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赤い橋 青ブラ文学部

時々頭をよぎる光景、赤い橋。
どこかにある橋なのか。ただの空想の産物か。
ほんの一瞬しか現れないから橋の詳細は分からない。
大きな橋かと聞かれれば、違うような気もする。
では、小さな橋かと問われれば、それも違うと思うのだ。

ただ、その橋は河川や海に架かる橋では無く、木々が生い茂る森の中にあると思われる。私は獣道のような場所から赤い橋を見上げているだけ。

何度も何度も、現れる赤い橋。
私はそこに行きたいのだろうか。
原風景なのか、輪廻の中で出会ったことのある橋なのか。
いつか出会うことがあるのだろうか。

もしかしたら人生が終わるときに出会う橋かもしれない。まるで予告編のように、私の前に現れてみせているだけなのか。

そのときが来たら胸を張って赤い橋を渡って行く。
橋の中頃、赤い橋は虹の橋に変化するような気がする。
そのときは七色の光の中をスキップで進もう。
長い長い道のりであったとしても。
きっと何かがわかるだろう。ずっと知りたかったこと。そのときが来たら。

今日も赤い橋は誘うように現れる。



山根あきらさんの企画です。
 お題は『橋』
山根さん、よろしくお願いいたします。


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