水野統彰

こうゆう舎代表(http://campus-atx.org/) 軽度発達障がい&知的障…

水野統彰

こうゆう舎代表(http://campus-atx.org/) 軽度発達障がい&知的障がいの子に向けた学習サポートを行っています。2020年7月よりさいたま市南区にて体験型学び開発教室「Platanus」オープン。「誰にでも学ぶ力がある」 ドラム・読書・映画鑑賞

最近の記事

新しくオープンした教室の、体験会の案内です!楽しんでいってくださいね(^^) https://m.facebook.com/story.php?story_fbid=1676126572548271&id=100004528333212&sfnsn=mo

    • 自閉傾向にある子と「でもね・・・」が苦手な関係

      自閉症スペクトラム症の児童に見られやすいのですが、その子の言い分に対して「でもそれは・・・」と続けてもなかなか納得が得られないときがあります。 言い方によってはかえって機嫌を悪くしてしまったり癇癪をおこしてしまうこともしばしば。 支援の方法として「でも・・・」を使わないということはよく言われますし、実際「でも」を使用しないだけでコミュニケーションが円滑にいくことも良くあります。 なぜ「でも・・・」という返され方が通用しないのでしょうか。 これを「考え方のクセ」という点

      • なぜ基準を持つことが学習につながるのか

        さて、前回は基準という考え方について、サーカディアンリズム(体内時計)を例に出しながら基準を持つことの意味をお伝えしました。 実は基準を持つことは学習をする上でも役に立ちます。 例えば漢字。 基準を持つことが難しい場合は ①書き出し ②長さの比 ③まとまりの構築 などが難しくなります。 ①についてですが、書き順通りにやろう、ということではありません。しかし書き出しの基準が弱いと、順番が記載されていてなぞることはできても、実際に何も見ないで思い出しながら記載しようとする

        • 判断能力の基礎を養う。サーカディアンリズムと基準の内在化

          私たちは普段の生活の中で時間を1つの物差しにして生活を送っています。朝7時に起きて9時から仕事して、12時にお昼を食べて・・・。 休日であっても何時になったら起きようとか15時に友達と待ち合わせ・・・といった具合ですね。 これはこうゆう舎のスタッフも実践しているフォイヤーシュタインメソッドでも言及されていますが、私たちは基準を持つことで生活を送っています。 この基準の持ち方は文化によって習慣化されることも多いので、日本人が時間に厳しい、というのは今日の社会が作り出した文化

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          魚を与えるより釣り方を

          今回は少し番外編をお届けします。 私は幸いにして5年間、中学から高校卒業まで同じ生徒に学習を教える機会を持つことができました。 今振り返ってもその時間はとても濃密な時間でした。 その彼らが大学進学に向けて、着々と歩みを進めています。 そしてそれは誰に強制された道でもなく、また、もしかしたら諦めかけていた道です。 魚を与えるより釣り方を、とはよく言ったもので、私ももれず「釣り方」を教えようとしていたように思います。 しかしこのときすぐにある壁にぶつかりました。 しか

          魚を与えるより釣り方を

          体感を尊重する

          歩くことを覚えた幼児が勢いよく歩いていました。すると突然転んでしまい今にも泣き出しそうです。 慌てて駆け寄ったあなたはなんと声をかけるでしょうか。 こんばんは!突然質問から始まりましたが今回は声かけの中でも相手の感覚受容レベルについて考えてみたいと思います。 さて、先の質問ですが例えば以下のように声をかけるのではないでしょうか。 「大丈夫?痛かったね〜、頑張って歩いたもんね〜。」 多くの方はこれに近い言葉をかけるでしょう。 この一言には次のような要素が含まれています

          有料
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          体感を尊重する

          算数で求めるべきは唯一無二の答えではなく、いかに正確性を高められるかというプロセスにある

          算数でつまずく、つまずいている、と相談を受けた際に計算のプロセスをどこまで共有できていますか? 私は日々、知的活動に対して課題を抱えている生徒と関わっています。その際は学力到達度に合わせて内容を変化させることはもちろんありますが、それ以上に意識していることがあります。 それは知的活動の「在り方」。 今回は算数のプロセスを共有する重要性についてお話しします。 算数や数学の問題を解いていると基本的にはたった1つの解答にたどり着くようになっています。それは算数という学問の性質

          算数で求めるべきは唯一無二の答えではなく、いかに正確性を高められるかというプロセスにある

          指示・提案・お願い➂~繊細な感覚の持ち主は命令では動けない~

          先週はお休みをいただきリフレッシュと勉強と有意義に一週間を過ごしました。 さて、これまでは「指示・提案についてどのような子供を対象にし、そしてどのように活用していくと良いのかまとめていました。 今回は「お願い」という方法で行動を生起する方法についてまとめていきます。 「お願い」といっても懇願するとか頭を下げるとかそうした大それたことではありません。ここで指すお願いは「疑問符で終わる提案」という軽いイメージのお願いです。 仮に目の前におもちゃが散乱していてあと少しでお客さ

