見出し画像

OO君は法学部だから将来は弁護士かな?

 「へぇ~、OO君法学部なんだ。じゃあ、将来は弁護士になるの?」
法学部生になるとしばしばこのように聞かれます。
 では、実際のところどうなんでしょうか。

 私の体感ですと、弁護士等いわゆる法曹志望者は法学部生の「8,9人に1人」ぐらいなのかなという気がします。周りにちらほら程度にいるという感じです。いずれにしろ、法曹志望者はほとんどいないという印象です。

 しかし、そうだとすれば1つの疑問が生じます。では、世の中の法学部生は一体なんで法学部を選んだのか、と。
 結論から申し上げますと、就活に強そうだからと公務員志望だからの2つが挙げられると思います。

 まず、就活に強そうだからについてです。
 このように考えて法学部を選んだ人の多くは高校の文理選択の際に、一般的に就活に有利・給料が高いといわれる医学部含む理系に多かれ少なかれ憧れはあるけれども、数学や物理が苦手といった理由で文系を選んでいる印象があります。

 そのような思考で文理選択をした以上、せめて文系の中で就活に強そうな学部を選ぼうとするでしょう。そうだとすると、会計帳簿について強くなれそうな印象のある経済学部・商学部と法学部で悩むことになります。 

 そして、経済学部・商学部にするか法学部にするかで迷った末に法学部を選ぶ決断をした人は前記の通り高校時代に苦手意識があった数学とお別れしたいからという理由で法学部を選びます。実際に、経済系の学部だと数Ⅲの内容を扱うこともあるとかないとか聞きますしね。

 まとめますと、法学部は数学が直接必要になることはなく、就活に強そうな学部だからということですね。

 次に、公務員志望だからについてです。
 国家公務員・地方公務員を問わず、公務員は公務員試験を受けることになると思います。そして、公務員試験の科目には法律系のものが多く含まれています(憲法や民法など)。

 法学部に入学すればこれらの科目を大学で学ぶことができます。すなわち、公務員志望だと法学部に入学して勉強した方が将来の希望する進路につながりやすそうだからということです。

 最後に、そもそも最初の質問を相手が果たして本心で聞いているのか、さらに言えば、法学部生に対する社交辞令的なものではないかということです。法学部に入った親戚の子に「将来は弁護士(という凄い職に就くの)か」といっておけば相手も嫌な気持ちにはなりません。

 逆に法学部は就活に強そうだからといって「法学部だから就活も安泰だな。」とまで露骨に言われたとしたら、さすがに少し生々しくてあまりいい気にはならないと思います。「へぇ~、OO君法学部なんだ。じゃあ、将来は弁護士になるの?」という質問は学部を尋ね、法学部だと返答された際に、話を膨らませつつ法学部生をさりげなく褒めることができる絶妙な返しだといえるのではないでしょうか。

 そして、さらに踏み込んで考えると、この質問が正確か否かに悩むのも法学部生特有のものではないかと思うのです。そうは言っても、法学部生はまじめな人が多く間違ったものは「異議あり!」とすぐに訂正したがります。ゆえに、この質問をされると法学部生は「いやいや、そうではない。実際のところは~~。」とついついまじめに反応してしまうのだと思います。

 いずれにしろ、この問いに対して真剣に悩んでいるのは法学部生だけ、いや、私だけなのかもしれません。


冒頭写真:裁判所HPより引用(2022/6/4)
裁判所 - Courts in Japan


⇩よろしければこちらの法学部記事もどうぞ⇩


サポートを頂けるのも嬉しいですが、スキ・コメントをして頂けるとすごく励みになります!