日本のあちこちにできている〇〇地区、ちなみに〇〇は民族や外国の地名などが入る。
進む少子高齢化、そして日本人の情緒に多大なる影響を与えているであろう四季の短絡短縮化
日本(人)の終わりの始まりを懸念している今日このごろ。
ふと、安部公房の「友達」という戯曲を思い出した。
短編で場面転換も少なく、そういう意味ではやりやすい素材なのだろう、小劇場ではよく上演される戯曲。
私も何回か観たことがある。
話はとある独り暮らしの青年の家に次々と人が押しかけて「隣人愛」とばかりに居続けてしまうのである。
最終的に住居人の青年は居座った押しかけ人達に取り付けられたハンモックの上で眠りに落ちるというラスト。
話は割と単純かつ戯曲でよくある不条理劇のような要素も含んでいて、はて何だったのだろうという疑問を持つ者も多い。連帯とは何かだとか孤独になることへの不安がテーマだとか色々解釈しているところもあるが、私はとある人(誰だったかは忘れてしまったが芝居を生業にしている年配者だったのは確か)に「安部公房がこれを書いて発表したのは安保抗争吹き荒れている最中。最終的に眠りに落ちてしまう青年は日本を象徴している」という話を聞いた。
第一次小劇場ブーム、数々のアングラ劇団の旗揚げがあった時代。曲がりなりにも芝居の世界に片足突っ込んだものとして、触りだけだが演劇の歴史としてそんな時代があったと学んだ。
この「友達」が今再びむっくりと起き上がってくるだろうか。
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