          指示・提案・お願い➂~繊細な感覚の持ち主は命令では動けない~

          指示・提案・お願い~「片付かなくて困ってるなら宿題を先にやってみたらどうよ?」~

          こんにちは。またまた土曜日投稿が続いてしまい自分の胆力の無さを嘆きたくなる日々ですが、せっかくの夏がやってきましたので気持ちを切り替えて投稿も楽しくやっていこうと思います。 提案が最も効果的に働くケース ・言語理解が形成されている ・指示に対して不安感が強く、しかし自分の行動を抑制できない ・相手のメタファーや意図を読み取るのが難しい ・見通しを持って行動することの意味を理解し、コントロールできる 前回は指示ということについて考えてみました。指示というとどうしても日本で

          指示・提案・お願い~「片付かなくて困ってるなら宿題を先にやってみたらどうよ?」~

          指示・提案・お願い~注意欠陥の思考と指示~

          おはようございます。いよいよ8月に入りました。梅雨明けの雰囲気もあり今日は朝からじりじりと照り付ける太陽を受けながら作業をしています。 ついこの間誕生日だったのですが、以前までは梅雨から夏への移り変わりがさほど大差ないものと考えていました。 でもじめっとした天気が回復して暑いといえど太陽の光を浴びるのは気分が良いものですね。 今日のテーマはどのように学習を誘導するか、についてです。はじめにご覧になっていただきたいのがこちら。 1.注意欠陥優位は指示先行型が良い。 2.多

          指示・提案・お願い~注意欠陥の思考と指示~

          反省を促すためのクールダウン!?潜む落とし穴

          突然ですが、皆さんに1人になりたい時間はありますか?また、それはどんなときでしょうか?そしてどのような過ごし方をしたいでしょうか? 1人の時間が欲しい時というのは、もしかして気持ちを整理したいときではありませんか? メルマガの閑話休題らしくクールダウンやタイムアウトについて考察してみました。 子どもになってみましょう。 あなたは誤って給食のお皿をひっくり返して食べ物を床に落としてしまいました。しかもこれは今月に入って3回目。でもいずれもわざとではありません。そのとき見るに見

          反省を促すためのクールダウン!?潜む落とし穴

          失敗のケア~共感から推進力をもたらす対話術~

          前回の補足ですが、失敗したときのケアとして共感が必要なのは落ち込んだ気分を自分で受け入れられるようにするためです。これは落ち込まないようにするとか自分を奮起させるといった前段階といえます。  人間の感情は複雑なので喜怒哀楽だけでは表現しきれない微妙な心情があります。日本語は特に感情を表す言葉が繊細だと思うのですが、その時の自身の気分をしっかりと言いあてる言葉があるかどうかは感情を整理するためにはとても重要なことなのです。  共感はこれらの一緒に整理する役割を担っている他、その

          失敗のケア~共感から推進力をもたらす対話術~

          失敗のケア~共感が生み出す勇気~

          こんばんは。いつもブログを読んでいただきありがとうございます。 なんとおかげさまで200回のスキをいただきました!このまま1000回のスキバッジ獲得に向けて頑張ります! さて、今回は失敗のケアの第3回です。人が何かに失敗したとき、励ますより共感がもたらす効果が大きい、というお話です。 多くの人は誰かが落ち込んでいたり傷ついていたりすると、まず初めに励ましてあげたいと考えるものです。それは自ら進んでチャレンジしたために起きた失敗のケアにおいても同様です。  しかし励まし

          失敗のケア~共感が生み出す勇気~

          失敗のケア②目標を定める

          こんにちは。金曜日の作業量がなかなか安定せず相変わらず土曜日に食い込んでしまう水野です。 めげずに定期投稿だけは欠かさずに頑張っていきたいと思います。 今回は前回に続いて失敗のケアについてです。第2回目は「改善中の目標を定める」です。これは特に子育ての中では意識しておいて損のないことです。ぜひ発想の転換に活用してみてください。 その前にまず私たちは目の前に「書類の山だらけで埃がかぶり、かつ飲み物や食べ残しも置きっぱなし」という机を見たときに何を思うでしょうか。 多くの人は

          失敗のケア②目標を定める

          失敗のケア①その失敗は本当に失敗か

          こんばんは。最近1日遅くなってしまうことが多く申し訳ありません。 これからはしっかり金曜日にアップできるようにしていきます。 さて、ここからは失敗をどのようにケアするかということについてまとめていきたいと思います。 今後は以下の5段階でまとめていきますね。 1. その失敗は本当に失敗か 2. 改善中の目標を定める 3. 励まさない 4. シンプルな対話で振り返る習慣をつくる 5.できたときに絶賛する 発達障がいや知的遅れをともなう子どもにとって毎日は失敗の連続です。失敗

          失敗のケア①その失敗は本当に失敗か

          達成感は「繰り返し」記憶するためのステップが必要

          これまでスモールステップの組み立て方や褒め方についてまとめきました。しかし特に外発的動機づけに基づいて達成感を得ているうちは、上手にこの達成感が維持される必要があります。 ここであらかじめ確認しておきたいのですが、達成感はこれまでできそうになかったことができたときに生まれる気持ちです。そして達成感は他の感情と同じくすぐに消え去ってしまうものです。そうした前提に立って達成感を維持していくために周囲ができることを考えてみます。 (1)達成感を言葉にする ところで皆さんはこの達成

          達成感は「繰り返し」記憶するためのステップが必要