万引き家族、観ました。

映画『万引き家族』の感想です。めちゃくちゃネタバレ含みます。

めちゃくちゃ泣いた。
きちんと作り手の意図を汲めたかは分からないけれども、〝家族〟に苦い思いがある人間なので色々刺さってしまった。

私自身母親に殴られたりゴミ箱にされたりして育ってきたので、安藤サクラさん演じる虐待されて育った女性が
「大事だから叩くっていうのは嘘。ほんとに大事ならこうやって…こうやって、ぎゅーってするんだよ。」
と虐待されている小さな女の子を抱き締める場面で号泣した。

そうなんだよなあ。
どうしても自分が悪いと思ってしまうけど、子ども殴る方が悪いんだよなあ。
分かってはいたけど心の底では否定してきたことが、やっと奥まで沁みた。

風俗やってる女の子の無表情さとか「おばあちゃんは何でも分かっちゃうね」など、貧困で風俗に流れるか揺れていた過去やおばあちゃん子の私に刺さるシーンや台詞が多くて常に心を掴まれていた。

「生まなきゃ母親になれないでしょ」っていう台詞、これ諸悪の根元だなとしみじみした。
あの場面だけ演者が観客と真正面から向き合う。
子ども産んだことない人でも、私の家族よりよっぽど子どもを育てるのが上手い人達を何人も知っている。
〝よくできた演出だなあ〟などとわざと現実に返ってこないと警察官を憎々しく思う心に歯止めがかけられなかった。

人の心を動かすものすごい映画だった。

私がお笑い文化を〝家族〟と錯覚してしまうのも、提供してもらった幸せな時間を一定数重ねてきたからだろうな。
成長して、その〝幸せな時間〟にはお金を払うべきだと知ったから払っている。

私の家庭は〝お金はあるが人権と愛がない〟だったので〝お金がなくても愛がある〟みたいな環境にめちゃくちゃ憧れてしまう。
けれど、お金があって愛もあることに越したことねえわな。
いつだって二者択一にしてしまいそうになる。

欲深く生きたい。

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