「Excuse me...？」

ニコッと微笑見ながら、男性が話しかけてきた。

HIGASHI SHINJUKU と書かれた紙を指差して、「ここに行きたいんだけれどこの電車でいいのかい？」と英語で私に聞いている。

大きなスーツケースとリュックサックを持っていたので、きっと観光にきているんだろう。

久しぶりの英語に少し戸惑いながら、今乗っている電車は東新宿まで行かないこと、東新宿まで行く電車に乗るには駅で乗り換えないといけないことを拙いない英語で説明する。

私の英語を「うん、うん」と頷きながら、ときどき質問をしたり、路線図をメモしたり、最後まで話を聞いたあと「この電車に乗っていれば、大丈夫ってことだね。ありがとう。」と、微笑んだ。

きっと、聞き取りにくいところもあったかもしれない、伝わったのかなって不安もあったけれど、「ありがとう」の一言と笑顔は、「 it's all right 」そういっていた気がした。

慣れない土地で、電車やバスに乗るのはけっこう勇気がいる。わたしにも何度か経験があるからなおさらそう思う。

インターネットがどこでも繋がるようになったことで、わからないことは調べれば何でもわかるようになってきて、人に聞かなくても解決できてしまうことが増えた。

それに従っていれば、目的地にはたどり着けるけれど、それでもやっぱり、人にしかできないことがたくさんあるのだろう。

そんなことを感じた、朝の出来事。