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忘れられない大切な人・・・

 20代の中ごろ、とても好きだった人とお付き合いしていました。

彼との出会いは、中学時代の友人が開いたたこ焼きパーティーでした。
(以下彼のことはMくんまたは彼と表記しますね)
その頃の私は、とっても仕事が忙しく、恋愛をする暇がなくて年齢的にそろそろ結婚を考えられる相手に出会いたいと思っていました。友人にも誰か紹介してとお願いをしていたのです。

そんな矢先、たまたま開かれたたこ焼きパーティーに参加をしました。
もう結婚して子供もいる中学時代の友人は、定期的に高校時代の仲良しメンバーと家で集まっているとのことで、私は友人の高校時代の人たちとは初対面だったので、とても緊張していました。
男女混合の仲良しグループで、高校卒業後数年たっても変わらず仲が良いのだと聞いています。

Mくんはそのメンバーの一人でした。
用事があって、みんなよりも一足遅くやってきたMくんに私は一目惚れをしてしまいました。
今まで一目惚れの経験はないのですが、今にして思えば一目惚れだったのかもしれない。

当時のMくんは、保育士になる夢を持っていて、土日は保育士の資格が取れる専門学校に通いながら、平日は保育園とおにぎり屋さんのアルバイトを掛け持ちして、休みなく働いていました。
その頃私は、子ども業界で販売のお仕事をしていたので、Mくんとは話も合ったのでとても気になる存在でした。
用事があるからと一足早く帰ろうとしたMくんの後を追うように、私も翌日仕事があったので、Mくんと同じタイミングで帰りました。
たまたまMくんの友人カップルが近くにいて、成り行きで友人カップルの車に乗せてもらい駅まで送ってもらうことに。

そして、駅で別れて帰路につく途中で中学時代の友人からメッセージが送られてきました。
内容は、MくんがLunaちゃんのmixiを知りたがっているから教えてもいい?ということでした。
メールアドレスの交換もできず別れたので、私はすぐ友人にいいよと返事を送りました。
それから数分、mixiづてにメッセージが。

内容は、さっきは初対面の友人カップルの車で気まずかったよね。ごめんね。
というような内容でした。
ここからMくんとしばらくmixiでのやり取りが続きます。
出会ってから3ヶ月はお互いの日記にコメントしたり、イイねを押したり。
たまーにmixiのメッセージでやり取りをしていました。

もっとMくんのことを知りたいと思って、私からご飯に誘いました。
ここでようやくお互いのメアドを交換しました。

そこから毎日メールでのやり取りをしていました。
初めてのデートはすごく楽しくて、気づけば終電近くまで話し込んでいました。
いつの間にか毎日電話をするようになり、ある時Mくんから告白をされて付き合うことに。
自分から好きになった人と付き合うのが初めてだったので、すごく嬉しかったのを覚えています。

お互い忙しかったのと、Mくんがまだ実家暮らしだったのであうのはもっぱら私の家でお家デート。
そのうち半同棲状態になっていました。
毎日会っていたのに、外でゆっくりデートできなかったり少しでも離れている時間があると急に不安になったり・・・
あの頃の私はとても構ってちゃんでした。

付き合って7ヶ月たった頃、突然彼から別れを告げられました。
理由は、学校とバイトが忙しく、私に割く時間がないと。
さらに、毎日会っているうちに恋人として見れなくなったと。

あの頃の私は、彼に会うたびに

「会えなくて寂しかったよ」
が口癖になっていました。その言葉は知らず知らずのうちに彼に負担をかけていたのです。
だいぶ依存していたなぁ・・・と反省しています。後悔しています。
別れを告げられた瞬間からその晩は夜通し泣き続け、そんな私を彼は泣き止むまですっとなだめてくれました。
彼も泣いていました。
泣き腫らした目で仕事に行った日のことを今でも鮮明に覚えています。
販売のお仕事上、お客様の前では笑顔でいなければいけない。すごく辛かったです。
一緒に働いていたパートさんは、何かに気づいたように、何も聞かず帰りがけにチョコレートをくれました。

「Lunaさん裏にチョコレート置いたので、後で食べてくださいね」と。
別れたことを聞いた中学時代の友人は、わざわざ私が勤めていたお店まで来てお菓子の差し入れを持ってきてくれました。
さらに、元気出してねと可愛いストラップもプレゼントしてくれました。

周りの方には本当に恵まれていて、私はそれだけでも十分幸せだったなぁと思います。

Mくんと別れてから付き合った人もいましたが、長続きはしませんでした。
Mくんがどうしても忘れられなかった。
今の彼に出会うまでは。

3年半近く引きずっていました。アドレスや写真は消しましたが、mixiでの繋がりはお互い消せなくて・・・
わからない程度に日記にMくんに対するメッセージを含ませてみたり。

