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シニア女性で、働いています。今までやりたい事を夢中になってやって来たので満足し、色んな…

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シニア女性で、働いています。今までやりたい事を夢中になってやって来たので満足し、色んな事から卒業しました。読む、書く、走るが今のルーティンです。シンプルに静かに暮らし、文字にしたい何かがあった時に発信して行こうと思います。2022年の夏に、スキンヘッドにしました。

最近の記事

久しぶりの「マディソン郡の橋」に泣いた

言わずと知れた、中高年の不倫の映画である。たった4日間で恋に落ちて、別れていく男女の話だ。「ヤリ逃げ」「ヤリモク」という言葉を敢えて使うなら、フランチェスカはやり逃げされてしまった主婦なのだけど、そんな下品な言葉では到底表現仕切れない、人が生涯で味わうには稀有で濃い鮮やかな時間が描かれている。 古い慣習の残る片田舎の、息苦しく退屈な生活をフランチェスカは捨てられなかった。ロバートがルームミラーに掛けたペンダントを見、ドアミラーに手を掛け逡巡したが、彼女はロバートの元へ駆け寄

    • 分かり易い悪人より、目立たぬ悪人が嫌い

      何処の職場にも、嫌な人間の何人かは居るものだ。これまでも本当に分かり易い意地悪をする、誰もが「要注意」と認識する嫌な人に遭って来た。だがそういう人はマシなのだ。嫌がらせが派手過ぎて、周りから疎まれているし、そう言う人にはこちらも警戒を解く事は無いからだ。 一見気配りが利いていて、程良く冗談も飛ばす、仕事もソツなくこなしているように見える人が実は嫌な人間だったりするから、人間は難しい。殊にそれが異性で、社歴もそちらが長いとなれば、自分自身が仕事が分かってきた時に、目立たない意

      • いくらでも走れる

        自宅手前の長い坂で喘いでいた。風はあるとは言え、ジリジリ照りつける正午の陽射し、4時間超のランニングの終盤は、さすがに足が重い。 今日も海を目指した。ここの所のお気に入りのコースだ。揺れる萩、風に煽られ白い裏側の葉を見せるヨモギ、山の斜面から伸び放題伸びて、アスファルトを覆い尽くす勢いの葛のツル、名も知らぬ雑草たち。更に進めば海へ向かう広い道、左手はツンツンと行儀良く並ぶ刈り取り間際の麦の穂、右手は光る水面が広がる田に整然と小さな苗たち。 ようやく海沿いの道へ飛び出すと、

        • 夏に恋する女たち

          音楽を殆ど聴かなくなった私だけれど、記憶の引き出しのいつでも取り出せる場所にある曲がある。大貫妙子さんの、夏に恋する女たち。 すごく、すごーくすごーく昔のドラマの主題歌で、ドラマの筋も忘れてしまったのだが、田村正和が主演の、夏の夜の短い期間放送されていたお洒落な感じのドラマだった気がする。 何しろ40年近く前のドラマであり、歌なのだ。それが、つい今しがた聴いたばかりの歌の様に、新鮮でいつでも記憶の底から立ち昇ってくるのが不思議だし、きっとそれだけすごく気に入っているのだと

        久しぶりの「マディソン郡の橋」に泣いた

          太平洋自転車道ランニング

          海見て走る、決めていた今日、朝の腹具合も整ったので走り出す。いつものホームコースを左に折れれば、やがて海に突き当たる、その県道をひたすら黙々と南下する。国道も渡り、見えてくる筈の防潮堤に突き進もうとすると、間際で鉄柵で囲われたソーラーパネル群に阻まれた。目の前の藪を強引に登れば防潮堤だが、少しの踏み跡も見当たらず、少し迂回してから自転車道に降り立った。 海はゴーー、ドーーと轟いていて、緑灰色の波打ち際から淡い緑、深い青へと変化しながら、うねり、白い波濤を幾度も運んで来る。ボ

          太平洋自転車道ランニング

          雨だから傘の話でも書こうか。傘、毎日の必需品では無いけれど、ちゃんとした傘の他に、「置き傘」「折り畳み傘」「携帯ビニール傘」などある様に、一人数本持つイメージがある。ただ「傘なんて差さない」って人も少数居る。理由は「どうせ濡れるし、それで構わないから」だそうだ。 さてこれまでの人生で何本の傘を手にし、また失くして来ただろう。高価なブランド物の傘は大抵、大して使わないうちに置き忘れるか盗まれてしまった。代わりにどうでも良い安物の傘は台風にでも遭わない限り、しぶとく丈夫で、その

          似ていて非なるもの

          川釣りをする職場のオジサンと話していて、以前から気になっていた事を思い出した。イワナ、ヤマメ、アマゴの違い。調べてみて今の所、腑に落ちた。斑点や朱点、生息域も少し違う事。サクラマスやサツキマスなんかは、全く別の魚だと思っていたが、海は帰るヤマメやアマゴが名前が変わるという事。釣りをやる訳でも、川魚が特に好きな訳でも無いが、こういう「似たもの同士」の違いは知っておきたい。 次。チーター、ヒョウ、ジャガー、ピューマ。ピューマだけ茶色一色なので見分けは簡単。それから俊足のチーター

