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【連載中】河合隼雄「こころの処方箋」を読む

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河合隼雄の「こころの処方箋」を読んでいきます。
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記事一覧

【連載】「こころの処方箋」を読む~14 やりたいことは、まずやってみる

やりたいことがなぜできないのか。河合隼雄はいくつかの場合に分けて書いている。 「~がやっ…

【連載】「こころの処方箋」を読む~13 マジメも休み休み言え

いわば「ユーモア」についての話である。ユーモアを持つには、ユーモアのある表現をするには、…

【連載】「こころの処方箋」を読む~12 100点以外はダメなときがある

人生には「ここぞ」というときがあって、その時に100点を取ることが大切だということ。そして…

【連載】「こころの処方箋」を読む~11 己を殺して他人を殺す

これは、私にとってはぞっとする話である。 ここ数年、私はずいぶんと勝手気ままに生きている…

【連載】「こころの処方箋」を読む~10 イライラは見とおしのなさを示す

自分もずいぶんとイライラしてしまう性格なので、この指摘はしみる。 ここでの「見とおし」と…

【連載】「こころの処方箋」を読む~9 灯台に近づきすぎると難破する

このエッセイでは、「理想」につぶされた男の話が出てくる。現代にもまた、このような男は少な…

【連載】「こころの処方箋」を読む~8 心のなかの自然破壊を防ごう

「心のなかの自然破壊」とは、実に言い得て妙である。 教育とは、開発に近い。自然のままにある心の状態を、開発によって住みよくしていく。 社会というものの中で生きる上で、心はそのままではいられない。「家族」とか、「学校」とか、「友人」とか、いろいろな社会に対して適応するために、心も開発されていかなければならない。というより、開発されていってしまう。 人は社会的な生き物だから、何らかの他者と交流し、心は開発される。その開発の在り方を、なるべく適切に行おうというのが、教育の姿勢

【連載】「こころの処方箋」を読む~7 日本人としての自覚が国際性を高める

自分がどこに根を下ろすのか。それはとても大切な問いである。 幼い頃は、自分の家が、自分の…

【連載】「こころの処方箋」を読む~6 言いはじめたのなら話し合いを続けよう

自分の意見を伝えることの大切さが説かれる時代である。それは河合の時代から続いている。 妻…

【連載】「こころの処方箋」を読む~5 「理解ある親」をもつ子はたまらない

ここで大切なのは、「理解ある親」とかっこ書きになっていることである。 河合はこの文章で、…

【連載】「こころの処方箋」を読む~4 絵に描いた餅は餅より高価なことがある

「絵に描いた餅」という言葉がある。基本的にはこれはネガティブな言葉である。目の前に実在し…

【連載】「こころの処方箋」を読む~3 100%正しい忠告はまず役に立たない

酒飲みに「酒をやめろ」と言うことほど無茶なことはない。 酒を飲みすぎることが自分にとって…

【連載】「こころの処方箋」を読む~2 ふたつよいことさてないものよ 

「ふたつよいことさてないものよ」は、河合隼雄を代表する言葉といってもいいだろう。河合はど…

【新連載】「こころの処方箋」を読む~1 人の心などわかるはずがない

「人の心などわかるはずがない」 これは私の教員人生の中でも、特に共感したことであり、同時に繰り返し自分に言い聞かせる言葉でもある。 教師にとって最も大事にされることの一つに「生徒理解」がある。例えば、授業を行うにしても、まずは「生徒理解」から始まる。 2次方程式の単元を扱う際には、まずは対象となる生徒のレディネス、つまりは現段階でどのようなことを学んできていて、そのうちどのあたりのことが理解できているのかを知る。1次方程式は学んでいるのか、グラフを作成することはできるか