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ATELIER INCURVE

ATELIER INCURVE(アトリエインカーブ)では、物作りが好きな知的に障害があるアーティストたちが日々それぞれのペースで創作活動に取り組んでいる。生み出される作品は様々であり、かかる時間や込める思いもそれぞれ。

写真は2012年に開催された「寺尾勝広・新木友行・湯元光男─ アトリエ インカーブ3人展」の中の作品である。心惹かれる独創的な世界が描かれています。

例えば、海外の障害者アートでは、「障害がある方が作った」などは購入者には開示されずに売り出されてるケースが多い。文化の違いはあるものの匿名性があったとしても「良いものはいい」「かっこいいものはかっこいい」と多額で購入される。(何百万円という高値をつけた作品もある)

日本では「誰が作ったのか」という部分に固執することが多くある。国々の国民性や物の見方が異なるため日本で作品を販売するときには、逆に匿名性はなくてもいいのかもしれない。(主観的考え)

ここで1つ重要になることは、どうやってアーティストが生み出した作品を市場(社会)に出していくのか、アーティストの可能性をどのように拡げていくのかという視点。福祉と市場(経済)を考えていくことは避けれない。

福祉という平等性、市場という不平等性。福祉を基盤にし過ぎると搾取ではないのかと見られることもあるかもしれない。

市場への参加はまだ普通にはなっていないような気がする。少しずつ協力してくれる人たちを増やし今までの概念を少しずつ変えていくことが大切になるのか。

何を平等とするのか、多様化が進めば進むほど基準や線引きをすることが難しくなる。

でも、ちゃんと「個」と「環境」をつなぐ間にある障壁を考えたい。

松井彰彦先生は、「福祉は弱者を救うためだけに存在するのではなく伸びようとする芽がぶつかる障害を取り除くためにも活用されるべきである」(朝日新聞2013年3月1日掲載)


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