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化学的な脂肪を減らす方法(柔術家の為のコンディショニングノート⑦)

A. スパーリングの本数を増やす
B. スパーリングの休憩を減らす
C. 打ち込み
D. 高強度インターバルトレーニング
E. 呼吸の改善
F.ウェイトトレーニング
G. 筋持久力のトレーニング
H. ランニング
I. 減量する
J. お菓子をやめる

これらの選択肢のどれもが、スタミナの向上に役立つのは間違いないが、効果は人によって様々だろう。


本当は・・・

スタミナを強化する為には何をするべきか?

という、ブラジリアン柔術の競技力に直結しそうなことを書きたかったのだが、

効果的なトレーニングを実施するには

  1. 体のエネルギー生産と廃棄物処理の構造

  2. スタミナの制限因子は何か?

最低でも、この二つを理解しないと、ただ闇雲にスパーリングを連続でこなしたり、高強度インターバルトレーニングや練習後の謎のサーキットトレーニングで無駄に疲れるだけになりかねない。

ということで、エネルギーについてなるべく簡単に書くことにしたが、この過程は減量や脂肪減少という、多くの柔術家に親しみのあるテーマに繋がるので、先にこちらを書くことになった。

柔術家と化学式

正直に言えば、アルファベットを見つめるエネルギーの話なんて、読んでも面白くないから、ダイエットのバーターにした。

この記事を読む前に2つの注意事項だが、

本稿は、

1.あなたに最適な減量方法やダイエットのHow toを示したものではない。
2.内容は、減量やダイエットに役立つだろうが、あくまでもエネルギーについての話である。


しかし、スタミナの強化に必要不可欠な知識である為、シンプルかつ明瞭な地図になるように仕上げた。

本稿を読めば、

  1. 試合前の減量

  2. 日常的な体重管理

  3. 一般的なダイエット

体重に関する勘違いはなくなるはずである。加えて、スタミナ強化の為の強固な基礎が完成する。


脂肪は燃えない

道場の宣伝で、ブラジリアン柔術や格闘技がダイエット(※痩せるという意味で)に効果的と謳うところもあると思う。

私はずっとこれに疑問があった!

とういうより、痩せる痩せないで言えば、運動には食事制限ほどの効果はない・・・

今日のスパーリングをたくさんこなしても、練習後に雑な食事を一食とれば吹っ飛ぶ程度のカロリー消費でしかないし、疲労で明日のスパーリング本数は少なくなるだろう。

運動は長期的に継続できるなら何でもいい。運動の選択次第で強化できる体の機能に違いがあるだけである。

しかし、代謝の観点では、柔術で激しいスパーリングや試合をすれば、体からたくさんの二酸化炭素と水が抜けるので、痩せると言えなくもない。

(いやいや!空気と水やったら脂肪は減ってへんやんけ!)

とツッコむ人もいるだろう。もしくは、すでにめんどくさくなってるかもしれない。そんな人でも無問題、本稿ではここが一番面倒臭い。

代謝を簡単にいえば、体内で起こる化学反応である。

私はサツマイモが好物だが、私が食べたサツマイモ(物質)は、体内で分解されて、なんだかんだで私がタックルを繰り出す時の化学的エネルギーに変換される。

代謝には

  1. エネルギー代謝

  2. 物質代謝

というエネルギーの出入りに着目する視点と物質の出入りに着目する視点がある。これは見る角度が違うだけで同じものを見てる。

あなたのお腹に蓄えられた脂肪(物質)も、代謝(化学反応)されて

  1. ATP

  2. 二酸化炭素

になる。というより、糖質もタンパク質も同じである。これだけ分かれば、ダイエットも減量も難しくない。

ここで質問だが・・・

『減量を試みるあなたはどうやって体重を減らすのだろうか?』

・・・
・・・
・・・

「ATPをバーンさせる?違う!」

答えは簡単、体から二酸化炭素と水が出ていくことで体重が減っているのである。

ということで、いっぱいゼぇ〜ハ〜して、大量に汗をかくブラジリアン柔術やヌルヌルになってまでやるグラップリングは、物質代謝的にはダイエットに良いと言える。

いくら練習で激しく動いても、冬だと夏に比べて体重が落ちにくいのは、汗をかかないからってのは直感的に理解できると思う。それでも、脂肪は分解されて、ATPに変換されてるし、二酸化炭素としても吐き出してる。ただ水が出ていってないだけである。

