 「あるよ」と友達。 「ゾンビだってやっぱり、優しく噛んでやりたいもんさ」 ある日ゾンビがやってきて、あっという間に囲まれてしまったのだ。逃げ出す暇もないままショッピングモールに追い詰められた。食
ゴールデンウィークが終わってしまったことを悲しんでいると、「ゴールデンウィークを伸ばせる能力の人」がやってきて、 「わたしにご依頼いただければ、ゴールデンウィークを伸ばせますよ」と言ってくる。 「どれくらいですか?」と尋ねると、その人はにっこりと笑って「いつまでも」と言った。 五月の太陽は幻のようだ。夏のように赫灼と照りつけるのではなく、春のように穏やかでもない。春の霞の中に消え入りそうな陽の下で、その人はうっすらとした笑みを浮かべている。 「でも、いつまでも伸
ゴールデンウィークなのでどこかへ連れてってほしいと息子が言うけれども、 「いいかい息子よ。ゴールデンウィークはみんなが蝉の羽化するみたいに外へ出てきてどこも混雑しているのだ。家にいるか、近所をうろうろするのが一番だよ」 「うちぐらいだよどこにも行かないの。ばかにされちゃうよ友達から」 「うっ」 それで仕方ないので息子を行楽に連れて行くことにする。お母さんは今日は大学時代の友達と一緒にカラオケに行っているのでわたしがなんとかするしかないのだ。 「じゃ、近所の丘の
わたしがファンをしている漫画家の先生が最近あんまり活動していなくて、なにかあったんだろうかと心配して会いに行くと(友達なので家を知ってるのだ)、 「もう漫画描くの辞めようかなって思ってるんだ」と深刻そうな顔をして言う先生。 誰よりもご自身の漫画を愛していらっしゃるはずの先生がそんなことを言い出すなんてよっぽどのことがあったのに違いない。なんて声をかけたらいいのかわからず途方に暮れる。 「なにかあったんですか、わたしで力になれるのでしたら」と聞くと、先生は話しづらそ
よろしくお願いします!
世界征服に失敗した魔王が落ちこんでいるので慰めにいくと、 「もうだめです。魔王は(※一人称)なにも成しとげることができなかったので死にます。亡骸は東京湾に散骨してください。あと死ぬ前に牛丼が食べたいので奢ってください」と言ってくる。 「魔王が死んだら悲しいよ! 死なないで」と言うけれども牛丼を食べたそうにしていたので、なんとか元気を出してほしいと奢ってあげることに。 道を歩きながら、 「結局さあ、世界征服ってどのくらいできたの?」と尋ねると、 「あと一歩だったん
なにをしているんだかわからないけれどもよく日の高いうちからビールを飲んでいる隣に住んでいるお兄さんとたまに出かけてそのへんを歩いて帰ってくることがある。 わたしは最近進路に悩んでいるので一つその悩みを聞いてもらおうかなと思ってお兄さんを誘うと、 「進路か。ぼくはあんまり悩まずに決めちゃったせいで今人生に悩んでいるよ。きみはたっぷり悩むといいよ」とお兄さん。 「アドバイスを下さい」 「ぼくでよかったら。そこのコンビニでお茶を買ってもいいかい」 コンビニでお茶を買