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私は凸凹やアンバランスさを愛せない

5歳くらいの時におばあちゃんにうさぎのぬいぐるみをもらった。めちゃくちゃ可愛かったが、耳が片方だけ折れているタイプのうさぎだった。左右非対称なのが気持ち悪くて何度も耳を伸ばそうとしたし、伸びないとわかると伸びてる方も同じように折り目がつくようにゴシゴシと擦った。

こういうタイプの耳の子だった

そんな出来事を思い出すと、私のこの特徴は、生まれ持った性格もあると思うし、幼少期の私への子育ても影響していると思う。とにかく昔からずっとそうだった。

だから片目だけ一重の自分の顔が大嫌いで、小6でアイプチデビューした。運動も勉強も同じくらいできるように努力したし「文武両道だね」という褒め言葉が何より好きだった。英語・国語・数学の主要3科目はセンターでも全て同じくらいの点数を取れるように勉強時間も調整した。大学生になっても、サークルとバイトと友人や彼氏との遊びはバランスよく予定を組んだ。

努力の甲斐もあり、社会人になって心身のバランスを崩すまでは、プライベートも仕事も両方充実していた。元気でほどよく器用で、努力家でもあるけど隙もあって、バランスのいい人間だと周囲にも思われていたと思う。そんな自分が好きだった。

夫のことが好きな理由の一つもバランスの良さだったりする。彼も、勉強も運動も両方できるし、家事も仕事もバランスよくこなす。性格的な面でもロジカルさを持ち合わせつつちゃんと感情にも目を向けられる人である。私よりも何でも卒なくこなせる人で、一緒に過ごしていて安心感がある。

何か日常の均衡を崩してくるようなアンバランスなことがあると、言い表せない不快感、不安感が湧いてくる。多分、その感覚は誰にもわかってもらえないけど、私は毎日それと戦っている。

例えば、猫が昨日食べてたご飯を今日食べないとか、気に入ってたカバンの持ち手が片方だけ曲がってるとか、描いてる絵が意図せず左右非対称になったとか。そういう小さいことにイライラソワソワする時間が人よりも長いのだ。だから変化や違いにも人よりとても敏感で、疲れやすい。

ちなみに仕事でもそういうことに日々向き合ってるが、あまり何とも思わずに過ごせている。職場を出たら一切会話することのない他人のことなので、どうでもいいというか。そもそも賃金をもらっていることなので、妙に割り切ってるというか。(それでもイイイイとなることもあるけど。)凸凹も含めてそんな自分を愛しましょう、と平気な顔で他人には言っている。私が1番アンバランスな人間なのかもしれない。

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