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数学は中2の解の公式ですべてを見失って以来、理数系をさけて文系一筋。それが印刷会社に就…

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数学は中2の解の公式ですべてを見失って以来、理数系をさけて文系一筋。それが印刷会社に就職して以来、気づけば約20数年理系バリバリのカラーマネジメントの携わってきました。今は、プリンターメーカーに移籍しメーカーとしてカラーマネジメントに関わっています。

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Japan Color その3 印刷標準化実装

標準化のための規格化 ここからはJapac Colorがどのように色を定義し、実装ているのかを見ていきます。 標準化を行うために、製品の規格を取り決める必要があります。規格とは、製品の寸法や形状、材質などの標準を決め、「取り決め」を文章化したもので、その「取り決め」は間違いなく判定するために、数値化されていることが望まれます。 例えば、用紙サイズの規格はA3やA4など縦横の長さが数値定義されており、製品の仕様が規格値によって明確化されています。 その規格値は、定義可能

    • Japan Color その2 誕生から普及までの流れ

      日本の標準印刷色Japan Color誕生 1995年に日本の代表的な印刷機器、インキ・用紙を資用いてオフセット印刷した場合、どのような色が再現されているかを、ISO/TC130国内委員会によりとりまとめられました。 この時点での日本の印刷業においての一般的な色再現自体が、まずは把握されました。 もともとISO12647-2という、オフセット印刷の世界的標準化 を規定したものがありました。しかし印刷の色再現はインキと用紙に大きな影響を受けますが、これは各国で使用される銘

      • Japan Color その1 制定までの背景

        プロローグ 今回から数回に渡り、グラフィックアーツに関わる方でしたら聞いたことがあるであろう Japan Color についてご説明します。 デザイン・企画など印刷物制作上流工程の方々だと、CMYKプロファイルの1種であり、日本のオフセット印刷の色域を網羅したもであるという理解だと思います。 その理解で間違いはありませんが、どのような背景で制定され、どんなポイントで印刷現場では管理されているのかを、わかりやすく解説で来たらと思いすのでお付き合い下さい。 印刷業の色

        • Pantone Color of the Year2022とマトリックス レザレクションズ

          今年もあと1週間、いよいよ年の瀬ですね。大掃除に年賀状にM1に、、そう、Pantone Color of the Yearの季節になりました。 12月16日にPantone Color of the Year 2022が発表されました。 昨年2021はUltimate Gray(グレー)とIlluminating(明るい黄色)と初めての2色同時選出となり、実用的でありながら暖かみがある楽観的な印象を作り出し、不屈の精神に支えられたポジティブなメッセージが表現されました。

        Japan Color その3 印刷標準化実装

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          デバイスリンクプロファイル カラマネ純色伝

          さあ、基礎編は終わりましたが、カラーマネジメントの話は尽きません。このまま続けます。ここまでカラーマネジメントのメリットを中心に話をすすめてきました。しかしすべてにおいて完璧なシステムはありません。 もちろんカラーマネジメントにも問題点はあります。 今回は、どのような問題があるのか、またそれをカバーするデバイスリンクプロファイルをご説明したいと思います。 カラーマネジメントでは、ソースからPCSを媒介して、ディスティネーションへ色変換が行われます。 ソース・ディ

          デバイスリンクプロファイル カラマネ純色伝

          カラーマネジメントを俯瞰してみる 必ず入口と出口がある

          今回でこの連載のカラーマネジメントのお話は、12本となりました。ここまでで基礎は大方ご説明出来たと思います。 しかし部分の説明だけでは、全体が見えず、実ワークフローの中でどのようにカラーマネジメントが動いているのか、分かりにくかったと思います。 今回は、なるべくシンプルなユースケースで、カラーマネジメントの実際の動きを確認してみたいと思います。 ユースケース カメラマンが撮影を行い、Phothoshopでレタッチ、それをプリントショップに持ち込みポスターとして印

          カラーマネジメントを俯瞰してみる 必ず入口と出口がある

          ベストカラーソング iMacキャンディーカラーの衝撃

          少し前の話になりますが、今年の5月に新型iMacが発売され、カラーラインナップが全7色となりました。 今回話題にしたいiMacは、今年発表のモデルではなく、1999年に発売され、これまた多色展開された2代目iMacです。 時は20世紀に遡ります。1998年、スティーブジョブズの復帰の「のろし」を上げる、革命的なiMacが発売されました。 なにより、その色とデザインが革命的でした。グレーやベージュが当たり前だったパソコンを、ボンダイブルーのスケルトンボディーという、他の分

          ベストカラーソング iMacキャンディーカラーの衝撃

          Adobe CC カラー設定 後編 GAFAではなくGAFAAでも

          Adobeカラー設定の右半分のお話に戻ります。CM開けということで、この音からです。 変換オプションに入ります。 変換方法:カラーマッチングモジュール(CMM)を選択できます。インストールされるOSごとに選択出来るCMMは違いますが、Adobe(ACE)はどちらのOSでも選択できます。下記は、Window10にインストールされたPhotoshpでの表示なので、Microsoft ICMが選択出来ます。 CMMに関しては、下記ページを参照してください。 マッチング方法:

          Adobe CC カラー設定 後編 GAFAではなくGAFAAでも

          Adobe CC カラー設定 前編 火曜サスペンスのような中断

          今回はカラーマネジメントの中でも、デザイナーやフォトグラファーのみなさんにとって一番身近であろう、Adobe CCのカラー設定についてお話をします。 カラーマネジメントは、プロファイルで各デバイスのガモットを定義、色の変換を行いながらワークフロー内でなるべく同じ色の見た目の色を維持している、とご説明してきました。 デザイナーやフォトグラファーのみなさんが、PhotoshopやIllustratorで画像やイラストを開いたり編集したり保存したりする際も、カラーマネジメントは

          Adobe CC カラー設定 前編 火曜サスペンスのような中断

          錬金術とグラフィックアーツ発展の関係 ドラクエのような世界

          私のカラーマネジメント人生の中にも、大きな影響を受けた本がいくつかあります。その中でも、印刷業界向けに色彩学を解説した、 印刷のための色彩学/一見 敏男著/日本印刷新聞社 は、発行が2003/2/1と古くとも、そこに解説されている色彩理論は、今も色褪せることなく知識や洞察を与えてくれます。 色彩論以外でも、色彩の歴史物語を楽しむことが出来ます。 その中でも、錬金術がグラフィックアーツ業界に与えた影響が興味深いので、今日はそれについて書いていこうと思います。 現在、私

          錬金術とグラフィックアーツ発展の関係 ドラクエのような世界

          盲点で説明する目の構造:話の盲点は言い訳にはならない

          話の盲点だったね、なんていう表現をよく使いませんか? いったいこの盲点とは何なんでしょうか? 今回はこの盲点のお話をしたいと思います。 「盲」という漢字の原意は 1.目が見えないこと。その人。2.文字が読めない人。です。 目が捉えられなかった点とう意味として、言葉としては通用してしまいます。しかしこれは、「盲点」という本当の視覚現象があり、それを例えた表現なのです。 まず盲点を実際に体験してもらいましょう。下の図を見てください。 左目を閉じ、十字のマークを右目だけで

          盲点で説明する目の構造:話の盲点は言い訳にはならない

          レンダリングインテントによる柔軟性:人間の意図と意志の力

          カラーマネジメントのお話まだまだ続きます。 今回は「レンダリングインテント」をご説明します。 これは、Photoshopのプロファイルを使った色変換である、プロファイル変換ダイアログでは、「マッチング方法」として実装さています。 私はこの連載でカラーマネジメントを下記のように説明してきました。 カラーマネジメント:ヒトの色の見た目を、数値で指定・伝達可能とし、それぞのデバイスの状態を安定させ、出力可能な色の中でなるべく指定に近い色を、安定的に出し続けるようにするための仕

          レンダリングインテントによる柔軟性:人間の意図と意志の力

          「当たり前な」カラーマッチングモジュール:CMM 靴ベラとほどに

          カラーマネジメントのお話を続けます。 まだまだ用語、沢山ありますね〜。一歩ずつ進みます。 今回は新たな用語カラーマッチングモジュール:CMMについて書いていきたいと思います。 カラーマネジメントの色の伝達は、各デバイスごとにプロファイルが作成されます。 それぞれのプロファイルには、デバイス値とプロファイルコネクションスペース(PCS)値の紐付けが格納されます。 この紐付けから、それぞれのデバイスは、色の見た目を変更することなく、デバイス値を伝達することができます。

          「当たり前な」カラーマッチングモジュール:CMM 靴ベラとほどに

          ガモット・ギャモットどっち?ピザ・ピッツァは?

          今回もカラーマネジメントのお話です。 前回ユーザーが実際にワークフロー内で各アプケーションやデバイスを、どのように操作するかお見せしたいと書きました。 しかし、お話を進めていく内に、その前にまだまだ説明すべき用語や考え方があることに気付きます。 前準備をきちんとして、最後しっかりそれぞれがみなさんの頭の中でつながれば良いと思います。 素材を丁寧にカットし、強い火力で一気に炒めるのです。 今日準備する素材は、「色空間」のご説明です。 プロファイルを説明する中で、「C

          ガモット・ギャモットどっち?ピザ・ピッツァは?

          色のメタメリズムの仕組み 恋のメタメリズムとは?

          今回は環境によって色の見え方が同じだったり、違ってたり見えてしまう現象をご説明します。 色を職業でて扱っている人以外は、あまり経験がないかもしれませんが、お店の中で色がマッチして見えていたので、お揃いで揃えたバックと靴などが、お店の外で色を比べると違って見えたって経験はありませんか? この現象は、条件等色:メタメリズムと呼ばれます。 環境によってと書きましたが、その一番代表的な原因が光源(照明)によるものです。色の見え方を復習してみましょう。 色を感じるためには光源・

          色のメタメリズムの仕組み 恋のメタメリズムとは?

          sRGB/Adobe RGBが必要なカメラの特殊事情。パラダイスシティーは幻想であった。

          前回までご説明した、プロファイルによる色変換をの全体像がまだまだ抽象的だと思います。それは、実際にユーザーがどのように、ワークフロ内で各アプケーションやデバイスを、操作するのをお見せしていないからだと思います。 それでは、早速カメラ撮影からプロファイルの扱いについて説明を開始したいとおもったのですが、、、 どうしてもうまく、話をスタートできませんでした。 思考をめぐらせつつ、なぜ話をスタート出来ないのか、やっと気付くことができました。 というのは、カメラはカラーマネジメ

          sRGB/Adobe RGBが必要なカメラの特殊事情。パラダイスシティーは幻想であった。