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感動ポルノにハマる

三年ほど前でしょうか。
感動ポルノという単語を初めて耳にしました。

聞いた時は「???どゆこと???」でした。



確か24時間テレビに関するヤフコメかなんかだったと思います。

障がい者が何かに挑戦する姿の映像やその演出が、健常者を感動させるための"見世物"であり、それは障がい者が可哀想という前提のもとに健常者によって消費されるだけのものになっているという指摘です。

さながら女性をモノとして消費するポルノのようだと。

ポルノだろうが年に一度障がい者にスポットを当てる番組や大々的な支援活動は必要だ、という意見もあるので全部ポルノだとは言えませんが揶揄する単語として覚えました。




そんな感動ポルノに最近の私はもっぱら癒されています。

24時間テレビでは泣けないのにこっちでは即泣けます。



YouTubeで「米兵帰還 サプライズ」で検索するとめちゃくちゃ出てくるのですが、要は長期海外派遣で家族の元を離れていた兵士が久々に(家族に内緒で)帰ってくる動画を集めたものです。

「クリスマスまでには帰って来れそうにない。
 すまないな」
と言っていた父自身がクリスマスプレゼントとして帰ってくるサプライズ→イェー!!!
みたいなやつ。

これがまぁ、見ちゃう。見続けちゃう。好き。

一つの動画が30秒前後、色んな軍人の色んな家族や友人の色んなサプライズをまとめて30分くらいになっていて、つい皿を洗いながら洗濯物を畳みながら見ちゃうんです。


半年〜2年単位で世界中の米軍基地に派遣された兵士が任期を終えて母国で待つ家族の元へ予告なしで突然帰ってくる。

家でくつろぐ母の元へ。
家族で楽しむレストランでウェイターのふりをして。
歳の離れた弟妹の学校や卒業式へ。
仕事中の恋人の所へ。

戦地に行っているはずの父、夫、息子、兄、弟、母、妻、娘、妹、姉、恋人や友人が帰ってくるのです。

米兵なのでアメリカ人です。(当たり前)
家族もアメリカ人です。(当たり前)

そのせいかこのサプライズ動画、
サプライズされる側のリアクションがでかい。
とにかくでかい。

オーマイガッ!!オーマイガッ!!
オーマイガァァァッッッッ!!!!!

(オーマイガーって本当に言うんだ)

アーユースィリアスッ!!???
(マジで?嘘でしょ?って訳すやつか)

ワットアーユードーイングヒァァァ!!?
(ここで何してんの?何でいるの?かな)

ダァァディィ!!!
アイミスドユゥゥ……

(これは分かる。寂しかった、だ)

アアァァァァァァァァァ!!!!!
(感嘆詞だな)


ただただ、幸せな動画なのです。
誰も傷つけなくてハッピー以外何もない。
普通の人の人生の一部。
普通の人の幸せな瞬間。

でもこれもある意味感動ポルノだよなぁと見ながら思っています。

普段モニタリングみたいなドッキリサプライズ系番組は、必要以上に感情がザワザワしてしまうので私は苦手なのですが、この手の短くて過程がシンプルなサプライズは好きです。


ちなみに夫が夜勤でいない夜に見ると、次の日夫が帰ってきたときちょっと(私の)リアクションがでかくなります。

夫「ただいまー」

私「オーマイガッッ!!
  オーーマイッガッ!!!
  ヘイマイチルドレン!
  ダディイズカミングホーームッ!!」

夫「……」←疲れてる

私「アイミスドユゥゥ……(熱い抱擁)」

夫「……ふんっ!(小内刈り)」

私「DV!家庭内暴力!」

夫「息子ー娘ーただいまー(ハァト)」



興奮はしてもらえません。


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