別れてからもMくんが私のmixiに足跡をのこしているのを何度も見かけました。
フェイスブックやツイッターへ流れていく人たちが増え、私もMくんもmixiから遠ざかりました。

一昨年、彼の友人づてに彼が結婚したことを聞きました。
今の彼と付き合い出してから忘れていたと思っていたのに、ショックを隠せず少なからず動揺してしまいました。

そこからさらに月日が経ち、数日前mixiを退会する決意をしました。

ものすごく久しぶりにmixiを退会する旨の日記を投稿。
きっとMくんは見ることはないと思うけれど、今まで日記を読んでくれた人たちにお礼の言葉も言いたいと思って書いた日記でした。

そして今朝、Mくんから久しぶりにmixiづてにメッセージが来ました。

以下は届いたメッセージです。



「昨夜、本当に久しぶりにmixiにログインしました。

mixiを退会するという日記を読んで、過去の日記も読ませていただきました。

変わらず素敵な文章を綴るなと感じたよ。
さらに、きっと過去おれに向けて書いてくれていたのであろう読んでいなかった日記を目にしました。

自分勝手に関係を完結させた自分に対して、その後も発信してくれていた事を今更ながら知り、どうしてもmixiを退会する前に、読んだ直後のいま、伝えたくてメッセージを打っています。

あの頃は本当にごめんなさい。
自分勝手で傷つけて。
自分勝手に完結させて。
その後のメッセージにも反応していなくて。

今更言っても、それも自分勝手だという事も分かっているけれど。
前を向いて進んでいるあなたに今更言うことでもないかもしれないけれども。
それでも最後に伝えたかったんです。
この機会を逃したら、きっと二度と繋がることはないと思ったから。

久しぶりにログインしたmixiのトップに、あなたの日記が出てきたのがとても不思議で。
何か意味があるのかなって考えたり。
やっぱり自分勝手だね。

もう交わることはないと思う。
けど、いまの自分が出来る過程にあなたと過ごした自分が居るのは間違いない事実で。
その時間がなければ今とは違う自分だったとも思う。
どれか一つ欠けても今の自分はいない。
そう思っています。

今更ながら。
ありがとう。
ごめんなさい。

最後に。
もう一つだけ。
勝手なことを言わせてください。
幸せでいてね。」



彼らしい文章のメッセージ。
最後まで、彼はとても優しかった。
優しすぎるくらいに・・・・
数年前にいい加減未練はないのですが、mixiを退会する決断をした矢先このようなメッセージが来ると今まで残してきた日記を消してしまうのが寂しくなってしまいました。

数日後、Mくんにメッセージを返しました。

メッセージありがとうということ。

そして、過去の日記を読んでくれたことが嬉しかったこと。

私も今Mくんと同じ気持ちだということ。

最後に感謝の気持ちとMくんも幸せでいてねということを書きました。

その数日後、彼が5年ぶりに日記を書いていました。

内容は、私と別れてからの仕事のことや仕事で精神的に参った時期のこと。
今の奥さんと出会い、結婚して子どもが生まれたことなどがたくさん綴られていました。

写真付きだったので、正直まだ受け止めきれない部分もありましたが、彼が一児のパパとして、立派な旦那さんとして家族を守るために動いている姿に感動しました。

保育士である彼は、今年の春に園長先生になるのだそうです。
家族の他に、職員や園に通う子どもたちの未来も背負っていく彼。

守るべきものをしっかりと見据え、強くたくましく生きています。
一方的に辛いと思っていた過去の自分が恥ずかしく、情けなく思えました。

彼は彼なりにたくさんの苦労をして生きていました。

彼はこの日記を最後に、もうミクシィでは発信しないそうです。
ただ、ミクシィには自分の原点があるから、辞めることはしないと。
彼は変わりました。

別れて約7年半後にこうした近況に触れ、彼の想いがわかり、改めて人生の中で1番ステキな恋愛だったなと思いました。

彼と過ごした時間は大切でした。

私にとって宝物になりました。

今の幸せを大切にしたいと改めて強く思いました。

最後に、彼が書いた最後の日記にいいねを押しました。


付き合っていた期間は短かったのに、とても密度の濃い恋愛でした。

別れてから1度も会わなかったし、連絡もとらなかったけれど、ミクシィという場でどこか不思議なご縁が続いて互いの心残りを解消できました。

これ以上綺麗な終わり方はありません。

今はほっとしています。


そして、たくさんの想い出を綴ってきたmixiを私は退会しました。


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