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教師という仕事

うつ病になって教師を辞めた男の話③

学校で働く人たちには、いろんな役割があります。
一番人数が多いのが、子どもたちに授業をする「教師」です。
「先生」と呼ばれますが、僕は「先生」と呼ばれることが好きではありませんでした。
今も、障害を持った子どもたちの、放課後の時間を過ごす場所、放課後等デイサービスという場所で働いているので、子どもには「先生」と呼ばれてしまいますが。

話がそれました。
授業を教える「先生」。
いろいろ細かい外とのつなぎをしてくれる「事務室の先生」
学校の修理、補修なんかをしてくれる「学校用務員の先生」
体のケアをしてくれる養護教諭、いわゆる「保健室の先生」
いろいろ指揮してくれる管理職、「校長先生、教頭先生」
などなど、他にも「スクールカウンセラー」や「校務補助員」「介助員」など、いろいろな肩書きで勤務している人たちがいますが、その中でも一番人数が多いのが、授業をする「教師」です。

この授業をする教師も、実は大きくいうと3種類に分かれます。
子どもらからは、みんな「先生」と呼ばれていますが、いろいろあるんです。

児童、生徒が座っている席の前に立って授業をするためには、大学に行って教員免許をとらないといけません。
教員免許を持っていれば、それに相当する授業をすることができます。
僕の場合でいうと、「中学校国語一種」「高等学校国語一種」という免許を持っていて、中学校と高校で国語を教えることができます。
実際に中学校にも高校にも働きに行ってました。

でも、僕は、正規の教員ではなかったんです。
大学に行き、教員免許を取って、年に一度ある、「教員採用試験」というのに受かって初めて、「正教員」と呼ばれる、世間一般で言ういわゆる「教師」「先生」なんです。
じゃあ、僕は何だったのか。
教師は大きく分けると3種類に分けられるといった、残り2種類が僕です。

「正教員」とは、一般社会でいうところの、「正社員」です。
会社に雇用され、保険が適用されて、身分が保障される正社員。今では「一生安泰」とは言えなくなりましたけどね。
でも一度正教員になれば、あとはよっぽどのことがない限りずっと身の保証はされます。
ニュースになるような変態的なことをしようが、個人情報をばらまこうが、教師で居続けることができます。
極端にいうとですよ?

残り2種類の職種の名前は、
「臨時教諭」と、「非常勤講師」です。

「臨時教諭」は、ほぼ正教員です。
社会保険もあるし、部活指導もするし。
朝から晩まで学校にいて、正教員と同じ仕事をします。
何が違うのかというと、契約期間です。
基本的に1年契約です。
それか、正教員が休んでいる間の補充教員です。
急な病気で、3か月休まなければいけない正教員がいたとして、その休んでいる間の授業やその他のことを代わりにするのが臨時教諭です。

え?正教員の休んでいる間だけ同じ仕事するなら「臨時」なのはわかるけど、1年間、4月から3月までずっといるなら、それはもう正式採用じゃない?
違うんです。細かい説明になるから省きますが、そういう人が必要な場合があると思ってください。
ヘルプ的な?外注的な?

僕は基本的に「臨時教諭」でした。
採用試験には受かってないけれど、経験だけは毎年しっかり積んで、毎年どこかの学校に異動して授業をしていた先生です。

でも、絶対に毎年4月から3月までの1年間その「臨時教諭」という仕事があるわけではありません。

もう一つの教師の職種は、「非常勤講師」です。
「講師」。塾の先生なんかも結構そう呼ばれるのではないでしょうか。
「非常勤講師」は、授業をするだけです。
教師の数だけでは授業数が賄えないときがあるんです。
これも鬱と関係ないので省きますが、
その、足りない授業数を埋めるために必要なのが、授業だけをしてくれる講師です。
教師を増やせばいいんだけど、お金の問題が出てきますからね。時給で、授業だけしてくれる講師がその穴(授業時間、お金の問題)を埋めるんです。

これは本当に授業だけしかしません。
あー、すみません、「絶対に」ではありません。
でも本当はしなくてもいいです。
曖昧ですよねぇ笑
何言ってるんだこいつ、ですよねぇ。
この辺の曖昧さが、教師をブラックと言わしめているところだと思います。

正教員は、身の保証が(ほぼ)一生される。
うつになって休職しようが、犯罪を犯そうが、復職できます。
休職していても、給料は支払われます。
1年休んだら本来の何%とか、何年以上休んだら無しとか、そういうのはありますが、復職できます。

でも、一生の身の保証がされるわけではない臨時教諭や非常勤講師は、病気になって仕事ができなくなったら、どうなるでしょうか?
「うつ病になった」だなんて教育委員会に知られたら、次の年の仕事(信頼)は、どうなるでしょうか?

長くなったので、次回に続く(ごめんなさい)。

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