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令和源氏物語 宇治の恋華

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創作満載☆令和の我々に読みやすく共感できる源氏物語を。 宇治の恋物語をおよそ250話ほどで書き下ろします。
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記事一覧

令和源氏物語 宇治の恋華 第百六十七話

第百六十七話 浮舟(三十一) まるで心が砕けたように痛い。 信じたものが儚く消え去ったの…

YUKARI
7時間前
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令和源氏物語 宇治の恋華 第百六十六話

第百六十六話 浮舟(三十) 何やら具合が悪そうに臥した娘が可哀そうで、常陸の守の北の方…

YUKARI
1日前
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令和源氏物語 宇治の恋華 第百六十五話

第百六十五話 浮舟(二十九) 娘(浮舟)の加減が悪いと聞いた常陸の守の北の方は、末娘の…

YUKARI
4日前
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令和源氏物語 宇治の恋華 第百六十四話

第百六十四話 浮舟(二十八) 薫は少し前から進めていた浮舟の為の邸の造作に本格的に取り…

YUKARI
5日前
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令和源氏物語 宇治の恋華 第百六十三話

第百六十三話 浮舟(二十七) 浮舟は薫君と匂宮、どちらを愛しているのか己の心がわかりま…

YUKARI
6日前
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令和源氏物語 宇治の恋華 第百六十二話

第百六十二話 浮舟(二十六)  水まさるをちの里人いかならん      晴れぬながめにか…

YUKARI
7日前
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令和源氏物語 宇治の恋華 第百六十一話

第百六十一話 浮舟(二十五) 暁の別れはいつでも辛いもの。 しかし、此度の別れを殊更に辛く感じるのは浮舟が薫の物でまたいつ逢えるかともわからぬからでしょうか。 匂宮の困ったところはいつでも本気で女人に溺れ、その時に呟いた言葉はすべて真実の心からであるのです。その後にどう心が変わろうがそれはまたその時の本音なのですが、翻弄される女人たちの哀しきことよ。 しかし目下の処匂宮の心は浮舟に囚われて、胸に浮かぶはあの可憐な姿ばかりで恋しくてなりません。 恋の病で食が細り、顔が青ざめ

令和源氏物語 宇治の恋華 第百六十話

第百六十話 浮舟(二十四) よくもまぁ、次から次へと甘い言葉が口をついて出るものか。 右…

YUKARI
10日前
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令和源氏物語 宇治の恋華 第百五十九話

第百五十九話 浮舟(二十三) 留守として山荘に残り、他の者達の目をうまく欺いた右近の君…

YUKARI
11日前
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令和源氏物語 宇治の恋華 第百五十八話

第百五十八話 浮舟(二十二) 浮舟は匂宮の膝に抱かれながら不思議なときめきを覚えずには…

YUKARI
12日前
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令和源氏物語 宇治の恋華 第百五十七話

第百五十七話 浮舟(二十一) 匂宮は薫のあの様子を伺い心穏やかではいられませんでした。 …

YUKARI
13日前
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令和源氏物語 宇治の恋華 第百五十六話

第百五十六話 浮舟(二十) 二月の十日頃、宮中にて詩文を作る宴が開かれました。 こうした…

YUKARI
2週間前
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令和源氏物語 宇治の恋華 第百五十五話

第百五十五話 浮舟(十九) 二月になると薫は宇治を訪れました。 まずは山の阿闍梨に挨拶を…

YUKARI
2週間前
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令和源氏物語 宇治の恋華 第百五十四話

第百五十四話 浮舟(十八) 石山詣でが無くなったことで宇治はまた退屈な日常に戻りましたが、浮舟は毎日のようにもたらされる匂宮からの手紙に徒然を慰められておりました。 この手紙を取り次ぐ右近の君は一人で抱える秘密の大きさに耐えかねております。 時方の下人が手紙をよこすようにしてあるので、 「昔付き合っていた男がよりを戻そうと熱心に手紙をよこすのよ」 と、周りの女房たちの目を巧みに逸らし、重ねる嘘は右近を憔悴させるのです。 浮舟君のまわりに人気が無くなると右近は必ず宮さまから