加えて、運動時に脂肪が分解されるのと、水が抜けるタイミングはズレるので、体重計に乗って一喜一憂するのは間違いである。毎日体重を計っていれば、急に体重がストンっと落ちる日があったりする。

脂肪を燃やすは比喩であり、実際は体の中で形が変わっただけなのだ。質量保存の法則により、二酸化炭素と水が体外に出ない限り総量は変化しないので減量は失敗する。

※Dietは食物や習慣的な食べ物を指すが、慣用的には痩せる意味でのダイエットが使われる。

※タイトルが科学ではなく化学なのは誤字ではない!


もしも・・・食べられたなら

少し前のことであるが、トップ選手の食事がとても雑で、本人は大して気にしてない様子だった。

強い奴は何食っても強いに近い

「人間、何食ってもエネルギーにできるんだよ!」

的なことを言ってた気がする。別に格闘技に限らず、あらゆる競技において、食べるものがめちゃくちゃなのにパフォーマンスが高いアスリートはいる。

実際には何でもエネルギー化できるわけではないが、マクロ栄養素に関しては、ATP、水、二酸化炭素になるわけだから、この発言は真に近い。もっと言えば、何を食べてなくても、体を分解してエネルギー化できる。

理由は簡単で、私たちの体は本質的には、いつも私たちが食べている食品と変わらないからである。

想像したくないだろうが、私たちだって素手でサバンナに放り出されたら、肉食動物に捕食され、彼らのエネルギーに変換されるはずだ。


なぜあなたは太るのか?

何を食ってもエネルギーにできる発言をもう少し深ぼりすると

  1. 栄養素によるエネルギー変換のしやすさの違い

  2. エネルギー源の利用能力の個人差

この2つの視点が抜けている。

糖質は1g = 4Kcal
脂質は1g = 9kcal
タンパク質は1g = 4Kcal

というのは一般的にかなり知られた数字だと思う。

では、

『なぜ脂質は9kcalで、糖質とタンパク質は4Kcalなのだろうか?』

・・・
・・・
・・・

右じゃない。炭素のCだ!

答えは、炭素が多いからである。

これらは、主に炭素、水素、酸素で構成されるが、脂質は、糖質とタンパク質よりも炭素と水素が多い構造である。

代謝の流れでは、炭素の鎖を切ったり、酸化することでエネルギーができるので、炭素が多い脂質は、よく言えば1gあたりから作れるエネルギーが多い。悪く言えば、炭素が多い分あまりやすく太りやすい。

ということだ。

e.g.
ブドウ糖(C6H12O6) 炭素6個、水素12個、酸素6個(※原子)

体脂肪に多い中性脂肪は脂肪酸3個とグリセロール(アルコール)が結合してる。
脂肪酸のひとつであるパルミチン酸(C16:0) 炭素16個、水素32個、酸素2個(※0は飽和脂肪酸の意、水素と酸素は省略)

脂質は構造的にはエネルギー化しやすい物質だが、炭素の多さに加え、後述するエネルギー生産回路(工場)の特徴により、実際には最も余って体脂肪に変換されやすい。

しかし、どの栄養素もカーボンインなので、オーバーカロリー状態なら脂肪になる可能性はある。

※脂質が分解されると脂肪酸になるが、脂肪酸の種類によっても炭素数が変化するので、実際にはKcalも変わる。例外はあるが、炭素数が多いほどKcalが多い。


エネルギー源の利用能力

糖質は代謝経路を合わせると、脂質よりも速くエネルギー化できる。タンパク質は構造的に複雑ゆえに、糖質、脂質に比べるとエネルギー源には向かない。

といった基本はあるが、

『どのエネルギー源を利用しやすいか?』

というのには個人差もある。

例えば、100m走のスプリンターみたいな瞬発的な競技のアスリートなら、脂質よりも糖質の方を上手く使える体になってる可能性が高いし、マラソンランナーみたいな持久的な競技のアスリートなら脂質を利用する能力が高いはずだ。ウルトラマラソンみたいな競技でさらに長く運動するような人はタンパク質も上手く使えるかもしれない。これは、運動習慣や食習慣による適応と言える。

