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大切なものを守るために

🍀いつもありがとうございます。

今回は、1,800字ぐらいあるので
お時間があるときに、お読みいただけると嬉しいです。


***


これは実話です。

K先生は小学校の先生です。
初めての担任で
仲良くなった生徒Sさんがいました。
Sさんが卒業し、数年たち
大人になったSさんが
ある日突然、K先生に会いに来ました。


*ー*ー*ー*ー*ー*ー*ー*ー*ー*ー*


喫茶店にて

やせ細ったSさんの手首には
たくさんのリストカットの痕がありました。
そして、Sさんは
自分の身に起きたことを話し始めました。

・・・・・・・・・・

社会人になり
大好きになった人と 暮らし始め
赤ちゃんができました。
嬉しくて伝えたら
その人は去っていきました。

子どもは産みたかったのですが
周りに反対されて、おろしました。

Sさんは、それを心に病んで、
自分自身を 傷つけ始めました。

でも、そんなSさんのことを 心配してくれる
「お兄ちゃん」と呼ぶ存在がいました。
お兄ちゃんは、もし また自分を傷つけたくなったら
自分を呼ぶように、と言ってくれました。
そして、Sさんは ある夜 お兄ちゃんを 呼び出しました。
お兄ちゃんから「俺が行くまで待っててな」と言われ
ずっと待っていましたが
お兄ちゃんは 朝まで現れませんでした。

実は、お兄ちゃんは
Sさんに会いに行く途中で
事故にあって 亡くなってしまったのです。

・・・・・・・・・・・

Sさんの話を 聴き終えた K先生は
真剣に励ましました。
「がんばるんだよ!!」 
Sさんは
「うん、わかっているよ。先生。」
と言って帰りました。


*ー*ー*ー*ー*ー*ー*ー*ー*ー*ー*


でも、それが
永遠の別れとなってしまったのです。

K先生と会った数日後
Sさんは、ネットカフェで
たくさんの薬を飲んで
たった一人で逝ってしまいました。


K先生は、知らせを聞いて
急いでSさんの家へ行きました。

そして、Sさんのお母さんに言われました。

「先生、娘になんて言ったんですか。
 どんな話をしたんですか。・・・・・
 娘が最後に会ったのが、先生だったんですよ。」



頭をガーンと殴られたような衝撃を受けたK先生は
最後にSさんに会った日
自分が何と言ったのか、思い出しました。

「がんばらなきゃだめじゃない。」


あの日、Sさんは
そんな言葉を聴きたかったわけじゃなかったんだと
初めて気づきました。



K先生は
全ての子どもたちを幸せにしたくて
先生になったはずなのに
自分を頼って来たSさんを
救うことができなかった・・・
という自責の念にかられます。

そして、全ての自信をなくし
心の病気になり
ベッドから起き上がれなくなってしまいました。


だれもK先生を責めることはできません。
でも、Sさんは かえらぬ人となってしまいました。

どんなに悔やんでも悔やみきれない
重い十字架を背負ってしまったのです。



・・・・・



そんなKさんを救ったのは
娘さんでした。

毎日、花を摘んで持ってきてくれました。
毎日「生きて」と願いを込めた鶴を折ってくれました。
手紙もたくさん書いてくれました。

Kさんは、今日こそ立ち直ろう
今日こそ、と思って
毎日、石を拾い
石に日にちを書き続けました。

ある日、また石を拾おうとしたKさんの
手首をつかむ人がいました。
娘さんでした。

「何もしなくていい。
生きているだけでいいから。」
と言われました。

その時、Kさんは大声を出して泣きました。

そして、生きる決心をしました。

それから、草ぼうぼうの庭に、花を植え始めました。
そして、娘の想いを受け止めようと思いました。


幼い時に母親から教えてもらった
負けてはいけないたたかい」を思い出し、
たった一つの大切なものを守るべきたたかい」に気づきました。
Kさんが今、守るべきもの、それは娘さんでした。


母から自分、自分から娘さんへ
つながる大切な心
取り戻しました。


***


人の想いを受け止めて
生きるために立ち上がり、

もういちど、先生として
命は生きているだけで素晴らしい」
子どもたちに伝えるようになりました。



そんなK先生と子どもたちの
力いっぱいの”✨キラキラ朝礼”をご覧ください。

🌟キラキラ朝礼


元気がなくなったら
この✨キラキラ朝礼を見ます。

K先生の全身全霊の愛情と
それに答える子どもたちの純粋な魂に感動します。

そして 勇気が出ます。
元気が出ます。

ありがとうございます。💖



🌟香葉村真由美先生のお話
(ぜひ、K先生ご本人から、お聴きください)





🌈special thanks to   hohoさん
(表紙写真・クリエイター)


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