確率

Probabilistic thinking

今日のタイトルは「確率思考」です。

probability」を辞書で調べると
①「the level of possibility of something happening or being true」
  (可能性、起こりそう(ありそう)なこと)
②「how likely something is, sometimes calculated in a mathematical way
  (〔数学〕確率)

確率と言えば、日々、天気予報の降水確率(chance of rain、probability of precipitation)は精度が高いので非常に参考になります。

一般の人には出かける時にを持って行くかどうか判断するための情報ですが、来店客数や売れ筋商品などが天候に左右される小売業などは、仕入れや利益に直結するので、非常に重要です。

天気予報を見ていると、
降水確率が6時~12時 20%、12時~18時 30%などのように表示されて、10%刻み(その間は四捨五入)です。
対象は6時間ごとの4回で上記以外では0時~6時、18時~24時です。
予報区内で一定の時間内に降水量にして1mm以上の雨または雪の降る確率(%)の平均値で、雨の強さや量とは無関係です。

降水確率30%とは、30%という予報が100回発表されたとき、その内のおよそ30回は1mm以上の降水があるという意味で、過去のデータがもとになっています。

4桁の数字パスワードがよく使われます。
1桁目の数字が当たってしまう確率は、全部で0~9の10通りあるので1/10
2桁目、3桁目、4桁目も同じで、それぞれ独立しています。
つまり、1/10×1/10×1/10×1/10=1/10,000で0.01% 
でたらめな数字を入れて偶然あたってしまう確率は1万回に1回ということです。3桁では1,000回に1回なので格段に安全性が高まります。

ところで、中日、楽天で通算403本塁打を放った野球解説者の山崎武司氏は、27年間の現役(生活)の中で11人の監督のもとでプレーしました。
楽天時代に「野球とは、知的な競技である」が持論の野村監督から4年間指導を受けてみごとに再生した選手のひとりです。

テレビで山崎武司氏のインタビューをみていると、野村監督のID野球の一端でしょうが、「配球の読み」について語っている部分がありました。

データから7割の確率で直球がくるコースがあって、たまに変化球がくることがあるので、印象としては変化球が頭に残ってしまうというのです。
正攻法としては、7割の直球に絞って、半分近く打てれば3割バッターも夢ではないのに、残りの3割の変化球に意識があり過ぎると、結局いい成績が残せないで終わります。

野球では、バッターが直球に力負けする場合もあるので、変化球に合わせて楽に打ちたいという気持ちもどこかにあって、それも影響するようで名監督には見抜かれてしまいます。

頭では確率思考をしているつもりでも、迷いがあって実戦で生かせないようではプロとしていい結果は残せません。
指導者の当り前の言葉をその時に素直に実行できるかがポイントです。

確率の世界で有名なのは「モンティ・ホールの問題」です。
司会者と挑戦者がいて、ひとつが正解(賞品あり)、ふたつが不正解で、合計三つの扉からひとつを挑戦者が選ぶ問題です。司会者は正解を知っています。
初めに挑戦者が扉をひとつ選んだ後、司会者が残りの扉から不正解の扉をひとつ選ぶので、残ったふたつの扉は正解と不正解です。
挑戦者が司会者が選ばなかった扉を選択するか、当初、選んだままの扉をそのまま選択するか、どちらが正解になる確率が高いかという問題です。
ご存知の方も多いと思いますが、再度、選んだ方が2倍の確率になって正解です。
数学者を含めて多くの人が騙されたことで「感覚」が「確率」といかにズレているかを示しています。

日々、ネットを中心に不確実な情報やウソが氾濫しているからこそ余計に「わからない」という状況の中で選択したり、意思決定をしなければなりません。

未来を当てることが予測です。確率とは未来の出来事がどれくらいの率で起こるかを表すので、確率を使って予測力を高めることが出来ます。

根っからの文系で数学はちょっと遠慮したいタイプであっても、基本的な
確率・統計の知識はビジネスでは必須です。
さらに、日常生活でも役立つ場面があります。

例えば、保険会社は確率思考のプロですが、確率なくして商品設計はありえません。また、生命保険に入るべきかを考える時にも「最悪の事態」を想定
して、どれほどの確率か見積もり、かけるべき掛金を検討すればいいわけです。

確率思考の活用をお勧めします。





 




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