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【学生の持論】大学生が恋愛系イベントで盛り上がる時代の終焉

 2月14日、そうバレンタインデーを私はとあるサークルでの合宿中に迎えたのだが、その日がバレンタインだと私が気づいたのは、遅れて参加すべく午後になってやってきた人が「持ち寄り用のお菓子に」と明治のミルクチョコレートを差し出したタイミングだった。

 「そういえば今日って、、!」という周りの反応を見るに、恐らく私以外にも多数の学生がバレンタインの存在を失念していたのだろう。

 多分、チョコレートを貰えるか否かは別として、数年前ならばバレンタインの日であることを本当に忘れることなんて考えもしれなかっただろう。

 このように、イベントを口実に大盛り上がりしたい大学生がバレンタインという一大イベントの存在を失念するというのはかなり衝撃的なことだと思う。

 ただ、個人的にはそうなるのも当然の時代になった気がする。
 私がそう思う理由に学生間に恋愛事に関与する(できる)層と関与しない(できない)層の境がくっきりと開き、同じ大学生であっても恋愛系のイベントをテーマでは同じ土俵に立てず、盛り上がれなくなったことが挙げられる。

「モテる層に入ろうとする非モテ層」という触媒の消滅

 昔は~だったのに今は・・・だから(例:男性の草食化)モテる層と非モテ層の割合が変動したとか、今も昔も実はその比率は変わらないのではとかいった論争がネット上で定期的に繰り広げられているが、本論においてはかかる層の割合の変化は大きな意味を持たない。重要なのは非モテ層だが、モテる層に入ろうとする学生の「絶滅」である。

 昔はナンパ云々はもちろん、夏祭りやクリスマス、バレンタインデーまでには何が何でも彼女(彼氏)を作りたいという、はなっからモテる層には入らないものの、モテる層に入ろうと努力する層、即ち、モテる層と非モテ層の中間層が存在していたと思う。

 そして、彼ら(彼女ら)は少なからずモテる層入りに失敗した(フラれた)のであろうが、そういった「モテる層に入ろうとした非モテ層」を触媒にモテる層・非モテ層ともに盛り上がれた、少なくとも会話のネタにはなったはずである。
(中間層はモテる層と情報交換という形で盛り上がれるし、非モテ層と慰め合いという形でコミュニケーションをとることもできる)

 しかしながら、今や彼女持ち(彼氏持ち)でなくとも全く普通の時代となり、それに伴い、無理にでも彼女(彼氏)を取りに行く学生は少なくなったと思う。
 結果、モテる層の人々はモテ(但し、元からモテる層にいるわけではなく、背景に多大な努力があるのは紛れもない事実である)、非モテ層の人々はモテないという、両者それぞれの立場をありのままに受け入れるということになった。

 ゆえに、前述の触媒になってくれるような人がいないため、恋愛系のイベントを話題に挙げると、モテる層も自慢にならないようにと非モテ層に気を遣うし、非モテ層もまたモテる層にそうやって気を遣わせないように気を遣うという、互いに気疲れする結末に終わる。

チョコという有形物を要するバレンタインの特異性

 ここで、まだクリスマスは非モテ層であっても「傷のなめ合い」という形で同じ立場にいる者同士コミュニケーションのネタにし、さらにはクリスマスを口実に集まって盛り上がることができる。

 しかしながら、バレンタインデーはチョコレートを貰えるか否かという、モテる層が「有形」の恩恵に授かれるイベントであり、クリスマスのようにその日、時間を過ごすという「無形」物が主たる目的のイベントではない。

 そうなると、彼女(彼氏)の有無はともかく同じ層同士で楽しい時間を送れるという点ではモテる層・非モテ層ともに共通するクリスマスに対し、もはや物がもらえなければ始まらないバレンタインだと非モテ層がその日をネタにコミュニケーションをとるのは厳しい。

 したがって、人間ある程度同じ立場の人間としか盛り上がれないというのが宿命であろうが、同じ大学生という括りであっても、バレンタインでは互いに格差が生じるとともに、時間を共にする点よりも「チョコレート」いう物が全面に押し出されているイベントのため、同じ立場の者であっても盛り上がりにくいのだ。

ハロウィンという友人同士で対等に盛り上がれるネタ

 過去、私はハロウィンは友達用のイベント、クリスマスはカップル用のイベントへの棲み分けが進んでいるという記事を執筆したが、右肩上がりに伸びていくハロウィンとは対照的に、そのうちクリスマスは大学生のイベントとしてはフェードアウトしていき、大学生関係なく単にモテる層のイベントとなっていくと思う。

 現に2023年は渋ハロが厳しく規制されるという話であったにも関わらず、その時期の話題の一つとして友人同士で「ハロウィン」というワードが多々上がったのに対し、新型コロナウイルスによる行動規制が全くなかったのにも関わらず12月に「クリスマス」という言葉が出ることはなかった。

 こうなってくると、大学生が恋愛系のイベントをネタに盛り上がれる時代はもはや終わりを迎えたといっても決して間違ってはいないだろう。


冒頭写真:Pixabay(2024/2/26)

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