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詩によるものがたり「テディ」

1.はじまり(Prelude''Tranquilo'')

ここは
ひろい ひろい
おもちゃやのなか

ぼくは
くまのぬいぐるみ

きょうもぼくは
むかえにきてくれるひとを
じっとしずかに
すわってまってる

まわりにも
ぼくとおなじように
たくさんの
にんぎょうやぬいぐるみが
むかえにきてくれるのを
まってる

ひろい ひろい
おもちゃやのなかにいると
さみしくなるんだ

ぼくを
むかえにきてくれるのは
だれだろう?

2.むかえにきてくれた(''Piacere'')

きょうも
むかえにきてくれるのを
まちどおしく
まってる ぼく

すると
ぼくのまえに
きみと
きみのパパと
きみのママが
やってきた

きみは
しずかに
ぼくを
じっとみつめていた
きみが
ずっとぼくをみているから
ぼくは
なんだかドキドキした

しばらくすると
''このこがいい!''と
ぼくをギュッとしてくれた

それをみた
きみのパパとママは
ニコッとわらって
きみとぼくをみていた

やっと
むかえにきてくれた
ぼくは
うれしくてたまらなかったよ

3.ぼくのなまえは''テディ''(Interlude''Allegro'')

やっと
むかえにきてくれて
ぼくは
うれしくて
こころはずんでた

おうちにつくまでに
きみは
ずっとぼくのことを
ギュッとしてくれてた

なんだろう?
はじめてかんじる
あたたかい このきもち

おうちにつくと
ぼくは
きみのひざのうえにすわり
きみのパパとママも
やさしいえがおで
むかえてくれた

「このこのなまえは''テディ''!」
きみは
とつぜん
そういった

きみのパパとママも
うなずき
きみと
ぼくのあたまを
なでてくれた

きょうから
ぼくのなまえは''テディ''

きみの
あたらしいかぞくになれた

これからよろしくね!

4.いつもいっしょ(''Amabile'')

きみはいつも
ぼくをはなさなかった

おでかけするときも
うたっているときも
おどっているときも
ごはんをたべるときも
となりでねむるときも

でも
きみが
ようちえん(ほいくえん)にいるときは
ぼくは
しずかにおるすばん

だけど
おもちゃやにいるときとちがって
ぜんぜん
さみしくないんだ
だって
きみが
かえってきてくれるから

きみが
かえってきて
ぼくを
ギュッとしてくれると
うれしくて あんしんするんだ

ぼくは
きみと
いつもいっしょ

5.ずっときみのそばに(Finale''Risoluto'')

きみが
だんだん
おおきくなっていくのを
ぼくは
たのしみにしている

ぼくは
はなすことが
できないけど
きみに
たくさんの
''ありがとう''と
おもっているよ

はなすことが
できなくても
きみが
うれしいとき
かなしいときに
よりそいつづけるよ

だから
きみが
おおきくなっても
ぼくのことを
わすれないでいてくれると
うれしいな

''ありがとう''
ぼくを
かぞくにしてくれて

どんなことがあっても
ぼくは
ずっと
きみのそばにいるよ

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