脂ぎった肉食って健康的な老人っているもんな

同じ個人であっても、年齢を重ねると糖質よりも脂質を利用しやすくなるという話もある。これはホルモンや酵素の変化が関係している。

何食っても強いヤツってのは、エネルギーの利用能力が高い、もしくは適応しやすいアスリートなのかもしれない。

柔術は5~10分程度の持久的な運動の中に、瞬発的な運動、高強度の持続が含まれる。試合のトーナメントなら、複数回試合をこなすスタミナがいる。果たしてどのエネルギー源を利用する能力が高ければ優秀なアスリートなのだろうか?

ポイント、エネルギー生産能力とは、エネルギー源(糖質、脂質、タンパク質)+エネルギー源利用能力


なぜ呼吸をするのか?

スパーリングでゼぇ〜ハぁ〜してたくさん二酸化炭素を吐けば、痩せるかもしれないが、所詮空気(の一部)なので、減量のメインは脱水である。

しかし、ここでは呼吸に注目してほしい。

今、これを読んでるあなたは鼻で呼吸をしていると思う(そう願おう)、では、スパーリング中や試合中はどうだろうか?

個人差はあれ、ある程度キツくなったら口で呼吸することになる。

『なぜキツくなったら口で呼吸をするのだろうか?』

この答えもシンプルだ。

『たくさん酸素を吸いたいし、たくさん二酸化炭素を吐きたいからだ!』

稀に鼻の穴が大きく、遺伝的に優れた鼻を持つアスリートに出会うことはあるが、鼻の穴が口より大きい人には出会ったことがない。

糖質も脂質もタンパク質も代謝されれば、ATP、水、二酸化炭素である。

ATPはエネルギー源、水は体内でも利用価値がある。しかし、二酸化炭素は増え過ぎると細胞の機能を害する。それでは困るので、呼吸で体外に排出している。

体内の二酸化炭素は血液中を移動するが、血液を酸性に傾ける。血液中で二酸化炭素を運ぶのはヘモグロビンであるが、これは酸素の乗り物でもあるので、二酸化炭素が増えすぎると、酸素が乗るヘモグロビンが少なくなり、細胞に酸素を運べなくなる。そして疲れる。

実際に体内の二酸化炭素濃度が高まることが、息を吸いたいというトリガーとなる。

スタミナ制限因子① 呼吸による二酸化炭素の排出、酸素の供給


1本目が疲れる理由

代謝の観点では、呼吸は二酸化炭素を排出する為に行っている。

理論的には、意図的に二酸化炭素をいっぱい吐けば痩せそうではあるが、過度に呼吸を繰り返すと、神経やホルモンの調整がかかり、不調をきたすので、現実的にはたくさん吐いたところで痩せることには繋がらない。所詮空気だ。

血中の二酸化炭素が多いと血液が酸性に傾くので、強い疲労感を感じる。場合によっては吐き気や頭痛もあるだろう。酵素の働きが鈍くなるので代謝も滞る。体は酸性に傾くことに弱い。

通常、人のエネルギー生産は安静時に近いほど、脂質の利用比率が高い。脂質は大量のエネルギーに変換できるが、生産速度が遅い。よって、安静時から急に運動強度が上がると、エネルギー生産速度の速い糖質の利用比率が高まる。

人の代謝には

  • 無酸素性代謝

  • 有酸素性代謝

この2つがあり、違いは文字通り酸素が有るか無いかだ。

無酸素性代謝は、速くエネルギーを作りだせる。運動強度が高いほど利用されるが、それすなわち、酸素が足りてない状態だからこそ使っているので、体内の酸素量は少なく、二酸化炭素の量が増えていく。

ということで、スパーリングや試合の1本目の後には、大きな疲労感が襲ってくる。

腿上げダッシュ?