          似ていて非なるもの

          この先、どんな社会を望むか

          失言知事が退職、慌ただしい選挙戦が始まった。大きく票を集めるだろう2名の他は、いつも出て来る共産党、聞いた事の無い政党、よく知らない方々が名乗りを上げた。 分かり易い論点の、「球場の規模」「リニア事業」で投票を誰にするかを考える人は多かろう。昨今の世相である嫌自民の雰囲気が、自民以外の候補者へ票を投じる動きに繋がる事も予想出来る。 さりとて個人の高潔な考えだけで政を執り行うのは、理想であっても現実的ではない。多くの人を動かす、組織に政治目標を浸透させ大きな力を生み出すのは

          この先、どんな社会を望むか

          緑の中、走る

          朝の雑事を済ませて、日課のランニングに出る。気候が良くなって陽射しが強くても、空気が乾いているのと、思いの外冷たい風が吹いているので、とても走り易い。年がら年中走っているけれど、春から夏へと向かうこの時季がこんなに好きだっけ、と自分でも意外な程走る事を楽しんでいる。 茶刈真っ最中の畑から、ひとしきり済んだ場所。柔らかい緑はいつしか落ち着いたトーンになりつつある。里山を縫うアスファルトの林道を進んで行くと、樹間から甘い香りが漂って来た。無人販売所に長ネギが売れ残っている。

          緑の中、走る

          無音が好きになった

          身の回りの物を片付けていた時、何枚かあるCDも当然処分した。買い取り店へ持って行き、中でも好きだったアーティストのアルバムは全て持っていたので、思いの外高く買い取ってくれた。今は車の中でも無音で過ごしている。ずっと音に耳を委ねて来たので、最初は味気ない様な、何かが足りないような気がしていた。だがそれも「無音」が当たり前になると慣れて、心地良い落ち着く空間になった。なので、人の車に乗る時、走り出すと同時にかなり大きい音の音楽が流されて、正直「うるさいなぁ」と思うのだ。乗せて貰っ

          無音が好きになった

          情報過剰社会

          今日もホームコースの一つをランニングした。曇りがちだけれど、青田を渡る風が気持ち良い季節で、走る距離も自然と伸びるというものだ。車の往来のある道の側道を進んでいると、前方に「良くない雰囲気」の若者ら数人が、地べたにだらしなく座っているのが見えた。そのまま進めば彼等は当然邪魔な存在で、でもいちいち争うのが面倒な私は、車道にはみ出るつもりで暫くそのまま走った。 いかにも、な連中である。中の1人がハッキリとこちらを睨め付けているのが視界にさっきから入っている。それはそうだろう。私

          情報過剰社会

          初夏のランニング

          遅い時間に崩れるとの予報通り、薄暗い空の下、走り出した。茶刈機の音。刈り取られた所とこれからの所の、茶畑の緑のトーンの違いを面白く眺めながら進む。木の芽の匂い。むせ返るような揮発性の植物の香りが、大気に充満している。緑にこれだけ勢いがあると、怖さすら感じる。実際に、人工物の亀裂や僅かな隙間を縫って、植物は顔を覗かせている。人の気配が無くなれば、地球は瞬く間に緑のジャングルになるのだろう。そうなったらなったで小気味良い。人の力など、所詮自然には叶うわけが無いのだ。 私と同じく

          初夏のランニング

          英語の学び

          英語を聞き取るのって、本当難しい。聞き取りが困難だから、正確な発音も難しい。単語単体で言うのと、文節の中に同じ単語がある場合とでは、音が異なる。隣り合った単語や前置詞によって、聞こえなくなる音や、変わる音がある。 その点、日本語は表記=読み、だから、単純でわかりやすい。平仮名、カタカナ、漢字、ローマ字といった表記の種類の多さや、敬語の使い分けなどの難しさはあるが、単語を並べただけで助詞や主語すら省いても、意味は通じる。 英語はアルファベットの数こそ少ないが、発音に関しては

          英語の学び

          雨の中を走る

          今、日課のランニングは、晴れの日だけと決めている。が、振り返ればエントリーした大会なら雨天でも走っていたし、ジャーニーランの長丁場では雨に何度も遭って来た。 夏に雨は多い。それも雷混じりの滝の様な雨の時もある。そんな時、流石にロードレースは開催されないが、仲間での走り旅や個人ジャーニーランの場合、決めた宿や駅に向かうしかないので、風に煽られ車から盛大に水をぶっかけられ、進む。ワイパーが効かない様な大雨の中、道の脇をバシャバシャ走る様は、もうランナーと言うより「気の毒な人」と

          雨の中を走る

          職場で泣く人

          そう言えば泣いてないなぁずっと、私。正しくは映画やドラマのちょっとした場面に涙する事はあるから、感涙ならある。今日、職場で泣く人を見た。余りつまびらかにしたくないが、簡単に言えばミスをした人が周りに慰められるうち、つい泣いてしまったという按配だ。 泣いた本人も周りを囲むのも、こういう時は女性陣だ。涙も欠伸も生理現象とするならば、止めようもないので仕方ないが、私自身は少々冷ややかな目で見てしまう。ミスして悔しい、慰められてホッとして出る涙。不甲斐ない自分への悔しさ、思わぬ優し

          職場で泣く人

          スーパーマーケット

          買い物はスーパーを利用する。人口数万の地方の町でもスーパーは乱立していて、数キロ圏内にいくつかある。そこへスーパーと薬局の垣根の無くなったドラストも次々出来るので、競争は激化している。但し、人気店とそうでない所の差は大きい。オープンから閉店まで駐車場が埋まっている店もあれば、日曜の昼間に数台しか停まっていない所もある。 全国展開のグループ企業傘下のスーパーが、実は好きではない。安い、PBも充実しているそこは、徹底したコストカットが見て取れる。開店から数時間のレジは基本1人で

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