精神科医益田裕介のブログ

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    自己紹介 https://hallowed-punishment-02a.notion.site/YouTube-37d2ccc8bf1e455eb2d74e0c9738c84f コメント欄について https://hallowed-punishment-02a.notion.site/YouTube-e904ec46beac49a49e599187959658aa 【取材対応。テレビや雑誌、Webメディアの人へ】 気軽にご相談して下さい。 toiawase@wasedamental.com 【2ndChです】 https://www.youtube.com/channel/UC9WXfmJQZVItKASe68--PJg

  • 自助会・家族会だより

    毎月1回、自助会・家族会のイベントの様子をスタッフが投稿してくれています。 ぜひ読んでみてください。

最近の記事

精神医学とは何か|精神医学が抱えている問題、構造、考え方

本日は、精神医学とは何か、精神医学が抱えている問題、構造、考え方をざっくりお話します。 うつ病は甘えだ、薬だけじゃ治らない、カウンセリングが大事だ、とよく言われますが、なぜ病気になるのか、どうしたら良いのか、何が今解明されてないのか、そういう話です。 そこを話そうと思うので、今回は「精神医学とは何だ?」という話をします。 精神医学とは何かというと、精神疾患を治すというマイナー科なんです。 医学の中ではマイナー科なんです。 メジャーとマイナーというのがまずあって、メジャー科

    • 発達障害は良くなる? 悪くなる? 精神科医目線で語ります

      本日は「発達障害は年齢を重ねるにつれて良くなりますか? 悪くなりますか?」を解説します。 発達障害の人は年を取ると良くなるよという意見もあれば、いや年を取るからこそ悪くなるよという人もいるんです。これはどういうことか、ということですけど、これをわかりやすく説明します。 ◾️年齢によって求められることが変わっていく横軸が時間の流れ。社会的に求められるレベルというのを縦軸にします。 黒が求められるレベルです。 年齢を重ねることで求められることが増えるんです。 赤ん坊の頃は

      • ワーカホリックについて|なりやすい人、幸せとは?

        本日は「ワーカホリック」について解説をします。 ワーカホリック、問題ですよね。 仕事に熱中しすぎて自分を傷つけたり、自分の家族を犠牲にしたり。 仕事を優先するあまり、家族のケアを怠ったり、家族にストレスをぶつけてしまったり。 あとはパワハラのようになってしまう。 仕事を一生懸命にするがあまりパワハラに発展してしまう、ブラック企業のようになってしまう。 社長が仕事が大好きすぎて会社をブラック企業のようにしてしまう、休ませてくれないようになってしまう、そういう雰囲気になってしま

        • 精神科医は疲れませんか? 益田は疲れている? どうやって疲れを乗り越えているのか?

          本日は「精神科医は疲れませんか?」という質問にお答えします。 益田の疲れですね。 光の当たり方が良くなかったりして、よく動画で益田先生疲れてるでしょう、と言われるんですけど、そうと言えばそうだし、そうじゃなかったりもします。 この話をしようかなと思います。 ◾️僕はどんな働き方をしているのか僕はどんな働き方をしているのかということですよね。 だいたいこんな感じです。 規則正しく生活して、だいたい7時半ぐらいに起きて、家のことをやったりして、だいたいクリニックに着くの

        精神医学とは何か|精神医学が抱えている問題、構造、考え方

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          中流から下流への恐怖 精神科医目線で語ります

          本日は「中流から下流への恐怖」というテーマでお話ししようかなと思います。 最近、臨床で結構多いんですよ。「どんどん給料が減っている、だから不安だ」「自分の親たちは稼げてたけど自分は稼げてない」「自分の親の代はこうだったのに自分はこれしか稼げてない」とかね。 結構最近増えたなと思います。貧乏というか、お金がないよということが。それが怖いんですという言い方をする。 僕がそこに注目し始めたからかもしれないですけど、やっぱり何か起きているなと思いますね。 景気がコロナの時は何

          中流から下流への恐怖 精神科医目線で語ります

          上手くいかない時のリフレーミング術 主観2.0

          本日は「リフレーミング」についてお話しします。 リフレーミングはわかりますか?別の視点から物事を見ると、ネガティブなものもポジティブに見えるというやつです。 よく例えがあるんですけど、コップの中に水がありますよ、と。これを多いと思うのか少ないと思うのかはあなた次第ですよ、というやつです。 この量のコップの水を少ないと思うんじゃなくて、これしかないと思うのではなくて、こんなにもあると思った方が生きやすいですよ、というのが典型的なリフレーミングの説明となります。 リフレー

          上手くいかない時のリフレーミング術 主観2.0

          ADHD/ASDの長所|精神科医目線で語ります

          本日は、雑談っぽいと言えば雑談っぽいんですけど、ADHD/ASDの長所を語ってみます。 発達障害におけるADHDの人の持っている長所とは何なのか、ということを皆さんと話してみたいなと思います。 ◾️ADHD/ASDの特徴ADHDの特徴は何かというと、多動、衝動性、不注意というこの3つなんです。 同じ発達障害でもASDというのがあって、自閉スペクトラム症ということですけど、しばしば合併することが多いのですが、ASDの特徴は、こだわりが強い、感覚過敏がある、他人の視点に立て

