最愛のヒトへ。
今日は妻の誕生日。
私の二つ歳上の姉さん女房である。
毎年サプライズでプレゼントを用意するのだが、私には贈り物をするセンスが壊滅的に欠けている。
去年は準備する時間があまりなかったので当日にショッピングモールに立ち寄ってあれこれ物色した。
妻はあまり欲しいものを口にしないタイプなのでプレゼントの難易度はそれなりに高い。
あまりいいものが見つからなかったのでハンドガンタイプのマッサージ器を買ってみた。
誕生日当日の朝一番にはい、おめでとうとそれを渡したら彼女が欲しかったものではなかったらしく微かに戸惑いの表情を浮かべたのが分かった。
ああ、これは…と思っているとありがとう!嬉しいよと言ってくれた。
しかしこの一年の間でそのマッサージ器を使っている所を見たことが無い。
おそらく彼女の好みではなかったのだろう。
それが去年の話でううん今年こそと意気込んで誕生日の一か月前から欲しそうなものをそれとなくリサーチした。
すると冬場に脱衣所が寒いという事に不満があるらしく断熱工事がしたいと言っていた。
内装工事をするには私のプレゼント予算も足りないし日程の調整もつかなかった。
そこで自分にできる精いっぱいとして足元を温めるファンヒーターを買う事にした。
まずは家電量販店に行ってあれこれと商品を見てみた。
大型のものはすぐに温まるが場所を取るので我が家の狭い脱衣所には不向きだという事が分かった。
なので小型でパワフルなものを選ぶことにした。
通販サイトでも商品を検索してあれこれ探してみたが自宅に届いた時にプレゼントだとバレると台無しなので実店舗で買う事にした。
近所のホームセンターもリサーチして一万円弱のファンヒーターを買い求めた。
それから百円ショップに行ってラッピング用紙を買った。
私は手先が超絶不器用なのであまり上手には梱包できなかったがこういうのは気持ちである。
そして今朝妻が起きてきたので車に隠してあったプレゼントを渡した。
寝ぼけ眼の彼女はありがとうと言ってラッピングを丁寧に剥いでいった。
外箱が露わになると顔が輝くのが分かった。
うわぁそうそう、こういうのが欲しかったのよと言ってニッコニコの笑顔になった。
早速コンセントに繋いで試運転をしてああ、暖か~いとご機嫌だった。
ありがとうねと言って抱き着いてきたのでハグし返した。
どうやら今年のプレゼントは喜んでもらえたようでとても嬉しかった。
後は今晩の晩御飯を気合を入れて作ろうと思う。
朝の四時に起きてスーパーに食材を買いに行ったのでお昼から仕込みをした。
メインは妻の大好物のハンバーグである。
ひき肉を白っぽく粘りが出るまで捏ねる。
玉ねぎをみじん切り。
ひき肉に玉ねぎと千切った食パン、牛乳、卵を加えてナツメグと塩コショウで味つけ。
付け合わせはニンジンのラぺ。
ニンジンをスライサーで細切りにしてレンジで三十秒チン。
それをオリーブオイル、酢、砂糖、塩コショウで味付けしたらあっという間に出来上がり。
次は昨日の残りのおでんをリメイク。
具をさらって一センチくらいの大きさに刻む。
玉ねぎを刻んでフライパンであめ色になるまで炒める。
牛肉を炒めて塩コショウをして赤ワインでフランベ。
ジャガイモを四等分に切る。
その具材をおでんのつゆで煮込む。
二時間くらいしたら火を止めてビーフシチューのルーを割り入れたらおでんからの華麗なるリメイクの完成。
サラダも欲しかったのでジャガイモを茹でて潰して玉ねぎのみじん切りとハム、ラッキョウを刻んでマヨネーズとレモン、塩コショウで味付けしてポテトサラダの一丁上がり。
せっかくの誕生日なのでついでにもう一品。
サワークリームに明太子を混ぜた明太サワーディップを作った。
これはきのう何食べた?のシロさんとケンジのクリスマスの定番メニューでケンジの大好物である。
こういう機会なので一度作ってみたかった。
もちろんバゲットも用意した。
後はハンバーグを焼けばバースデーディナーの用意は完璧である。
こんなに作って食べきれるかどうかいささか不安だがデザートにはケーキも控えている。
お酒はちょっといい赤ワインを冷やしてある。
さぁてそろそろ晩御飯の時間だ。
ハンバーグ焦がさないようにきれいに焼くぞぅ。
テーブルセッティングが終わったらまずは乾杯からかな。
いい夜になりますように。
いつまでもかわいらしいあなたでいてください。
妻よ愛してる。
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