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死に山 世界一不気味な遭難事故 を読みました。

ディアトロフ峠事件について聞いたことはありますか?「奇跡体験アンビリーバボー」や「ダークサイド」などの番組でも紹介されたり、ナオキマンのYouTubeでも紹介される、ある意味都市伝説系の事件です。

そのディアトロフ峠事件の真相について、アメリカ人ドキュメンタリー番組の監督ドニー・アイカーがアプローチし、書籍になったのがこの本「死に山 世界一不気味な遭難事故 ディアトロフ峠事件の真相」です。これはフィクションではなく、実際に起こった事件で、未だに真相が明らかになっておらず、事件の仮説だけで75もあるそうです。それも、雪崩説の様な現実的なものからUFOやUMAなどの超常現象説まで!


さて、時は1959年2月に遡ります。ウラル工科大学の学生とOBの男7人、女2人の計9人で学生とはいえ、トレッキングの経験が豊富な若者がウラル山脈のオトルテン山に登るために山に入ります。この時とったルートは、最も困難な難易度のルートと評価されています。

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出発して、10日後の2月1日、一行はホラチャフリ山のなだらかな東斜面にキャンプを設営し夜をすごそうとしたのです。

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ところが、その夜、何かが起こり、靴も履かず、薄着で、極寒の暗闇の中に飛び出します。

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3週間近くたった2月20日に捜索隊が送り込まれ、2月26日に内側からナイフで切られ、靴が1列に並べられたテントが発見されます。その後1.5キロほど離れたヒマラヤスギのもとで下着姿の2名、テントとヒマラヤスギの間に3名の遺体が発見されます。その後捜索が続けられ、5月4日にヒマラヤスギから、さらに75メートルほど奥で残りの4名が発見されます。その辺りは、服が切り刻まれたものとヒマラヤスギの小枝が散らばっている一種異様な光景だったそうです。

この捜索隊が捜索中に目撃したものとして、発光体がありました。光の球が横に飛んでいく光景を全員が目撃していたそうです。


さて、遺体の6つは低体温症、つまり凍傷がしいんだったのですが、残りの3つの遺体については、頭蓋骨陥没、肋骨が折れて心臓に突き刺さる、さらに、女性の遺体は舌が切り取られていた異様な光景だった。


本の著者であるドニー・アイカーは、この事件について色々な文献を見たのですが、その作者の誰も、ディアトロフ峠に行ったこともなかったことを知ります。そこでドニーは、同じ時期に死の山であるディアトロフ峠に取材に行きます。

実は、このトレッキングに行った学生は9人ではなく10人だったのです。そしてその1人がまだ生きていたのです。山に入る当日、あまりの腰痛のため1人下山し助かったのです。その彼と会うところから、この事件の真相への旅がスタートします。

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ドニーは、様々な可能性を一つ一つ潰して行き、遂に一つの可能性にたどり着きます。この本の残り5、60ページの真相に辿り着こうとする探究が非常にワクワクします。そこにいくまでのページは、ゆっくりと流れて行きますが・・・。

是非手にとって読んでみて欲しいと思います。あくまで一つの仮説ではありますが、なるほどと思う切り口でした。


私がこの本を、読んだのは、来年度から始まる「総合的な探究の時間」の探究とは何なのかについて考えてみたいっていう理由です。

探究的アプローチは、解のないこの複雑な社会の中で、自分が納得し、他人も納得できる「納得解」に至るためのアプローチとして非常に重要なことだと思います。

だけど、一方で、普通の授業やテストなどの答えのある問題に正確に素早くいきつく様にしっかりと学習することもとても大切であると考えてます。

これは、車の両輪であり、一方がかけてもダメ!じゃ無いかと、この本を読んで改めてかんじました。

ネタバレしたいけど、出来ないので・・・。

サーファーであったドニーは、その経験から、物理のあることに気づきます。そして、あることが人間に影響を及ぼすこと、そしてそのことを深めて、結論に至ります。物理、心理学、山に実際に行く行動力、その他これまでの経験、それらを総合して未知のものに向かっていくこと、この探究がこの本から感じ取れます。

人間がこれまで積み重ねて明らかにしてきたことを土台に、まだ明かされていないことにチャレンジしていく!これが大事だと思いました。






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