          ADHD/ASDの長所|精神科医目線で語ります

          第5回自助会だより

          ・オンライン自助会に参加した変化 ①心が軽くなりましたか? ②メタ認知は身につきましたか? ③脳や精神医学、カウンセリングの考え方などは身につきましたか? ④孤独感は減りましたか? ※自助会メンバーの了承を得て公開しております。 ・自助会2周年記念ライブオンライン自助会歴1年3ヶ月のFさんとの対談 Sさんとの対談 Mさんとの対談 ぜひYouTubeからご覧ください。 ・メンバー質問に運営スタッフが答えるコーナー Q1. 最近、私含めて少しずつ自助会メンバ

          SNS断ち – 依存によって起きる弊害 精神科医目線で語ります

          本日は「SNS断ち」というテーマでお話しします。 質問をいただいているので、早速答えていこうかなと思います。 ■SNSをやめたくてもやめられない人たちこういう人いません?ということですけれども、結構います。 具体的にはそれだけを主訴に来ることは少ないですが、例えば転職準備や片付け、やらなければいけないことがあるのにできない人、片付け、あとは学校の課題など、やめられない人というのがいますし。 あとはひきこもりの人たち、不登校の子たちも多いです。 SNSをやめたくてもやめら

          SNS断ち – 依存によって起きる弊害 精神科医目線で語ります

          医師の実力差問題 未熟な医師について

          本日は「医師の実力差問題、未熟な医師について」というテーマでお話しします。 一応、医者側は実力差がない、専門医を取った後は僕らは実力差がないと言いますし、もし若手がいた場合は上のドクターがフォローしているということをよく言います。 医者によって治療成績が変わらないんですよ、という言い方をしますが、半分本当だし、ちょっとだけ嘘の部分もあります。 それは皆さん気付いてる通りありますね、実力差は。 ただ医学は皆さんが考えているほど進んでいないんです。 個人の実力差が出るほど

          医師の実力差問題 未熟な医師について

          欠点がある人を信用できるか? 精神科医目線で語ります 

          本日は「欠点がある人を信用できるか」というテーマでお話しします。 診察で患者さんと喋っているときに、 「でも欠点がない人だけ信用してるんだから難しいでしょう? 友だちはまた違うじゃない?」 そういう話をしていたんです。 「クレヨンしんちゃんとかあるじゃない? みんな欠点あるけど仲良くしてるでしょ?」と言ったんです。 そうしたら患者さんがポカンとして、 「クレヨンしんちゃんって何ですか?」という感じで、「名前は知ってるけど見たことないんですよね」と言ってドキッとしたんです。

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          AIに心はあるのか? 精神科医目線で語ります

          本日は、AIに心はあるのか、神様や自然、動物に心はあるのか、というテーマでお話しします。雑談をしたいなと思います。 ◾️心とは何なのか心とは何なのかと考えていくと、いよいよわからなくなっていくので。 相手の立場で考えられるのか/考えられないのか、発達障害の議論、心の理論があるのか/ないのか。リョーハムさんと、僕らは僕らで発達障害同士は共感し合ってるんですよ、と言うんです。 でも定型の人たちが使う共感と、あるあるを共有することはちょっと違うんです、と言ったりするんですよ。

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          不安障害・愛着障害の人とASDのカップル

          本日はカップルの話をします。精神科でよく見るカップルです。 不安障害や愛着障害、複雑性PTSD、トラウマを抱えていたり、境界性パーソナリティ障害の人たち、それと発達障害、いわゆるASDの人のカップルです。 このカップルはよくくっつくんですけど、当然のごとくトラブルも多いんです。 それで精神科へ来ることが多いんですけど、これは何なのか?ということをお話しします。 「何なのか?」というと、すごく差別的な言い方に聞こえるかもしれないですけど、そういうわけじゃないですよ。

          不安障害・愛着障害の人とASDのカップル

          心の病気にならない10の技法 精神科医目線で語ります

          今日は「心の病気にならない10の技法」というテーマで、うつ病にならないためのテクニックをお話しします。 この2枚のホワイトボードは僕の診察室に置いてあるホワイトボードで、おおよそ患者さんの悩みや精神療法をしていく上で重要なこと、図解で説明することはこの2つに載っているんです。 もし患者さんと話している中で「これ説明しなければいけないな」と思って足りなかった場合は足しています。 足したり引いたりしながら、今僕が説明していく中で必要なエッセンス、いわゆる一軍的な概念はここに

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          社会問題とメンタルヘルス

          本日は「社会問題とメンタルヘルス」というテーマで、今どんな問題が臨床では増えているのか、どういう社会問題が背景にあるからこういうことが臨床で増えているのか、ということをお話しします。 ◾️生物×心理×社会モデル難しい言葉を使うと、「生物×心理×社会モデル」と言うんですけど、精神疾患というのはもともと持っている遺伝子、生物学的な問題から病気になるわけじゃないよ、ということですね。 本人の心理的な問題や心理葛藤もあるだろうし、そもそも背景にある社会的な問題、家族の問題、会社の

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          自分自身の不調に気付く方法

          本日は、自分自身の不調に気付く方法、というテーマでお話しします。 なかなか自分が今調子が良いのか悪いのかよくわからない人が多いみたいですね。 精神科の患者さんは結構多いです。 今は通院する状況ですか? 今の私どうなんでしょうか? という質問もコメント欄で来ます。 色々な方法があるんですけど、益田流にここをこういう形で押さえたらいいよ、ということをお話ししようと思います。 ◾️セルフモニタリング能力まず自分自身の不調に気付くというのは、セルフモニタリング能力と呼んだりしま

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