S.Itoh (GattoNero)

遥か昔、留学のためにイタリアの地を踏み、20年ほどトスカーナの田舎に暮らしました。以来…

S.Itoh (GattoNero)

遥か昔、留学のためにイタリアの地を踏み、20年ほどトスカーナの田舎に暮らしました。以来ずっとヨーロッパ、特にイタリアと日本を繋ぐ仕事をしています。現在は東京在住

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フィレンツェの大聖堂の建設を支えた肉料理

牛肉の煮込みインプルネータ風 Peposo all'Impruneta ペポーゾ(Peposo)という料理がトスカーナにある。600年以上存在する古いレシピで、ビーフシチューの原型みたいな料理。牛の硬い部分の肉を赤ワインで長時間煮込むというシンプルな料理で、トスカーナ地方のレストランのメニューの中に発見する確率は高い。この料理には興味深いエピソードがある。初期イタリア・ルネッサンス建築の偉業であるフィレンツェの大聖堂のクーポラを作った職人たちがこの料理を食べていたという事実

    • 最高のトマトソースのスパゲッティ

      一番シンプルなパスタのレシピといえば、トマトとバジルのソースか、ニンニクと鷹の爪で作るパスタで、どちらもシンプルが故、美味しく作ろうとすると結構ハードルが高い。今回はこのうち、実に簡単でびっくりするほど美味しいトマトソースのパスタの作り方を書きたい。 サン・マルツァーノ(S.Marzano) という品種のトマトがある。日本のテレビでも度々世界一まずいトマトとかなんとかとウケ狙いで紹介された品種で、加熱調理用のトマトだ。イタリアの八百屋ではブランドトマトとして売られている。

      • スパゲッティ・ダ・ステファノ

        海の幸のスパゲッティ・ステファノ風。(Spaghetti da Stefano)  その昔、フィレンツェの郊外にダ・ステファノ(Da Stefano)というとても美味しいシーフード専門レストランがあった。  トスカーナ州には海岸線もあり、沿岸の町例えばピサやリヴォルノではもちろんシーフードは食べられるのだけれども、フィレンツェは海岸線から100kmほど内陸部のため、シーフード専門のレストランは少ない。しかも観光都市であるフィレンツェはご存知Tボーンステーキなどご当地メニュー

        • ブロッコリーのパスタ

          Fusilli con Broccoli.  ローマ在住のイラストレーターで、イタリアの街や料理ついての著作をお持ちの鈴木奈月さんが家に遊びに来た時に作ってくれた一皿。手軽に出来て素晴らしく美味しいので、すぐに我が家でも定番メニューになりました。野菜ベースなので炭水化物を摂取するという罪悪感も薄れます。(笑) 材料 3-4人前 フジーリ(Fusilli)300g (このレシピのために存在するような形のパスタです) ブロッコリー 1個 アンチョビ・フィレ3枚(アンチョビペー

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        フィレンツェの大聖堂の建設を支えた肉料理

          サバのスパゲッティ

          Spaghetti con sgombri シチリア料理のイワシのスパゲッティ(Spathetti con sarde )が食べたくなって作ってみた。良いイワシが見つからなかったのでサバで代用。サンマでもおいしいと思います。 材料3人前 スパゲッティ300g サバの三枚におろした半身3 タマネギ1/2個 ニンニクみじん切り1片 トマト缶1/2 EVオリーブオイル 大さじ6 白ワイン半カップ パン粉大さじ4 干しぶどう適宜 松の実適宜 イタリアンパセリ適宜 シナモンパウダー適

          サバのスパゲッティ

          ミートソース標準レシピ

          パスタのミートソースはイタリアのボローニャ発祥で、イタリア語では Ragù alla Bolognese ラグー・アッラ・ボロニェーゼ と呼ばれます。1984年、ボローニャの人達は無形文化財としてミートソースの標準レシピを商工会議所に登録したそうです。イタリアには北から南までお母さんの数だけミートソースのレシピはあるんだろうけど、今回はこのボローニャ商工会議所お墨付きのレシピを参考に、僕の経験から少しアレンジしてご紹介します。 家庭で簡単に用意できるトマト缶は400g。なので

          ミートソース標準レシピ