エフェクターコラム13 「Distortion その2 メタル系」

前回はハードロッキンなDistortionのご紹介でした。それだけで十分長くなってしまったので今回は2回目です。後半戦はHR/HMのHM部分、ヘビーメタル、メタル系Distortionのご紹介です。さぁ今回は全力高速ダウンピッキング
からいってみましょう!

これを全部ダウンピッキングでやってると知った時には驚きと絶望と背中に嫌な汗が走りました。その時から、メタルというのは私にとって筋肉の音楽というジャンルに。メタルと言えばメタリカ。1986年発売の邦題「メタル・マスター」ことMaster of Puppetsでございます。

メタルと言えばこのようなウルトラハイゲインサウンドをイメージする人が多いと思います。Distortionの歪みよりもさらに深い、もはや音がつぶれて完全にまとまってしまってるんじゃないかというくらいの歪み。こちらのギターサウンドは現代でもハイゲインアンプの代表格、Mesa Boogieのアンプ(Mark II-C+)とMarshall(JCM800)で録音されたものになります。

Mark II-C+の発売が1983年ですが、それまではメタル系のミュージシャンたちはより深い歪みを得るために改造したマーシャルを使っていたと言われています。改造マーシャルは私の印象だと、より粒の粗い荒々しいDistortionなイメージがありますが、Mesa Boogieの登場あたりからメタルらしい目の細かいまとまったウルトラハイゲインサウンドになっていく印象があります。

同じ1983年にBOSSがHM-2 Heavy Metalを発売

そして、その改造マーシャルのウルトラハイゲイントーンを目指して開発されたのが未だに根強いファンを持つHM-2です。クリーンから踏み込んだだけでこの歪み。こちらは91年に生産が終了してしまいますが2021年にBOSSのハイグレード版「WAZA CRAFT」版で再発されています。

そして名機MT-2 Metal Zoneへ

91年にHeavy Metalの後継としてMT-2 Metal Zoneが発売。メタル系エフェクターの定番中の定番、メタルがやりたいならとりあえずこれを買っておけと言われるレベルの有名機種です。発売から30年以上も製造され続けているロングセラーモデルで、販売数もBOSSエフェクター歴代2位、通算売上100万台以上。HM-2と比較するとよりザクザクとハイミッドに特徴があるサウンドです。こちらはWAZA CRAFT版が2018年に発売。

根強いファンのいるDOD GRUNGE

こちらは1993年。90年代オルタナグランジブーム直系と言いますか、ウルトラハイゲイン要素によりエグさを足したようなピーキーな音が特徴です。使いやすさとクオリティのBOSS、変態系のDODと言いますか。こちらは生産は終了しているので中古市場でしか見かけません。

実際は深い歪みはアンプで作ってしまう人が多い

ウルトラハイゲイン系のエフェクターはOverdriveやハードロック系Distortionと比較すると定番機種が限られる印象があります。そしてメタル系ギタリストもエフェクターで深く歪ませるよりはアンプでウルトラハイゲインまで押し上げてしまってオーバードライブ系のペダルで少し味付けをする、という音作りをする人も多い印象です。

その他のウルトラハイゲイン系現行機種

Diezel VH4 PEDAL

超定番ハイゲイン・アンプ「VH4」そのままの歪みが得られるペダル型プリアンプ! Diezel / VH4 PEDAL

メタル系Distortionというよりは音作りの幅広さから最早ウルトラハイゲインプリアンプと言えるくらいの定番機種。ウルトラハイゲイン系で今一番人気があるアンプメーカー、Diezelのこれまた定番アンプVH4をペダルタイプに落とし込んだエフェクターです。

見た目のインダストリアルさに似合わず、現在もドイツにて少数精鋭でハンドメイドでアンプを制作しています。メタル、ヘヴィーロック、メロコア、ハードコアまでハイゲイン系のギターサウンドを使うジャンルでは目にすることがとても多い印象です。

サウンドはもはやメタル系Distortionではなく、足元にあるDiezelアンプという印象。モダンなかっこいいウルトラハイゲインサウンドを作りたいならまずおすすめしたいペダルです。

2ch仕様でさらに多機能に使えるVH4-2もあります。

Empress Effects Heavy

こちらも次世代エフェクターメーカーとして人気のあるEmpress Effectsのハイゲインディストーションです。ハードロック系のDistortionからウルトラハイゲインまで幅広く使え、Diezelと比較するとより荒々しくハードロック寄りなオールドスクールな印象があります。こちらもツマミの数的にDistortionというよりはプリアンプな感じです。

Wampler Pedals Dracarys Distortion

サイズがコンパクトで、歪みの目が細かく重低音がきっちり出てきてくれるモダンなウルトラハイゲインペダル。WAMPLERも高品質なペダルをたくさんリリースしているメーカーで、こちらもとても使いやすいと思います。ウルトラハイゲイン系をボードに1つ入れておきたい時などに特におすすめです。プリアンプっぽいものばかりの紹介になってしまった中でエフェクターらしいサイズ感の物も書けて安心。

おわりに

いかがでしたでしょうか。今回は書いていて私自身のウルトラハイゲイン系の引き出しの少なさにびっくりしました!これを機にまたギターを担いで楽器屋さんツアーでもしたいなと思っています。

さぁみんな!メタルで健康に!


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