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【日本酒スイーツ大集合】剣菱、出羽桜、播州一献のお菓子を食べ比べ!

日本酒の、スイーツ。よく、地方のお土産やさんで見かけたりします。

日本酒は「米」をたくさん使い、またお酒のあとには「酒粕」が出るもの。その二次利用といったイメージがあり、これまであまり食べてきませんでした。

しかし最近、「日本酒スイーツ」が多彩に、またおいしくなっていると聞きます。東急プラザ表参道の「スイーツコレクション」で日本酒関係のお菓子が集まっていると聞き、さっそく買ってきました。

「スイーツコレクション」の仮面をかぶった「日本酒イベント」

(東急プラザへ!4月4日までだそう)

催しの名称は「スイーツコレクション」。テーマは“隠れた名店”のスイーツが国内外から集結。別に「日本酒イベント」ではありません。

しかし、明らかに日本酒関係のアイテムが多いです。絶対に日本酒好きな人がやっていると、すぐにバレるほどです。

手前、にいだしぜんしゅ、奥は出羽桜。スイーツコレクションなのに日本酒の名前があちこちで目に入ります。

剣菱コーナー。スイーツに加え、そのまま「お酒の剣菱」も売ってました。

日本酒のプロの方がいらっしゃいました。sake diplomaという資格をもち、さまざまな日本酒イベントをサポートするよっしーさんです。おすすめの日本酒スイーツをいくつかおしえていただきました!

(※3/21現在、売り場での試飲・試食も解禁されているそうです!)

購入した数種類の日本酒スイーツを食べ比べします!

日本酒スイーツ大集合!

戦利品です。ひとつひとつ、じっくり味わっていきます。
実は私は、酒粕特有の甘みがさほど得意ではありません。お酒らしさありきなのか、スイーツに振っているのか、その辺りもみていきます。

①大天狗のホワイトチョコ&貴醸酒のマリアージュ

大天狗 純米大吟醸酒粕入 ホワイト生チョコ
出羽桜 貴醸酒 SWeeeeeT

こちらはよっしーさん推薦の組み合わせ。酒粕チョコは「菓子処 ぬか茂」さんというところが作られているそう。
食べてみると…おお、おいしい。滑らかでやさしくて「酒粕感」はあまりなし。しっかりチョコのおいしさです。

ここに「貴醸酒」を。熟成系の少し枯れた香りがあり、艶っぽい甘さ。ウイスキー×チョコのような組み合わせですすみます。

ちなみにお酒を温めたらチョコレートがより溶けておいしいかなと思いやってみたところ、香りが強烈になってだめでした。ロックがおすすめです。

②日本酒スイーツの定番・クリームチーズ・出羽桜

POSSE×出羽桜 KASCHEE blanc(ポッセのおつまみ)

酒粕活用スイーツの定番・クリームチーズです。
非常にクリーミーです。甘すぎないちょうどいい甘みが口の中でぐーっと伸びます。おいしい。

口の中からクリームチーズが消えたタイミングで酒粕のコクがやってきますが、むしろ食べ終わりまでチーズ感でマスキングしているところがすごい!

③日本酒入りの大人カステラ・播州一献

播州一献 酒かすてら 大吟醸(木いちご)

続いては播州一献。お酒自体はドライでコクのある「漢っぽい日本酒」のイメージが強いのですが、それがカステラに。

(中はこんな感じです)原材料は卵や砂糖、小麦粉、オレンジ果汁など。日本酒と酒粕のダブル使い。

…カステラにしてはふわっとやわめ、だけどお酒が入っているのか食感はしっとり。味ははっきりと甘い。でも砂糖だけの甘さというより、やさしく丸いやつ。

酒粕感はというと…もう、本当に最後の方にすこーしだけ、舌に残る感じがあるかないか、くらい。オレンジの果汁感が絶妙に日本酒の重さを消しているのかもしれません。

④ひとくちサイズの「酒きんつば」・西の関

酒蒸しきんつば 清酒・西の関使用

購入時、レジ前におかれていて思わず手に取ったミニ和菓子です。

中はこんな感じ。やわめのきんつばです。
匂いをかいでも酒のにおいはなし。食べると…結構あんこの味がしっかりです。舌にそこはかとなくお酒っぽい刺激がある気が…。「酒蒸し」だと知らなければ、後味ながめの和菓子、と思うでしょう。

しかし2口目以降、結構皮にお酒の風味を感じられました。

⑤日本酒との相性抜群のチーズクッキー吟・滲-shin-

中央アルプス千畳敷 ちいずくっきい 吟・滲-shin-

中央アルプスは千畳敷で雪中熟成させた純米大吟醸「滲-shin-」の酒粕を練り込んだという一品。

チーズクリームをサンドしています。

食感はほろっほろ。そして中のチーズクリームはしっとりやわらか。
うん、これは「チーズのおいしいお菓子」です。探しても探しても「日本酒」の要素は見当たりません。さらにクルミがいい仕事をしていおり、最後にかすかな渋みを感じられます。これが日本酒のお菓子にある「後味のえぐみ」の要素を完全にマスキングしています。

いい意味で「日本酒を消している」ことに成功しています。日本酒をお菓子にする意味とは、という根本を再度問う一品となりました。ただおいしい。

⑥地元企業の協力から生まれたカップケーキ・剣菱

Japanese SAKE cake “cup style”柚子 剣菱×Shin

催しでもとりわけ扱いが大きかった剣菱のカップケーキです。「瑞穂黒松剣菱」に浸した国産の柚子皮がたっぷりはいっています。

香りはしっかり柚子。ふっくらのカップケーキに柚子の酸味と甘み、うんおいしい。しかし「日本酒」は感じられません。けどおいしい。

このケーキ、実は同じ兵庫県にある剣菱酒造と製菓メーカー・ファクトリーshinの協力のもと、兵庫県内の福祉事業所で働く障害者の収入向上のために開発されたものだそう。

そうか、酒蔵がお菓子にかかわるのは、お酒を醸す地元への貢献でもあるのですね。

なぜ「日本酒のお菓子」なのか?

北雪 あまざけ 新潟県産五百万石100%使用
(まるでみりんのような澄んだ甘さでした!)

実は、これまでは正直「スイーツを食べるならスイーツ専門店にいけばいいだろう」と思っていました。

酒粕チョコ <一流ショコラティエ

のように。しかし、だんだんと「酒蔵がお菓子をつくる」ことが腹落ちしてきました。

古くから蔵を構える土地で、地元の水を使い、地元の風土を活かしてお酒を醸す。そこで出た酒粕・米の粉などを活用し(酒粕焼酎にしたり、肥料にしたり、お菓子にしたり)、循環させてまたお酒を造る。
さらには「地元への還元(飲む・雇用・社会貢献)」もふくめたものが、大きな意味での「地酒」という活動かもしれないと。

こだわりの尖った体験(一級品だけを集める百貨店みたいな)も素敵ですが、大きなサイクルを構成する要素を余すところなく楽しむのも、いいものです。

米とか麹とかになじんだ日本人の自分にとっては、どれも「無理のない甘味」だと楽しむことができました。


ごちそうさまでした。

もちろん、お酒を飲みます。