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映画「乾いた花」

1964年に公開。
1時間と35分。
いったい何が描かれていたのか。
かんがえてみる。

公開当時、
この映画のキャッチコピーは

「賭博と殺しと白い粉!
 異常な絆で結ばれた男と女!」


ポスターに載っている3人が何をしてきたか、
見事にキャッチコピーがとらえている。

「賭博」は冴子。
「殺し」は村木。
「白い粉」は葉。

「異常な絆で結ばれた男と女」。

この「男」とは誰なのか。
村木なのか、葉なのか。
それとも、二人ともなのか。
そして「異常な絆」とは。


賭場。
ここは物語が始まる場所。
賭場。
ここは3人が出会う場所。
賭場。
ここはお金を賭ける場所。
賭場。
ここは命を賭けない場所。


冴子、村木、葉、
3人が求めていたのもの。
そこから「異常な絆」がみえてくる。


村木は自分を好いてる女性と過ごすとき、どんな表情をしていたか。
冴子はお見合い相手と過ごすとき、どんな表情をしていたか。
葉が始めて画面に登場したとき、どんな説明がされていたか。


冴子、村木、葉、
3人が求めていたのもの。


冴子が笑っていたとき、いったい何をしていたか。
村木が笑っていたとき、いったい何をしていたか。
葉が笑っていたとき、いったい何をしていたか。
3人が笑っていた時、それぞれ何を賭けていたか。



冴子、村木、葉、
3人が求めていたのもの。


それは同じ。


実感。
生きている、という実感。
今、この瞬間、生きている、という実感。
普段眠っている、動物的な、本能的な、刺激的な、狂気的な、快楽的な。
体の芯から湧き上がり、
今、この瞬間、生きている、という生の実感。


その実感は、どうすれば味わえるのか。
何を賭ければ、その実感を味わえるのか。


賭場で、さらなる大金を賭けるのか。
それとも、白い粉に手を染めるのか。
もしくは、人間の命を賭けるのか。

冴子が探していたのはその手段。
冴子とふたりを繋いだのはその手段。
その手段が、村木と葉は違っていた。







1時間と35分。
いったい何が描かれていたのか。






この映画をひとことであらわしてみる。








「心の花は、咲いていますか」


乾いた花 予告
https://www.youtube.com/watch?v=PEmHqkKQ2BU

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