スパーリングなら、1本目を軽めに行い、2本目から有酸素性代謝を追いつかせるという強度の調整や、スパー間の休憩を挟むことで回復できるが、試合のトーナメントでは、試合間隔が短いと致命的になりかねないので、ウォームアップである程度の強度まで慣らしておくことが大事である。

ポイント、スタミナは、エネルギー生産、廃棄物処理能力、???


痩せるための運動なんて何でもいい

糖質で痩せるか脂質で痩せるかという話の前に、ATPについて簡単に書く。あくまで減量はおまけであり、エネルギー生産を理解していただく目的は、スタミナ強化の為の運動選択を正確にする為である。

とはいえ、アルファベットと数字を並べて話を長くするつもりも無い。簡素化のために、省くことも多いので化学ポリスには見逃してほしい。

糖質も脂質もタンパク質も

  • ATP

  • 二酸化炭素

に代謝できる。

アデノシン三リン酸
アデノシン三リン酸

このATP(Adenosine Triphosphate)がエネルギー源であるが、phosphateはリン酸のことで、要はアデノシンに3つのリン酸がついているということだ。

ATP自体がエネルギーなのではない。ATPは調理しないと食べれない生の食品ってイメージだ。

筋肉にある酵素が働くと、ATPが代謝されて、ADP(Adenosine diphosphate)とリン酸となる。diは2つとか2倍という意味で、つまりリン酸が1個分離するのである。

この時に放出されるエネルギーを使って筋肉が収縮する。サツマイモがタックルに変わった瞬間だ。

よって、ATPもADPとリン酸に分解されてるだけだから、質量は変化しない。

エネルギー生産比率、運動強度と運動量

安静時に近いほど、脂質のエネルギー比率が高いとしたが、脂質に対する糖質の利用比率が上がるのは

  1. 運動開始時

  2. 運動強度が高くなるにつれ

である。

脂質のエネルギー化は遅いので、運動開始時に急に強度が上がると、即座にエネルギーを供給できる糖質※が利用される。同様に運動強度が高くなるほど、無酸素性代謝でないと間に合わない。

しかし、これは0 : 100ではない。

最大の安静時である就寝時ですら、脂質の利用率は70%程度で、残りは無酸素性代謝になる。逆に超高強度短時間の運動の場合も5~10%は有酸素性代謝に頼る。

体脂肪を効果的に減らそうとすれば、長距離のランニングのような、脂質が上手く動員される強度で、適度な運動量を確保するのが有効である。

なのは間違いないが、他にも選択肢はある。

※無酸素性代謝にはクレアチンリン酸も利用されるが便宜上(後述)

高強度運動後のエネルギー源

HIIT(高強度インターバルトレーニング)に対する注目も数年前に比べるとだいぶ薄くなったと思う。

HIITのオリジナルは、最大酸素摂取量(VO2Max)を遥かに超える運動強度のトレーニングを休憩を挟みながら繰り返すことで、有酸素性と無酸素性、両方の能力を向上させるというもので、アスリートの能力を向上させるプロトコルだった。

なので、ダイエットや脂肪減少を目的とした方法ではない。

しかし、高強度の運動を繰り返すことにより、ダイエットに対してもメリットが生じる可能性がある。

高強度であるほど、運動中は無酸素性代謝が利用される。無酸素性代謝のエネルギー源は

  1. クレアチンリン酸

  2. 糖質

であるが、糖質は働く筋肉にある筋グリコーゲンが優先的に利用される。

筋細胞イメージ(だいぶラフです。)

大量にATPを作れる工場であるミトコンドリアを使うには使用代として酸素が必要だが、クレアチンリン酸やグリコーゲンなら無酸素でATPを作れる。

HIITにより、筋グリコーゲンが減ったとする。この後に摂取する糖質は、グリコーゲンの補充に利用される。日常の摂取カロリーがアンダーカロリー下であるかぎり、グリコがある程度満たされるまで、糖質は脂肪に変換されにくい。

という流れであるが、糖質がグリコ補充に回されるなら

『このタイミングの日常生活の運動エネルギーはどこからくるのか?』

これは、体脂肪であったり、食事で摂取した脂質が利用される。ので痩せるという理屈である。

感覚的には、筋トレやHIITなど高強度運動の後には、座っている間も脂肪が燃えている・・・というキャッチーなダイエットに対する売り文句になるかもしれない。

であれば、

『よっしゃー高強度でガンガントレーニングするで!』

というのも、ちょっと待ってほしい。


あなたは動いてない

私は友人に再三、運動じゃ期待するほど痩せないということを強調してきた。

食事制限と運動のダイエットに関する効果を比べた研究は豊富にあり、運動には期待するほどの減量効果は無いことがわかっている。もちろん、併用することが一番効果的だし、運動による体の機能の向上を含めると長期的には運動は有益かつ必須である。

しかし、ダイエットのメインは食事だし、本来の意味に帰結する。試合前の減量も含めて短期的には食事制限だけで十分痩せれる。なので、運動は何でもいい。

就寝時は脂質の利用比率が高いが、寝てるだけで痩せれる※なら、ダイエット産業は世界中でこんなに発展してない。

脂質が使われてるのに痩せない理由は簡単で、絶対的な運動量が少ないからだ。

運動強度と運動量に関しては勘違いが起きやすい。次のシチュエーションを想像してほしい。

ヤバイよヤバイよ〜

あなたは、スパーリングで実力が上かつ階級も上の相手にパスされて抑えられてしまった・・・

必死こいてガードに戻そうとするも、なかなか戻せず、疲労がたまる。息はゼェ〜ハぁ〜する

(クソっ!疲れた・・・ハぁ)

実際あなたは疲れる。

そのスパーを動画で撮ってたあなたは、映像を確認して愕然とする。

(全然、動いてねぇ・・・)

でも、疲れたんだ。スパー中はとても疲れを感じたんだ!

おわかりだろうか?

抑え込みに必死に抵抗しているあなたは主観でキツいと感じてるし、実際に運動強度は高くなっている可能性がある。二酸化炭素も吐いている。

でも、たいして動いてないんだ。つまり、絶対的な運動量は少ない。

主観的な疲労感と運動強度、運動量にはズレが生じる。

闇雲にスパーリングをこなしたところで、大して動いてなければ、絶対的な運動量は低い。場合によっては、打ち込みを連続して行っていた方が減量には役立つかもしれない。

ダイエット、減量に大事なのは、日常生活も含めて、絶対的な運動量を確保することだ。ハードに運動(練習)して怪我するなんて本末転倒なので、怪我せず続けれるなら運動は何でもいい。

※運動量の観点では睡眠はダイエットに役立たないが、睡眠が不足すると食欲も増加するし、グリコも補充されないし、脂肪の合成も高まるし、浮腫むので、睡眠こそ絶対量の確保が必須である。


練習後の体重なんて参考にならない

減量(ダイエット)のポイントをサクッとまとめると

1.体重減少のメインは水分 2.ダイエットは食事管理 3.寝るのは大事

メインに入る前に、私が長く格闘技や運動指導の分野にいて疑問に思っていることを書く。

減量中やダイエット中に、練習後(運動後)に体重を計る意味についてである。

私の18年間変わらない日常的な習慣は、運動前(練習前、ウェイトトレーニング前、ランニング前)に体重を計り、運動後にも体重を計ることである。

これは、運動で自分がどれだけ脱水したかを確認する為である。自分がどれだけ痩せたかを確認する為ではない。

脱水量は季節や運動量により変化するが、雨季から夏場の運動では、運動中に給水したとしても、運動後には大幅に体重が減る。そこで・・・

(再掲!)

「やったー!痩せたぞ!!」

とはならない。すぐに水分とミネラルを補給するべきである。

体の水分が不足すれば、

  1. 血液が減って代謝が鈍る

  2. 便秘になる

  3. 水分を溜め込もうとして浮腫む

ということで、太りやすくなる。

減量の場合、計量時に体重が減ってさえいればいいので、脱水するのは今日じゃなくていい。脱水の方法として練習(運動)を選択する必要もない。

運動によって減る体重なんて日によって変化する。18年間計っても運動前後の数字を正確に推測できたことはない(する意味もない)

明日が試合日でなければ、脱水分の水分は確実に補給しよう。

では、減量(ダイエット)の大詰めと、まだ出ていないスタミナ制限因子たちを見ていく。

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